ホリショウのあれこれ文筆庫

歴史その他、気になった案件を綴ってみました。

政治・行政

第1001話 時効

序文・罪は一生消えない 堀口尚次 時効とは、ある出来事から一定の期間が経過したことを主な法律要件として、現在の事実状態が法律上の根拠を有するものか否かを問わず、その事実状態に適合する権利または法律関係が存在すると扱う制度、あるいはそのように…

第943話 「大風呂敷」の後藤新平

序文・無政府主義者との親交 堀口尚次 後藤新平〈安政4年- 昭和4年〉は、日本の医師、官僚・政治家。位階勲等爵位は正二位勲一等伯爵。 台湾総督府民政長官。南満州鉄道〈満鉄〉初代総裁。逓信大臣、内務大臣、外務大臣。東京市第7代市長、ボーイスカウト日…

第889話 交通反則通告制度

序文・青切符 堀口尚次 交通反則通告制度とは、自動車または原動機付自転車を運転中の軽微な交通違反「反則行為」につき、反則行為の事実を警察官または交通巡視員により認められた者が、一定期日までに法律に定める反則金を納付することにより、その行為に…

第836話 憲政の常道

序文・総辞職と衆議院議員総選挙 堀口尚次 憲政の常道とは、大日本帝国憲法下の日本において一時期運用されていた、政党政治における政界の慣例のこと。 「天皇による内閣総理大臣や各国務大臣の任命〈大命降下〉において、衆議院での第一党となった政党の党…

第832話 大政翼賛会

序文・国家体制の刷新 堀口尚次 大政翼賛会は、昭和15年10月12日から昭和20年6月13日まで存在した日本の政治結社。公事結社〈公益のみを目的とする結社。日本独自の概念で、外国では通用しない〉として扱われる。「大政」は、天下国家の政治、「天皇陛下のな…

第829話 インボイス制度

序文・正確な納税 堀口尚次 インボイス制度とは、消費税〈付加価値税〉の仕入税額控除の方式の一つで、課税事業者が発行するインボイス〈売手から買手へ正確な適用税率や消費税額等を伝えるための請求書など〉に記載された税額のみを仕入税額控除することが…

第779話 公益通報者保護法

序文・密告者ではない 堀口尚次 公益通報者保護法は、一般にいう内部告発を行った労働者〈公益通報を行った本人〉を保護する日本の法律である。2004年6月18日公布、2006年4月1日施行。 内部告発者に対する解雇や減給その他不利益な取り扱いを無効としたもの…

第747話 保釈制度の趣旨

序文・地獄の沙汰も金次第 堀口尚次 保釈とは、勾留されている被告人について住居限定や保証金の納付を条件として身柄の拘束を解く制度である。 日本では刑事訴訟法88条以下に規定がある。日本法では起訴後の保釈のみが認められており、起訴前の保釈の制度は…

第724話 警務官の特性

序文・軍隊の憲兵に相当 堀口尚次 警務官とは、陸・海・空の各自衛隊で部内の秩序維持の職務に専従する者であって、刑事訴訟法の規定による司法警察職員以下、司法警察員として職務を行う三等陸曹、三等海曹又は三等空曹以上の自衛官をいう〈特別司法警察職…

第717話 供託金の是非

序文・基本的人権に抵触するか 堀口尚次 供託金とは、法令の規定により法務局などの供託所に供託された金銭。公職選挙において、売名や泡沫候補の乱立を阻止するための制度。金額は出馬する選挙によって異なり、法定得票数に達しない得票率の場合は全額没収…

第665話 「ダルマさん」こと高橋是清

序文・モラトリアムの実施 堀口尚次 高橋是清〈嘉永7/安政元年 - 昭和11年〉は、日本の政治家。日本銀行総裁。 立憲政友会第4代総裁。第20代内閣総理大臣〈在任:大正10年 - 大正11年〉。栄典は正二位大勲位子爵。幼名は和喜次。近代日本を代表する財政家とし…

第650話 無投票当選に思う

序文・選挙することの意義 堀口尚次 無投票当選とは、選挙において立候補の届出者数が定数以下となった場合に、投票が行われずに候補者全員が当選する状態を指す。 日本の公職選挙法では、立候補者数が定数以下である場合は投票を行わずに立候補者全員が当選…

第618話 沖縄返還の裏に潜む密約

序文・国家機密との闘い 堀口尚次 西山事件は、1971年の沖縄返還協定について、新聞記者らが取材で知り得た機密情報を国会議員に漏洩し、国家公務員違反により最高裁判所で有罪判決が確定した事件である。別名、沖縄密約事件、外務省機密漏洩事件。 第三次佐…

第617話 コンピューター付きブルドーザー田中角栄

序文・ま~この~ 堀口尚次 田中角栄、大正7年 - 平成5年は、日本の政治家・実業家・建築士。 血液型はB型。 衆議院議員、郵政大臣、大蔵大臣、通商産業大臣、自由民主党総裁、内閣総理大臣を歴任した。自民党内最大派閥の田中派を率い、日本列島改造論を計…

第615話 元総理・野田佳彦の信念

序文・愚直な姿勢 堀口尚次 野田佳彦、昭和32年生まれは、日本の政治家。立憲民主党所属の衆議院議員〈9期〉、立憲民主党最高顧問。千葉県議会議員〈2期〉、財務副大臣〈鳩山由紀夫内閣〉、財務大臣〈第14代〉、内閣総理大臣〈第95代〉、民主党国対委員長〈…

第595話 番外地

序文・地番のついていない土地 堀口尚次 番外地とは日本の住所の表記のひとつであり、土地公簿で地番のついていない土地を指す。無番地、無地番地とも呼ばれる。住所を表すのに、市区町村が定めた「何丁目何番何号」という「住居表示」が施行されている地域…

第594話 オフレコ発言について

序文・口は禍の元 堀口尚次 岸田文雄首相の秘書官の荒井勝喜氏が、オフレコを前提にした記者団の非公式取材に官邸で応じた際、LGBTなど性的少数者や同性婚に対する差別発言をし、更迭された。 オフレコとは、談話などを公表しないこと、または非公式なものと…

第589話 網走刑務所

序文・さいはての監獄の成り立ち 堀口尚次 網走刑務所は、法務局矯正局札幌矯正管区に属する刑務所。収容分類級B〈再犯者・暴力団構成員で執行刑期10年以下〉の受刑者の短期収容を目的とする刑事施設。日本最北端の刑務所で、網走川の河口近く、三眺山の東側…

第588話 拿捕

序文・北方領土近海の拿捕の現状 堀口尚次 拿捕(だほ)とは、政府船舶〈軍艦を含む〉が商業船舶に対して乗組員を送り込む方法などによりその権力内に置くこと。拿捕には刑事訴追の前段階となる海上警察措置の一態様としての拿捕と、刑事手続を念頭に置かない…

第584話 「やじ」は議場の華?!

序文・「やじ」と「罵声」は違う 堀口尚次 やじは、他人の言動に対して非難や冷やかしの言葉を浴びせかける行為、およびその発言である。動詞化させて「やじる」という言い回しも用いられる。議会、スポーツ試合、劇場公演など様々な場で発言の合間を縫うよ…

第553話 在日米軍基地

序文・れっきとした日本領 堀口尚次 在日米軍は、日本国との平和条約第6条a項・日米安全保障条約第6条および日米地位協定に基づき日本国内に駐留するアメリカ軍である。 在日米軍は、在日アメリカ軍、または条約などでは日本国における合衆国軍隊ともいい、…

第542話 公共性と個人のプライバシー

序文・行政の采配の限界 堀口尚次 長野市のとある公園が廃止になることになり、苦情を言った近隣住民や、廃止決定をした行政に対して、様々な意見が出ている。 行政に苦情を寄せた近隣住民は、公園で遊ぶ子供らの声が騒がしく、更にはボールなどを取りに自宅…

第503話 生産緑地

序文・法律のたてつけ 堀口尚次 生産緑地地区とは、都市計画上、農林漁業との調和を図ることを主目的とした地域地区のひとつであり、その要件等は生産緑地法によって定められる。市街化区域内の土地のうち、一定の要件を満たす土地の指定制度〈生産緑地地区…

第492話 半旗と弔旗

序文・日本の慣わし 堀口尚次 昭和天皇が崩御された時に、会社〈小売業だったので店舗の入口〉に弔旗を掲げたことを思い出した。従業員の内の社員は通常のユニフォームではなく、スーツで仕事をした。通常店内に流している有線放送も止め、従業員が使用する…

第485話 農免道路とは

序文・民主党政権の事業仕分けで消滅 堀口尚次 農道とは、日本の農村地域において農業の用に供するために設けられた道路の総称。一般には、「土地改良法」第2条に基づく農業用道路のことを指す。農道は「道路法」に基づく道路の区分ではないため、「農道」と…

第479話 不当廉売

序文・市場原理の限界 堀口尚次 価格競争とは、商品・サービスの市場における競争のうち、価格の安さを競うもの。「値引き競争」「値引き合戦」とも。企業は、自社商品・サービスの プライシング〈値決め、価格設定〉を行うにあたって、〈実際には様々な手法…

第473話 伝家の宝刀・指揮権発動

序文・検事総長と法務大臣の権限 堀口尚次 指揮権とは、法務大臣が検察官を指揮すること。検察庁は行政機関であり、国家公務員法の規定に基づき、その最高の長である法務大臣は、当然に各検察官に対して指揮命令ができるのであるが、この指揮権については検…

第465話 統合幕僚長

序文・戦前の日本軍の欠点を踏まえてか 堀口尚次 統合幕僚(ばくりょう)長は、統合幕僚監部の長であり、自衛官の最高位者。階級は陸将、海将または空将のいずれかで、陸上幕僚長、海上幕僚長または航空幕僚長の中から持ち回りで選出されるが、元の陸上幕僚長…

第464話 不敬罪

序文・国家の名誉尊厳と言論の自由 堀口尚次 不敬罪は、国王や皇帝などの君主・王族・皇族の一族と宗教・聖地・墳墓などに対し、名誉や尊厳を害するなど、不敬とされる行為の実行により成立する犯罪。日本国内においては、昭和22年の刑法改正により、天皇・…

第462話 日本の警察官の拳銃

序文・国産銃の開発 堀口尚次 ニューナンブM60は、新中央工業〈後にミネベア→現・ミネベアミツミに吸収合併〉社製の回転式拳銃。昭和35年より日本の警察官用拳銃として調達が開始され、その主力拳銃として大量に配備されたほか、麻薬取締官や海上保安官にも…