ホリショウのあれこれ文筆庫

歴史その他、気になった案件を綴ってみました。

2024-08-01から1ヶ月間の記事一覧

第1162話 連隊旗に固執した乃木希典

序文・明治天皇を慕い殉死 堀口尚次 乃木希典(まれすけ)〈嘉永2年 - 大正元年〉は、日本の陸軍軍人。日露戦争における旅順攻囲戦の指揮や、明治天皇を慕(した)い、あとを追って殉死したことでも知られる。最終階級は陸軍大将。栄典は贈正二位勲一等功一級伯…

第1161話 新皇・平将門

序文・怨霊になった新しい天皇 堀口尚次 平将門〈延喜3年 - 天慶3年〉は、平安時代の関東の豪族。日本の第50代桓武天皇四代の皇胤(こういん)であり、平氏の姓を授けられた高望王の三男の鎮守府将軍・平良将の子。下総国・常陸国に広がった平氏一族の抗争から…

第1160話 逢魔時

序文・黄昏時に魔が潜む 堀口尚次 逢魔時(おうまがとき)、大禍時(おおまがとき)は、夕方の薄暗くなる、昼と夜の移り変わる時刻。黄昏どき。魔物に遭遇する、あるいは大きな災禍を蒙ると信じられたことから、このように表記される。 逢う魔が時・逢う魔時とも…

第1159話 第三国人

序文・日本が統治した朝鮮と台湾 堀口尚次 大東亜戦争終結後、日本の一部であった朝鮮と台湾を指した言葉。当時国家が存在しなかった〈大東亜戦争によって滅亡した国家ではない〉ため、戦勝国でも敗戦国でもない第三の国家であるということから「第三国」と…

第1158話 レールバス

序文・ディーゼル汽車 堀口尚次 レールバスとは、バスなどの自動車の装備を流用した、もしくはそれをベースに造られた小型の気動車〈内燃機関や蒸気機関などの熱機関を搭載して自走する鉄道車両=汽車・ディーゼルカー〉である。軽量で製造・運用コストが低…

第1157話 軍法会議と軍律会議

序文・軍による裁判 堀口尚次 軍律審判とは、軍が占領地住民に対して施行した法令〈軍律〉に基づいて行われる、軍律違反者に対する軍律会議に於ける審判である。 軍法会議が司法機関としての特別裁判所であるのに対して、軍律審判は軍の行政機関による手続で…

第1156話 「鵯越の逆落とし」と鷲尾三郎義久

序文・奇襲戦法の道案内役 堀口尚次 『平家物語』によれば、義経は馬2頭を落として、1頭は足を挫いて倒れるが、もう1頭は無事に駆け下った。義経は「心して下れば馬を損なうことはない。皆の者、駆け下りよ」と言うや先陣となって駆け下った。坂東武者たちも…

第1155話 松花堂弁当

序文・農家の種入れから 堀口尚次 松花堂(しょうかどう)弁当は、中に十字形の仕切りがあり、縁の高いかぶせ蓋のある弁当箱を用いた弁当。 仕切りのそれぞれに刺身、焼き物、煮物、飯などを見栄え良く配置する。盛り分様式としては、ごはんと数種類のおかずを…

第1154話 短命に終わったピーチライナー

序文・まさに桃源郷?! 堀口尚次 桃花台線(とうかだいせん)は、かつて愛知県小牧市のほぼ中央部にある小牧駅から同市東部にある桃花台ニュータウンの桃花台東駅までを結んでいた、第三セクター・桃花台新交通が運営していたAGT路線である。愛称は、一般公募…

第1153話 さよなら名古屋港線

序文・貨物線の廃止 堀口尚次 名古屋港線(みなとせん)は、かつて日本貨物鉄道〈JR貨物〉が保有していた山王信号場 - 名古屋港駅間の東海道本線貨物支線の通称である。東臨港線、臨港線、名古屋港臨港線などとも呼ばれた。 名古屋港周辺に建設された貨物支線…

第1152話 全面講和論の南原繁

序文・サンフランシスコ講和条約 堀口尚次 南原繁〈明治22年 - 昭和49年〉は、日本の政治学者。東京大学名誉教授。東京帝国大学の総長を務めた。 昭和21年2月11日 - 紀元節には日の丸をかかげ、日本精神そのものの革命を通じての「新日本文化の創造」を説く…

第1151話 ねじりまんぽ

序文・明治時代の土木技術の結晶 堀口尚次 ねじりまんぽとは、アーチ橋を斜めに架けるための組積造(そせきぞう)の技法である。 専門用語では斜架拱(しゃかきょう)と呼称する。 ねじりまんぽとは、明治・大正期に建設されたレンガ構造の土木構造物で、トンネ…

第1150話 模擬原爆こと「パンプキン爆弾」

序文・アメリカ軍の原爆投下計画 堀口尚次 パンプキン爆弾〈かぼちゃ爆弾〉は、第二次世界大戦中にアメリカ軍が開発、使用した爆弾。弾体が橙黄色に塗装されていたことから「パンプキン」の名がある。昭和20年8月9日に長崎に投下された原子爆弾「ファットマ…

第1149話 鬼柴田・かかれ柴田・知恵柴田の柴田勝家

序文・現名古屋市名東区出身 堀口尚次 柴田勝家は、戦国時代から安土桃山時代にかけての武将・大名。織田氏の宿老であり、主君・織田信長に従い、天下統一事業に貢献した。 大永2年『張州府誌』によると尾張国愛知郡上社(かみやしろ)村〈現・愛知県名古屋市…

第1148話 八路軍に参加した日本軍人

序文・共産党軍 対 国民政府軍 堀口尚次 八路(はちろ)軍とは、日中戦争時に華北で活動していた中国共産党軍の通称である。1937年8月22日毛沢東と朱徳が率いる中国工農紅軍が、中国国民政府の国民解放軍に編入されて第八路軍と呼称されたことに由来している。…

第1147話 浮野の戦い

序文・織田家骨肉の戦い 堀口尚次 浮野の戦いは、戦国時代、尾張国浮野〈愛知県一宮市千秋町浮野〉で起きた合戦。浮野合戦ともいう。 織田弾正忠家の織田信長は尾張の支配を固めつつあった。尾張下四郡(しもよんぐん)を支配する清洲織田氏〈織田大和守家〉の…

第1146話 菊花紋と桐花紋

序文・皇室や国家の象徴 堀口尚次 菊花紋章(きっかもんしょう)は、キク科キク属のキク〈菊〉を図案化した菊紋のうち、特に花の部分を中心に図案化した家紋のことである。菊花紋、菊の御紋ともいう。単に菊紋と言う場合は葉、菊、花を組み合わせるか、いずれ…

第1145話 智に働けば角が立つ情に棹させば流される

序文・夏目漱石の文学 堀口尚次 人間が社会で生きていくうえで、理知のみに割り切っていたならばこのことで他人と衝突する。だが他人の感情に気を使っていてばかりでは、自らの足をすくわれるようになるということである。この言葉では人付き合いの難しさが…

第1144話 蛇抜け

序文・土石流の恐怖 堀口尚次 他の自然災害同様、土石流の常襲地では土石流の危険性、避難の目安、地名などの情報が昔からの言い伝えや文書として代々受け継がれていることがある。また、石碑や石像など形あるもので伝えていく場合もある。日本において土石…

第1143話 消えた大平宿

序文・街道の繁栄と衰退 堀口尚次 大平宿(おおだいらじゅく)は、長野県飯田市に存在した宿場町である。中山道と三州街道〈伊那街道〉を結ぶ大平街道のほぼ中間地点、標高1150mの大平高原と呼ばれる山中のわずかな平地に建物が点在している。 大谷街道は、江…

第1142話 勤皇博徒・日柳燕石

序文・勤皇の志士たちを助けた 堀口尚次 日柳燕石(くさなぎえんせき)〈文化14年 - 慶応4年〉、江戸時代末期の志士。讃岐国那珂郡子松郷榎井村字旗岡〈現・香川県仲多度郡琴平町〉の出身。幼名長次郎のち耕吉、諱は政章、字は士煥、号は燕石。 父は加島屋惣兵…

第1141話 人間魚雷「回天」

序文・恐るべき片道切符 堀口尚次 回天(かいてん)は、太平洋戦争で大日本帝国海軍が開発した人間魚雷であり、日本軍初の特攻兵器である。 「回天」という名称は、特攻部長・大森仙太郎少将が幕末期の軍艦「回天丸」から取って命名した。開発に携わった黒木博…

第1140話 東条英機に反発した新聞記者・新名丈夫

序文・陸軍対海軍の構図が浮き彫り 堀口尚次 新名丈夫(しんみょうたけお)〈明治39年 - 昭和56年〉は、日本の評論家、元毎日新聞記者。 太平洋戦争中、黒潮会〈海軍省記者クラブ〉の主任記者であった新名は、昭和19年2月23日付東京日日新聞〈現・毎日新聞〉一…

第1139話 松永久秀は奈良の大仏を焼き払ったのか

序文・不慮の失火説が有力 堀口尚次 松永久秀〈永正5年- 天正5年〉は、戦国時代・安土桃山時代の武将、大和国の戦国大名である。官位を合わせた松永弾正の名で知られる。 初めは三好長慶(ながよし)〈摂津国守護代〉に仕えたが、やがて三好政権内で実力をつけ…

第1138話 神風特別攻撃隊の命名者・猪口力平

序文・道場「神風流」から 堀口尚次 猪口力平(いのぐちりきへい)〈明治36年 - 昭和58年〉は、日本の海軍軍人。海兵52期。最終階級は海軍大佐。戦後改姓し、詫間力平となった。神風特別攻撃隊の命名者。 昭和19年10月19日夕刻、マバラカットに第一航空艦隊長…

第1137話 戦艦大和と共に沈んだ有賀中将

序文・艦長の最期 堀口尚次 有賀(あるが)幸作〈明治30年-昭和20年〉は、日本の海軍軍人。最終階級は海軍中将。戦艦大和最後の艦長として有名である。 有賀幸作は大和と運命を共にし戦死したが、戦死時の状況には諸説がある。 最も有名なのは、有賀が羅針儀に…

第1136話 眼帯の史実のない独眼竜正宗

序文・隻眼の伊達政宗 堀口尚次 伊達政宗は、出羽国〈山形県〉と陸奥国〈宮城県・福島県〉の武将・戦国大名。伊達氏の第17代当主。近世大名としては、仙台藩〈宮城県・岩手県南部〉の初代藩主である。 伊達政宗が「独眼竜」のあだ名で呼ばれるのは、江戸時代…

第1135話 八百長

序文・八百屋の長兵衛 堀口尚次 八百長とは、前もって勝敗を打ち合わせておき、表面だけ真剣に勝負を争うように見せかけること。 転じて、一般に、前もってしめし合わせておきながら、さりげなくよそおうこと。 選手、審判およびその家族や関係者を脅し〈ま…

第1134話 針尾送信所

序文・ニイタカヤマノボレ一二八○ 堀口尚次 針尾送信所は、大正11年、旧東彼杵郡(ひがしそのぎぐん)崎針尾村〈現在の長崎県佐世保市針尾〉に大日本帝国海軍によって建造された無線送信所。第二次世界大戦後も平成9年まで海上自衛隊および海上保安庁の無線施…

第1133話 虎ノ門事件

序文・摂政暗殺未遂事件 堀口尚次 虎ノ門事件は、大正12年12月27日に、東京府東京市麹町区虎ノ門外で、皇太子・摂政(せっしょう)宮裕仁親王〈後の昭和天皇〉が無政府主義者の難波大助から狙撃を受けた暗殺未遂事件。関東大震災後に頻発したテロ事件の一つで…