ホリショウのあれこれ文筆庫

歴史その他、気になった案件を綴ってみました。

歴史

第924話 敵に塩を送った上杉謙信

序文・義の武将 堀口尚次 上杉謙信は、戦国時代に越後国〈現在の新潟県〉など北陸地方を支配した武将・大名。江戸時代から現代に至るまで私利私欲に拘泥(こうでい)〈こだわる〉しない「義の武将」という印象が強い。一方で、現代では利害を冷徹に判断しなが…

第922話 稲葉騒動

序文・明治期の農民一揆 堀口尚次 稲葉騒動とは、明治2年12月20日夜から12月24日にかけて、尾張国西部一帯〈稲沢・一宮・津島の133村〉で起こった農民一揆である。発端が美濃路の稲葉宿であったことから稲葉騒動と呼ばれた。禅源寺〈三代将軍徳川家光の上洛…

第921話 大和雪原

序文・南極に日章旗を掲揚 堀口尚次 大和雪原(やまとゆきはら)は、南極探検家・白瀬矗(のぶ)が命名した南極の地域名。白瀬は明治45年1月、開南丸〈南極探検に使用された船・命名は東郷平八郎〉にてロス棚氷(たなごおり)〈陸上の氷河または氷床が海に押し出さ…

第920話 国府

序文・国府宮はだか祭 堀口尚次 国府(こう)は、日本の奈良時代から平安時代に、律令国の国司が政務を執る施設〈国庁〉が置かれた都市。 国府付近には国庁のほかにも国分寺・国分尼寺、総社〈惣社〉が設置され、各国における政治的中心都市であるとともに司法…

第918話 棒の手を伝えた水野又太郎良春

序文・南朝の勇古郷に還る 堀口尚次 水野良春は、南北朝時代の武将。通称は又太郎。号は無二。志段味(しだみ)城主、また尾張国山田郡新居(あらい)〈愛知県尾張旭市新居町〉に進出して、新居城主となった。 桓武平氏高望(たかもち)流、平吉兼の子孫、尾張国山…

第917話 柴田勝家小姓・毛受勝助家照

序文・身代りとなり討死 堀口尚次 毛受(めんじょう)家照は、戦国時代から安土桃山時代にかけての武将。柴田勝家の家臣。 諱は初名を照景、後に家照、勝照と改めた。異説として吉親とするものもある。通称は初めは庄助、荘助で、後に勝助となった。尾張国春日…

第914話 鬼頭勘兵衛(吉兵衛)景義

序文・清和天皇の子孫 堀口尚次 鬼頭勘兵衛〈吉兵衛〉景義は新田開発の第一人者であり、江戸時代の寛永8年から明暦3年に至る27年間に尾張や美濃で、多くの新田開発や治水事業を行った。源為朝の子孫といわれ、八田村〈中川区八田町〉に在住していた。土木工…

第913話 鈴ヶ森刑場

序文・江戸時代の処刑場 堀口尚次 鈴ヶ森刑場は、東京都品川区にかつて存在した刑場。江戸時代には、江戸の北の入口〈日光街道〉沿いに設置されていた小塚原刑場とともに、南の入口〈東海道〉沿いに設置されていた刑場であった。 元々この付近は海岸線の近く…

第912話 乾退助あらため「板垣正形→板垣退助」

序文・甲斐源氏家臣の末裔 堀口尚次 板垣退助、天保8年 - 大正8年は、日本の政治家、軍人〈土佐藩陸軍総督〉、武士〈土佐藩士〉。従一位勲一等伯爵。明治維新の元勲、自由民権運動の指導者。東アジアで初となる帝国議会を樹立し「国会を創った男」として知ら…

第908話 名古屋市電の終着駅は海底

序文・余生は漁礁として活躍 堀口尚次 名古屋市電は、名古屋市が経営していた路面電車である。名古屋市交通局が事業を行っていた。 明治31年に名古屋電気鉄道によって日本で2番目の電気鉄道として開業され、昭和49年3月31日に全廃された。 京都電気鉄道〈の…

第906話 千姫の血筋

序文・織田、豊臣、徳川との繋がり 堀口尚次 千姫は、安土桃山時代から江戸時代の女性。豊臣秀頼・本多忠刻(ただとき)の正室。父は徳川秀忠、母は浅井長政の三女である浅井江(ごう)〈太閤豊臣秀吉の養女・達子〉。号は天樹院。 慶長2年4月11日、秀忠と江の長…

第908話 羽柴備前中納言秀家

序文・宇喜多秀家 堀口尚次 宇喜多秀家は、安土桃山時代の武将・大名。宇喜多氏の当主。通称は八郎、備前宰相。 父・直家の代に下剋上で戦国大名となった宇喜多氏における、大名としての最後の当主である。豊臣政権下〈末期〉の五大老の一人で、家督を継いだ…

第907話 消滅したビルマ国

序文・日本の傀儡政権 堀口尚次 ビルマ国は、昭和18年から昭和20年にかけて、日本占領時期のビルマ〈現ミャンマー〉に存在した国家。日本の支援を受けてイギリスの植民地支配から独立する形で誕生したが、日本の傀儡政権とする見方もある。 昭和16年、アウン…

第905話 土方歳三の小姓「市村鉄之助」

序文・14歳で新選組に入隊した若者 堀口尚次 岐阜新聞に『土方歳三の遺品届けた新選組隊士「市村鉄之助」岐阜・大垣市に眠る 時代の波に翻弄された19年』の記事をみた。そこで調べてみた。 市村鉄之助〈安政元年 - 明治6年?/明治10年?〉は、新選組隊士。安…

第903話 津藩主の先生・斎藤拙堂

序文・その人脈と影響力は多大 堀口尚次 斎藤拙堂(せつどう)〈寛政9年 -慶応元年〉は、幕末の朱子学者。諱は正謙、字は有終、通称は徳蔵。号は拙堂・鉄研。寛政9年、津幡士の子として江戸の藩邸内にて生まれ、昌平黌(しょうへいこう)〈学問所〉で古賀精里(せ…

第902話 有楽町の生みの親「織田長益」

序文・織田信長の弟 堀口尚次 織田長益(ながます)は、安土桃山時代から江戸時代初期の大名・茶人。長益系織田家嫡流初代。 織田信秀〈信長の父〉の十一男で、有楽(ゆうらく)・如庵(じょあん)と号した。そのため、織田有楽斎(ゆうらくさい)として言及される場…

第901話 隻腕の加波山将軍

序文・過激な自由民権運動家 堀口尚次 鯉沼九八郎(こいぬまくはちろう)〈嘉永5年 - 大正13年〉は、栃木県の政治家で自由民権運動家。「隻腕(せきわん)の加波山(かばさん)将軍」の異名で知られる。 下野(しもつけ)国都賀(つが)郡稲葉村〈現・栃木県下都賀郡壬…

第899話 明治期の政府転覆未遂事件

序文・自由民権運動の嵐 堀口尚次 名古屋事件は、明治17年12月、加波山(かばさん)事件後解党していた旧自由党の党員が起こした政府転覆未遂事件。平田橋事件ともいわれる。 名古屋の自由党員の組織であった「公道協会」の会員らを中心として、軍資金調達のた…

第896話 大久保大和こと「近藤勇」

序文・新選組~甲州鎮部隊 堀口尚次 近藤勇、天保5年- 慶應4年は、江戸時代末期の武士。新選組局長。後に幕臣に取り立てられ、甲陽鎮撫隊隊長。勇は通称で、諱は昌宜(まさよし)。慶應4年からは大久保剛を名乗り、後にさらに大久保大和と改めた。 天保5年、武…

第895話 信長を諫めて自刃・平手政秀

序文・織田信長の教育係 堀口尚次 平手政秀は、戦国時代の武将。織田信秀、信長の2代に仕える。尾張国春日井郡にあった志賀城の城主。 織田信秀の重臣として主に外交面で活躍。茶道や和歌などに通じた文化人で、天文2年に尾張国を訪れた山科言継(ときつぐ)〈…

第894話 督姫と毒饅頭事件

序文・家康の次女 堀口尚次 督姫(とくひめ)は、安土桃山時代から江戸時代前期にかけての女性。徳川家康の次女。母は家康の側室・西郡局(にしのこおりのつぼね)〈鵜殿氏の娘〉。実名はふう。別名は富子、播磨御前、良正院。 最初の政略結婚として、家康の命に…

第891話 天下の悪妻・日野富子

序文・足利将軍の正室 堀口尚次 日野富子〈永享12年 - 明応5年〉は、室町幕府の足利将軍家と縁戚関係を持っていた日野家の出身で、室町幕府後期から戦国時代前期の女性。室町幕府8代将軍・足利義政の正室〈御台所(みだいどころ)〉。父は蔵人右少弁・日野重政…

第884話 沓掛城と提灯山

序文・桶狭間の戦いの影で 堀口尚次 沓掛(くつかけ)城は、尾張国愛知郡沓掛、現在の愛知県豊明市沓掛町にあった日本の城。 沓掛の地は、北方の長久手・岩崎方面からの街道と鎌倉往還とが交差する場所にあり、交通の要衝といってよく、その抑えとして古くから…

第882話 新田開発と津金文左衛門

序文・瀬戸物の磁器開発にも尽力 堀口尚次 津金胤臣(つがねたねおみ)は、江戸時代中期の武士。一般的には津金文左衛門の名で知られる。 享保12年、尾張国名古屋〈現在の愛知県名古屋市東区平田町〉で、尾張藩士・津金胤忠の長子として生まれる。幼名は薪之丞…

第879話 旗本・戸田内蔵助光賢「時の太鼓」

序文・将軍お墨付き 堀口尚次 戸田光直〈明暦3年 - 享保元年〉は、江戸時代中期の旗本。北方戸田家初代。 美濃加納藩初代藩主・松平光重の三男。2代藩主松平光永の弟。正室は交代寄合・横田溝口家の溝口宣就の娘。子に戸田光言がいる。幼名は千代松、通称は…

第876話 関白・近衛前久の気概

序文・上杉謙信との盟約 堀口尚次 近衞前久(さきひさ)は、戦国時代から江戸時代初期にかけての公卿。官位は従一位・関白、左大臣、太政大臣、准三宮。近衛家17代当主。天文23年に関白左大臣となる。また、藤氏長者(とうしのちょうじゃ)〈藤原氏の代表〉に就…

第874話 船頭・小栗重吉

序文・海外見聞録 堀口尚次 小栗重吉〈天明5年 - 嘉永6年〉は、江戸時代後期の船頭である。史上最も長期にわたって漂流した人物として知られている。三河国佐久島〈現・愛知県西尾市〉の百姓・善三郎の次男として誕生。後に尾張国半田村〈現愛知県半田市〉の…

第869話 石田三成の盟友・大谷刑部

序文・白頭巾の武将 堀口尚次 大谷吉継(よしつぐ)は、戦国時代から安土桃山時代にかけての武将、大名。豊臣秀吉の家臣で、越前敦賀城主。領地・石高は越前敦賀5万7000石。通称は紀之介、号は白頭。官途(かんと)は刑部少輔(ぎょうぶのしょうゆう)で、大谷刑部…

第864話 プロペラ同調装置

序文・戦闘機の秘策 堀口尚次 「プロペラ同調装置」とは、戦闘機のプロペラの後ろから、そのプロペラを撃ち抜かないように機関銃を発射する装置。第一次世界大戦中にドイツのフォッカー社が開発し、フォッカーE.Iに初めて装備された。フォッカーE.I自体は大…

第861話 中先代・北条時行

序文・北条氏の逆襲 堀口尚次 北条時行は、鎌倉時代末期から南北朝時代の武将。鎌倉幕府最後の得宗(とくそう)・北条高時の遺児。先代の武家の筆頭である高時と室町幕府創始者当代の武家の棟梁である足利尊氏との中間の存在として、中先代(なかせんだい)とも…