ホリショウのあれこれ文筆庫

歴史その他、気になった案件を綴ってみました。

戦争

第529話 真珠湾攻撃の航空参謀・源田実

序文・航空自衛隊育ての親 堀口尚次 源田実、明治37年 -平成元年は、海軍軍人、航空自衛官、政治家。海軍での最終階級は大佐。戦闘機パイロット、航空参謀を歴任し、第三四三海軍航空隊司令として終戦を迎えた。自衛隊では初代航空総隊司令、第3代航空幕僚長…

第511話 幻のロケット戦闘機「秋水」

序文・恐るべき日本の技術 堀口尚次 秋水(しゅうすい)は、太平洋戦争中に日本陸軍と日本海軍が共同で開発を進めたロケット局地戦闘機である。ドイツ空軍のメッサーシュミットMe163の資料を基に設計を始めたが、試作機で終わった。 正式名称は試製秋水。海…

第505話 通州事件

序文・南京虐殺との関連 堀口尚次 通州(つうしゅう)事件とは、昭和12年に中国の通州〈現:北京市通州区〉において冀東(きとう)防共自治政府〈1935年から1938年まで中国河北省に存在した政権。当時の日本側の公式見解によると、地方自治を求める民衆を背景に…

第486話 柳条湖事件・日本陸軍関東軍の陰謀

序文・軍部暴走の始まり 堀口尚次 柳条湖(りゅうじょうこ)事件は、満州事変の発端となる鉄道爆破事件。 昭和6年、民国20年9月18日、満州〈現在の中国東北部〉の奉天〈現在の瀋陽市〉近郊の柳条湖付近で、中国兵が日本の南満州鉄道を破壊し、日本の鉄道守備隊…

第478話 日露戦争とポーツマス条約

序文・アメリカのおかげ 堀口尚次 日露戦争において終始優勢を保っていた日本は、日本海海戦戦勝後の1905年〈明治38年〉6月、これ以上の戦争継続が国力の面で限界であったことから、当時英仏列強に肩を並べるまでに成長し国際的権威を高めようとしていたアメ…

第474話 ユダヤ人を救った陸軍中将

序文・東条英機やマッカーサーも味方につけた 堀口尚次 樋口季一郎は、日本の陸軍軍人。最終階級は陸軍中将。兵庫県淡路島出身。歩兵第41連隊長、第3師団参謀長、ハルピン特務機関長、第9師団長等を経て、第5方面軍司令官兼北部軍管区司令官。 前夜第二次世…

第472話 大川周明という思想家

序文・狂気の沙汰なのか?! 堀口尚次 大川周明(しゅうめい)、明治19年 - 昭和32年は、日本の思想家。 1918年、東亜経済調査局・満鉄調査部に勤務し、1920年、柘植大学教授を兼任する。1926年、「特許植民会社制度研究」で法学博士の学位を受け、1938年、法…

第468話 降伏文書に署名した重光葵

序文・世紀の大役 堀口尚次 重光葵(まもる)、明治20年 - 昭和32年は、日本の外交官・政治家。重光は敗戦直後に組閣された東久邇宮稔彦王内閣で外務大臣に再任され、日本政府の全権として降伏文書に署名するという大役を引き受ける。昭和20年9月2日、東京湾上…

第467話 北一輝の目指した国家像

序文・社会民主主義 堀口尚次 北一輝(いっき)、明治16年- 昭和12年は、戦前の日本の思想家、社会運動家、国家主義者。二・二六事件の皇道派青年将校の理論的指導者として逮捕され、軍法会議で死刑判決を受けて刑死した。 「明治維新の本義は民主主義にある」…

第466話 富田メモ

序文・戦後のタブー 堀口尚次 富田メモとは、平成18年7月20日の日本経済新聞朝刊により、その存在が報道された元宮内庁長官・富田朝彦がつけていたとされるメモ〈手帳14冊・日記帳13冊・計27冊〉。特に昭和天皇の靖国神社参拝に関する発言を記述したと報道さ…

第463話 B29より大きい幻の九二式重爆撃機

序文・木製プロペラが岐阜の民家で見つかった 堀口尚次 九二式重爆撃機は、1930年代の大日本帝国陸軍の試作重爆撃機。キ番号〈試作名称〉はキ20。呼称・略称は九二式重爆、九二重爆など。 本機の設計元はドイツのユンカース社が開発したユンカースG.38大型…

第455話 会津藩出身の陸軍大将

序文・戊辰戦争の禍根を背負って 堀口尚次 柴五郎、万延元年 - 昭和20年は、陸軍軍人。第12師団長・東京衛戍(えいじゅ)総督・台湾軍司令官・軍事参議官を歴任し、階級は陸軍大将勲一等攻二級に至った。 会津藩の上士〈280石〉である柴佐多蔵の五男として生ま…

第454話 GHQが認めた米内海軍大臣

序文・日本内部からの崩壊を憂慮 堀口尚次 米内光政(よないみつまさ)は、連合艦隊司令長官、海軍大臣、内閣総理大臣を歴任した。 鈴木内閣の陸軍大臣だった阿南惟幾は終戦の日当日に「米内を斬れ」と言い残して自決したが、米内本人は軍人として法廷で裁かれ…

第453話 BC級戦犯の1000名が死刑

序文・戦争犯罪とう犯罪の是非を問う 堀口尚次 BC級戦犯は、連合国によって布告された国際軍事裁判所条例及び極東国際軍事裁判条例における戦争犯罪類型B項「通例の戦争犯罪」またはC項「人道に対する罪」に該当する戦争犯罪または戦争犯罪人とされる罪状に…

第451話 橘丸事件

序文・国際法違反はお互い様 堀口尚次 橘丸(たちばなまる)事件は、昭和20年に日本陸軍が国際法に違反して病院船「橘丸」で部隊・武器を輸送した事件である。日本陸軍創設史上最も多い約1,500名の捕虜を出すこととなった。 昭和18年12月当時、日本軍が運用し…

第450話 玉音放送・現代語訳

序文・けふ正午に重大放送 堀口尚次 「堪え難きを堪え 忍び難きを忍び もって万世の為に太平を開かんと欲す」で有名な玉音放送は、『大東亜戦争終結ノ詔書』であり「終戦詔書」とも呼ばれ、天皇大権に基づいてポツダム宣言を受諾する勅旨を国民に宣布するた…

第448話 天皇に叱責された総理大臣

序文・天皇の機微にふれたか 堀口尚次 田中義一〈陸軍大臣→総理大臣〉は、張作霖(ちょうさくりん)爆殺事件に際して、国際的な信用を保つために容疑者を軍法会議によって厳罰に処すべきと主張し、その旨を天皇にも奏上したが、陸軍の強い反対に遭ったため果た…

第447話 割腹した阿南惟幾陸軍大臣

序文・陸軍大臣としての責任を全う 堀口尚次 阿南惟幾(あなみこれちか)は、陸軍軍人。陸軍大臣勲一等攻三級。昭和20年4月に鈴木貫太郎内閣の陸軍大臣に就任。太平洋戦争末期に降伏への賛否を巡り混乱する政府で本土決戦への戦争継続を主張したが、昭和天皇の…

第445話 久米島守備隊住民虐殺事件

序文・沖縄離島で起きた惨劇 堀口尚次 久米島守備隊住民虐殺事件は、太平洋戦争時における沖縄戦の最中から終戦後に発生した、日本海軍守備隊による同島民の虐殺事件。久米島事件とも呼ばれる。 沖縄戦も終盤にさしかかった昭和20年6月、アメリカ軍はそれま…

第441話 浮島丸事件の悲劇

序文・戦争の負の遺産は今も残る 堀口尚次 浮島丸事件は、太平洋戦争終戦の日の後の昭和20年8月4日17時20分頃に、舞鶴港の京都府舞鶴市下佐波賀沖300mの地点で、日本海軍特設運送艦浮島丸〈4,730総トン、乗組員255名〉が、3,725名〈4000人とする場合もある〉…

第440話 能崎事件の禍根

序文・群集心理と鬼畜米英がもたらしたもの 堀口尚次 能崎(のざき)事件は、昭和20年に起きたアメリカ軍兵士に対する私刑殺害事件。事件の呼称は第152師団長だった能崎清次陸軍中将からとったものである。事件現場が佐原町だったことから、佐原町事件とも呼ば…

第439話 鬼畜の小笠原事件

序文・戦争が生み出した狂気 堀口尚次 小笠原事件は、昭和20年に小笠原諸島父島において日本の陸海軍高級幹部が、アメリカ軍航空部隊の搭乗員である捕虜8名を処刑し、そのうち5名の人肉を嗜食(ししょく)した事件。父島事件とも。 当時の父島は住民を疎開させ…

第437話 ゴーストップ事件

序文・軍人がいかに横柄であったか 堀口尚次 ゴーストップ事件は、昭和8年に大阪府大阪市北区の天六交差点で起きた陸軍兵と巡査の喧嘩、およびそれに端を発する陸軍と警察の大規模な対立。「ゴーストップ」とは信号機を指す。 満州事変後の中国大陸における…

第436話 アメリカ合衆国による沖縄統治

序文・今も残るアメリカ統治時代の名残 堀口尚次 アメリカ合衆国による沖縄統治は、昭和20年のアメリカ軍による沖縄占領から、昭和47年の沖縄本土復帰に至るまでの、27年間に及ぶアメリカ合衆国による占領統治時代のこと。この間沖縄はアメリカ合衆国の地域…

第435話 真岡郵便電信局事件

序文・旧樺太・サハリンの悲劇 堀口尚次 真岡郵便電信局事件とは、太平洋戦争後の樺太の戦いで、真岡郵便局の電話交換手が集団自決した事件である。当時日本領だった樺太では、一方的に条約破棄したソ連軍と日本軍の戦闘が、1945年8月15日の玉音放送後も続い…

第434話 人間魚雷「伏龍」

序文・選択条件「孤独に耐えうる者」 堀口尚次 伏龍(ふくりゅう)は、第二次世界大戦末期の大日本帝国海軍による特攻兵器。「人間機雷」とも呼ばれる。潜水具を着用した兵士が浅い海底に立って待ち構え、棒付き機雷を敵の上陸用舟艇に接触させ爆破するという…

第433話 永野軍令部総長の信条

序文・本当の勇気というもの 堀口尚次 永野修身(おさみ)は、日本の海軍軍人、教育者。最終階級および栄典は元帥海軍大将従二位勲一等功五級。第24代連合艦隊司令長官。第38代海軍大臣。第16代軍令部総長。海軍の三顕職である連合艦隊司令長官、海軍大臣、軍…

第432話 杉山参謀総長の遺書

序文・敗戦責任を痛感していた 堀口尚次 杉山元(げん)は、大日本帝国陸軍軍人。元帥陸軍大将。陸軍士官学校卒業、陸軍大学校卒業。陸軍大臣、教育総監、太平洋戦争開戦時の参謀総長。 陸軍大臣、参謀総長、教育総監の陸軍三長官を全て経験し元帥にまでなった…

第431話 大本営発表

序文・政治と武力(軍事力)の分散が目的で統帥権を独立させたはずが・・・ 堀口尚次 大本営は、日清戦争から太平洋戦争までの戦時中に設置された日本軍〈陸海軍〉の最高統帥機関。その設置は統帥権の発動に基づくとされ、平時には統帥部〈陸軍参謀本部及び…

第430話 高松宮宣仁親王

序文・戦争回避を進言 堀口尚次 高松宮(たかまつのみや)宣仁(のぶひと)親王は、皇族、海軍軍人。大正天皇の第三皇子。「なるべく近くに」と長兄・昭和天皇の内意より、横須賀海軍航空隊教官に補される。太平洋戦争開戦前夕の11月20日、軍令部部員と大本営海…