ホリショウのあれこれ文筆庫

歴史その他、気になった案件を綴ってみました。

2022-02-01から1ヶ月間の記事一覧

第253話 往年のプロレスラー

序文・テレビ漫画「タイガーマスク」もよく観た 堀口尚次 私が中学生の頃、プロレスが大流行りで、男子の間ではテレビ中継の翌日はプロレスの話題で持ちきりだった。以下に当時の人気レスラーを紹介します。 ①ジャイアント馬場 言わずと知れた日本プロレス界…

第252話 朝鮮にあった日本人村

序文・朝鮮と日本の繋がりは古くから 堀口尚次 倭館(わかん)は、中世から近世にかけて、李氏朝鮮〈朝鮮王朝〉時代に朝鮮半島南部に設定された日本人居留地のことである。江戸時代には対馬府中藩が朝鮮との外交、通商を行った。 李氏朝鮮は、朝貢船以外の商船…

第251話 内大臣と侍従長の違い

序文・再び廃止された内大臣 堀口尚次 内(ない)大臣府は、明治中頃から戦前昭和にかけて日本に存在した制外官〈省庁の様なもの〉の一つ。宮中にあって天皇を常侍(じょうじ)輔弼(ほひつ)〈常に補佐〉し、宮廷の文書事務などを所管した内大臣を支える機関とし…

第250話 悲運の殿様・松平容保(かたもり)

序文・尊皇と佐幕の狭間に生きた殿様 堀口尚次 幕末の会津藩主だった松平容保が、京都守護職を拝命した時、家老らは急ぎ会津より到着し、京都守護職就任を断る姿勢を取った。家臣たちは容保に謁し「このころの情勢、幕府の形勢が非であり、いまこの至難の局…

第249話 旧優生保護法と除斥期間

序文・司法の役割 堀口尚次 優生保護法とは、昭和23年から平成8年まで存在した法律である。優生と母体保護を目的とし、不妊手術、人工妊娠中絶、受胎調節、優生結婚相談などを定めたものであったが、優生思想に基づく部分は障害者差別であるとして削除され、…

第248話 清和源氏の流れと仮冒

序文・徳川家康も源氏になる必要があった 堀口尚次 源氏には祖とする天皇別に21の流派があり、清和(せいわ)源氏はそのうちの一つで清和天皇から分かれた氏族である。 清和天皇の皇子のうち4人、孫の王のうち12人が臣籍降嫁して源氏を称した。中でも第六皇子…

第247話 名作「砂の器」

序文・差別と宿命 堀口尚次 『砂の器』は、松本清張の長編推理小説。 東京都内、大田区蒲田駅の操車場で起きた、ある殺人事件を発端に、刑事の捜査と犯罪者の動静を描く長編小説。清張作品の中でも特に著名な一つ。ハンセン氏病を物語の背景としたことでも知…

第246話 元日本兵の帰還と残留日本兵の実態

序文・「恥ずかしながら生きながらえておりました」 堀口尚次 横井庄一さんは、元陸軍軍人で、最終階級は軍曹。太平洋戦争終結から28年目、アメリカ領グアム島で地元の猟師に発見された残留日本兵として知られる。 小野田寛郎さんは、元陸軍軍人で、最終階級…

第245話 人生は雨の日の托鉢

序文・雨はいつかあがるもの 堀口尚次 かつて、大手企業の重役から脱サラして僧侶になった人の著作「人生は雨の日の托鉢」を読んだ。彼は若い修行僧に混じって還暦過ぎの雲水(うんすい)となった。 生きていれば、楽しい事や楽な事ばかりではなく、辛い事や苦…

第244話 ジャイロ効果とヘリコプター

序文・名古屋発祥の地球ゴマ 堀口尚次 ジャイロ効果とは、一般的には、物体が自転運動をすると〈自転が高速なほど〉姿勢を乱されにくくなる現象を指す。 学術上は、自転回転する物体〈この効果に関連する場合「ジャイロ」と呼ばれる〉について次の性質を指す…

第243話 樺太(サハリン)の悲劇

序文・南樺太の領有権は国際法上は未定のまま 堀口尚次 明治38年から昭和20年までは、北緯50度線を境に、南半分〈南樺太〉を「樺太」として大日本帝国が、北半分〈北樺太、北サハリン〉を「サハリン」としてソビエト連邦が領有していた。日本領有下において…

第242話 明治維新前からあった廃仏毀釈

序文・神仏分離が拡大解釈されてしまった 堀口尚次 「廃仏毀釈」とは、大政奉還後に成立した新政府により、慶応4年に発せられた太政官布告〈通称「神仏分離令」〉、および明治3年に出された詔書「大教宣布」などの政策を拡大解釈し、暴走した民衆をきっかけ…

第241話 本当の強さとは

序文・優しさという強さ 堀口尚次 冬季ながら連日の熱戦が繰り広げられている北京オリンピックだが、選手の活躍や、まわりの動静に、「本当の強さと何か」という事を考えさせられた。 スキー・ジャンプ混合団体で、スーツの規定違反のため高梨沙羅が失格して…

第240話 消滅した国家

序文・社会主義国家が辿った運命 堀口尚次 「ユーゴスラビア」は、1918年にセルビア王国を主体としたセルビア人・クロアチア人・スロベニア人王国として成立。1929年にユーゴスラビア王国に改名されたが、1941年にナチス・ドイツを中心とする枢軸国の侵攻に…

第239話 判事と裁判官の違い

序文・判事が主人公の漫画「家栽の人」は、家裁ではない。 堀口尚次 判事は、日本の裁判官の職位の1つ。旧法下においては、現在の「裁判官」に相当する意味で用いられていた。ただし旧憲法では裁判官と称していた。現行法においては、旧法下の「判事」に代わ…

第238話 東照大権現・神様になった徳川家康

序文・日光東照宮に祀られたのは家康の遺言だった 堀口尚次 権現(ごんげん)は、日本の神の神号の一つ。日本の神々を仏教の仏や菩薩が仮の姿で現れたものとする本地垂迹思想による神号である。権という文字は「権大納言」などと同じく「臨時の」「仮の」とい…

第237話 不正車検問題の闇

序文・氷山の一角かもしれない 堀口尚次 アサリの産地偽装問題も同じだが、客〈消費者〉がわからなければ即座に問題にならないサービスなどは五万とある。「わからなければ何をやってもいい思想」は、この日本に蔓延していると思う。 他人が見ていないところ…

第236話 四字熟語の成り立ち

序文・外人泣かせの四字漢字 堀口尚次 ①【乾坤一擲(けんこんいってき)】 運命を賭けて、いちかばちかの大勝負をすること。「乾坤」は、天と地、陰と陽。転じて、さいころの奇数と偶数の目の意。また、天下を賭けるような大勝負をすること。「一擲」は、さい…

第235話 昭和天皇の戦争回想

序文・明治天皇の御製を引用 堀口尚次 過日NHKドキュメンタリー番組で「昭和天皇が語る開戦への道」を観た。昭和天皇は、すべての始りは、張作霖(ちょうさくりん)爆殺事件の首謀者の責任追及を行わなかった事に端を発していたと回想していた。 張作霖爆殺…

第234話 野口英世の改名と実像

序文・学者の顔と裏の顔 堀口尚次 野口英世は貧しい農家に生まれ、1歳で左手に大火傷を負ったハンディキャップを克服してほぼ独学のみで医師となり、さらには細菌学者として一時は世界的な名声を得た。21世紀の現在に至るまで、日本では子供向けの偉人伝が多…

第233話 小笠原諸島の歴史

序文・アメリカによる戦後統治は沖縄だけではなかった 堀口尚次 小笠原諸島は、東京都小笠原村の行政区域を指す。東京都特別区の南南東約1,000kmの太平洋上にある30余の島々からなる。 1593年〈天正20年〉信濃小笠原氏の一族を自称する小笠原貞頼が伊豆諸…

第232話 天神信仰と牛

序文・最後は神頼みですか 堀口尚次 天神信仰は、日本における天神〈雷神〉に対する信仰のことである。特に菅原道真を「天神様」として畏怖・祈願の対象とする神道の信仰のことをいう。 本来、天神とは国津神(くにつかみ)に対する天津神のことであり特定の神…

第231話 東條英機暗殺計画の東亜連盟

序文・大山倍達も参加していた東亜連盟 堀口尚次 東亜連盟は、石原莞爾(かんじ)〈陸軍の異端児・軍事の偉才〉の指導のもとに石原構想の実現を目ざした右翼的国家社会主義団体。石原の構想は、日本をアジアさらに世界の盟主とし、そのための「東洋文明圏」を…

第230話 中国残留日本人の足跡

序文・戦争のしわ寄せは弱者に及んだ 堀口尚次 中国残留日本人は、第二次世界大戦末期のソ連軍侵攻と関東軍撤退により日本へ帰国できず、中国大陸に残留した日本人である。日本の法律などでは、中国在留邦人ともいう。 満州事変の直後に、日本は清の最後の皇…

第229話 摂政・関白・太政大臣

序文・今も昔も名誉職や権威が必要 堀口尚次 摂政(せっしょう)は、君主制を採る国家において、君主が幼少、女性、病弱である等の理由で政務を執り行うことが不可能、あるいは君主が空位であるなどの場合に、君主に代わって政務を摂ること、またはその役職の…

第228話 メディアのやらせ問題

序文・過度の演出がやらせを生んだ背景 堀口尚次 やらせとは、事実関係に作為・捏造をしておきながらそれを隠匿し、作為などを行っていない事実そのままであると(またはあるかのように)見せる・称することを言う。片仮名で「ヤラセ」とも表記される。 新聞…

第227話 軍部大臣現役武官制の問題点

序文・軍部の暴走はここから始まった 堀口尚次 軍部大臣現役武官制とは、大日本帝国憲法下の日本において制定されていた、軍部大臣〈陸軍大臣・海軍大臣〉の就任資格を現役の大将・中将に限定する制度である。現役武官に限るため、文官〈軍人以外の者〉はも…

第226話 日韓併合清算後の諸問題

序文・朝鮮半島の近代化に寄与した日本 堀口尚次 韓国併合とは、朝鮮半島の権益を巡る日清戦争及び日露戦争後の明治43年、「韓国併合ニ関スル条約」に基づいて大日本帝国が大韓帝国を併合して統治下に置いた事実を指す。朝鮮全土を統治する朝鮮総督府が設置…