ホリショウのあれこれ文筆庫

歴史その他、気になった案件を綴ってみました。

宗教

第1583話 袖振り合うも他生の縁

序文・輪廻転生した多生と前世の他生 堀口尚次 袖振り合うも他生の縁は、仏教からのことわざ。他生は多生と表記することもある。多少とするのは誤り。 道を行くときに、見知らぬ人と袖が振り合う程度の関係であっても、それは前世からの因縁であるということ…

第1574話 如意棒

序文・思いのまま 堀口尚次 如意金箍棒(にょいきんこぼう)は、中国の伝奇小説『西遊記』に登場する道具。俗に「如意棒(にょいぼう)」とも呼ばれる。 『西遊記』の主人公孫悟空が武器として使う、黒き神珍鉄製で両端に金色の箍(たが)〈金箍〉がはめられた棒、…

第1572話 尾張氏の祖・高倉下

序文・天香山命 堀口尚次 高倉下(たかくらじ)は、古代日本の人物で尾張連(おわりのむらじ)〈尾張氏(おわりうじ)〉の遠祖。夢で見た神託により、神武天皇に霊剣・布都御魂をもたらした。別名で天香山命(かめのかぐやまのみこと)とも。 『古事記』、『日本書紀…

第1559話 三十番神

序文・一月を交替で守護する 堀口尚次 三十番神は、神仏習合の信仰で、毎日交替で国家や国民などを守護するとされた30柱の神々のことである。三十番神は、1ヶ月30日〈旧暦太陰太陽暦であるため、1ヶ月は29日か30日〉を交替で守護する。 天台宗の開祖最澄〈伝…

第1558話 安城御影

序文・親鸞聖人の肖像画 堀口尚次 安城御影(あんじょうのみえい)は、鎌倉時代の建長7年法眼朝円の筆とされる絹本著色親鸞聖人像。親鸞83歳の姿を描いたとされる。西本願寺所蔵。「鏡御影」〈国宝〉、「熊皮御影」〈重文〉と並び、親鸞聖人三御影とされる。 …

第1555話 三門と山門

序文・寺院の入口 堀口尚次 三門は、門の形式で、中央の大きな門と左右の小さな門との3門を連ねて1門としたものである。寺院によっては形式に関わらず「三門」と名付けられているものもある。山門とも呼ぶが、これは、寺院がもっぱら山林にあり山号を持つか…

第1554話 観音さまの性別

序文・女性像のイメージが多い 堀口尚次 観音菩薩は男性と女性の両方の姿を取ることから、欧米の研究者のあいだではジェンダー・フリーの体現者であると解釈され、評価されている。しかしながら、本来は男性であったと考えられる。梵名のアヴァローキテーシ…

第1542話 東照宮

序文・東照大権現を祀る 堀口尚次 東照宮は、江戸幕府初代将軍の徳川家康を「東照大権現」として祀る神社である。元和2年4月2日、今際の徳川家康は金地院崇伝・南光坊天海・本多正純を呼び、次のように遺言した。 『御大漸の後は久能山に納め奉り、御法会は…

第1523話 御岳行者皇居侵入事件

序文・肉食禁止 堀口尚次 御岳行者皇居侵入事件は、明治5年2月18日に、現在の東京都千代田区で発生した、御嶽講〈木曽御嶽山信仰〉の行者等の一団が、明治天皇に対する肉食禁止をはじめとする意見の具申を目的として,皇居〈当時は「宮城」〉に入ろうとした…

第1460話 濃尾崩れ

序文・隠れキリシタンの受難 堀口尚次 濃尾崩れは、江戸時代前期に、尾張国と美濃国で隠れキリシタンが検挙された事件。崩れとは、1つの地域で大勢のキリシタンの存在が発覚し、その信仰組織が崩壊することである。 永禄9年からキリスト教の布教が始まった濃…

第1457話 目から鱗が落ちたパウロ

序文・キリストの諭し 堀口尚次 目から鱗が落ちるは、新約聖書からのことわざ。 今まで気付かなかったことが、何かをきっかけとして分かるということを意味する。自分の視野が広がるようになるという意味である。目から鱗と略されて用いられる場合がある。目…

第1455話 六根清浄

序文・修験道 堀口尚次 六根清浄(ろっこんしょうじょう)とは、人間に具わった六根を清らかにすること。「六根浄」ともいう。根を防護すること。お経に説かれている六根は般若心経にもあるが、法華経の方がくわしい。六根清浄によるご利益について説いている…

第1469話 玉福稲荷神社

序文・狐は商売繁栄を斉す神の使い 堀口尚次 愛知県知多郡武豊町にある「日油株式会社 玉福稲荷神社」は、全国でも有数の立派な社内神社。会社敷地内にあるため、かつては一般人は参拝できなかったようだが、筆者が訪れた2025年7月の時点では、会社敷地と隣…

第1468話 蔵王権現

序文・修験道の本尊 堀口尚次 蔵王権現は、日本独自の山嶽仏教である修験道の本尊である。正式名称は金剛蔵王権現、または金剛蔵王菩薩。インドに起源を持たない日本独自の仏で、奈良県吉野町の金峯山寺本堂〈蔵王堂〉の本尊として知られる。「金剛蔵王」と…

第1466話 安産祈願の神・鹽竈神社

序文・潮の干満に関係 堀口尚次 鹽竈(しおがま)神社は、宮城県塩竈市にある神社である。志波彦(しわひこ)神社との二社が同一境内に鎮座している。志波彦神社は式内社〈名神大社〉。鹽竈神社は式外社、陸奥国一宮。両社合わせて旧社格は国幣中社で、現在は神…

第1456話 引導を渡す

序文・仏教儀式 堀口尚次 引導とは、仏語で、仏教の葬儀において、亡者を悟りの彼岸に導き済度するために、棺の前で導師が唱える教語〈法語〉、または教語を授ける行為を指す。 もとは、衆生を導き、仏道に引き入れ導くことという意味であるが、そこから転じ…

第1452話 雨乞いから始まった万燈祭

序文・秋葉神社の祭礼 堀口尚次 万燈祭〈刈谷万燈祭、まんどまつり / まんとうまつり〉は、愛知県刈谷市銀座にある秋葉神社の祭礼である。 江戸時代中期から続いている夏祭りであり、火難防除・町内安全を祈願する。愛知県無形民俗文化財に指定されている。…

第1451話 信長と秀吉の命で続く須成祭

序文・疫病退散祈願 堀口尚次 須成祭(すなりまつり)は、愛知県海部(あま)郡蟹江町須成の冨吉建速(とみよしはけはや)神社・八剱(はちけん)社両社の祭礼として行われる川祭。 疫病退散を祈願する天王信仰〈牛頭天王(ごずてんのう)の信仰〉の祭礼であり、須成天…

第1440話 おみくじの創始者・元三大師良源

序文・厄除け大師 堀口尚次 良源は、平安時代の天台宗の僧。諡号は慈恵(じえ)。一般には通称の慈恵大師、元三大師(がんざんだいし)の名で知られる。第18代天台座主〈天台宗の最高の位〉であり、比叡山延暦寺の中興の祖として知られる。また、中世以降は民間…

第1436話 懸衣翁

序文・十王の配下 堀口尚次 懸衣翁(けんえおう)とは、死後の世界の三途の川のほとりにある衣領樹(えりょうじゅ)という木の上、または川辺にいる奪衣婆(だつえば)の隣にいるといわれる老人の妖怪である。 奪衣婆と共に十王の配下で、奪衣婆が亡者から剥ぎ取っ…

第1429話 神宮式年遷宮

序文・常若の思想 堀口尚次 神宮式年遷宮は、神宮〈伊勢神宮〉において行われる、定期的な遷宮のことである。式年は、基本的に20年ごととされている。 原則として20年ごとに、内宮〈皇大神宮〉・外宮〈豊受大神宮〉の2つの正宮の正殿、14の別宮の全ての社殿…

第1408話 酒の神様・三輪明神こと大神神社

序文・神に捧げる御酒 堀口尚次 大神(おおみわ)神社は、奈良県桜井市三輪にある神社。式内社(名神大社)、大和国一宮、二十二社(中七社)。旧社格は官幣大社で、現在は神社本庁の別表神社。旧来は美和乃御諸宮、大神大物主(おおものぬし)神社と呼ばれた。…

第1404話 神社にある蕃塀と結界

序文・不浄の侵入を防ぐ 堀口尚次 蕃塀(ばんぺい)は、神社の参道上にある塀である。社殿を直視できないようにするため、または不浄なものの侵入を防ぐために造られたとされる。 伊勢神宮の皇大(こうたい)神宮〈内宮〉と豊受大(とようけだい)神宮 〈外宮〉に…

第1362話 除夜の鐘

序文・煩悩を打ち消す 堀口尚次 除夜の鐘は、日本仏教にて年末年始に行われる年中行事の一つ。12月31日の除夜〈大晦日の夜〉の深夜0時を挟む時間帯に、寺院の梵鐘を撞(つ)くことである。除夜の鐘は多くの寺で108回撞かれる。 中国の宋代の禅宗寺院の習慣に由…

第1354話 神馬のかわりに絵馬

序文・神聖視された馬 堀口尚次 神馬(しんめ)は、神が騎乗する馬として神聖視された馬である。日本の神社に奉献され、あるいは祭事の際に登場する馬を指す。馬の種類に特に決まりはないが、一般的に白馬を重んじる。 奈良時代から祈願のために馬を奉納する習…

第1353話 日本で唯一漬物の神様を祀る「萱津神社」

序文・日本武尊に漬物を献上 堀口尚次 萱津(かやつ)神社は、愛知県あま市上萱津にある神社。 漬物の神社と知られており、境内には漬物を納める「香の物殿」がある。毎年8月21日の「香の物祭」には多くの漬物業者が参列する。 創建時期は不明。かつては「草ノ…

第1351話 迦楼羅とカーマデーヴァ

序文・インドがふるさと 堀口尚次 迦楼羅(かるら)は、インド神話のガルダを前身とする、仏教の守護神。八部衆、後には二十八部衆の一員となった。「迦楼羅」の音写はパーリ語に由来する。迦楼羅天、迦楼羅王とも呼ばれる。食吐悲苦鳥(じきとひくちょう)と漢…

第1334話 前鬼・後鬼

序文・役行者の脇侍 堀口尚次 前鬼(ぜんき)・後鬼(ごき)は、修験道の開祖である役小角が従えていたとされる夫婦の鬼。前鬼が夫、後鬼が妻である。役小角を表した彫像や絵画には、しばしば〈必ずではないが〉前鬼と後鬼が左右に従う形で表されている。役小角…

第1325話 鬼籍に入る

序文・閻魔大王の書類 堀口尚次 鬼籍とは、死者〈漢語で言う「鬼」〉の名前を記録する籍であり、仏教や民間信仰などでは地獄の閻魔大王の手元で管理されているとされる書類である。鬼録(きろく)、生死簿、閻魔帳とも呼ばれる。 閻魔大王など、死者を裁く冥府…

第1310話 名古屋晴明神社

序文・陰陽師 堀口尚次 名古屋晴明(せいめい)神社は愛知県名古屋市千種区清明山1-6にある、陰陽師・安倍晴明を祀る神社。 かつて安倍晴明がこの地〈尾張国狩津荘上野邑〉に在住していた頃〈寛和3年に当地に移住したと伝わる。政変により当地に流されたという…