ホリショウのあれこれ文筆庫

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第44話 三権分立と矛盾点

序文・だいぶ前に「朝まで生テレビ」で若い頃の菅直人氏が面白い論戦を展開していたのを思い出した。

                               堀口尚次

 

 中学の社会科の教科書で習った「三権分立」ですが、「立法権衆議院議長」と「行政権・内閣総理大臣」と「司法権最高裁判所長官」のそれぞれの権力を分立させるのが目的だ。

 そして、「国会」とは「国権の最高機関」とある。「国会」は「衆議院」と「参議院」で構成され、国民に直接選挙で選ばれた人が「国会議員(代議士)」となり運営する。

 そして、憲法には「国民固有の権利として行政をコントロール出来る」と書いてあるが、どうやって国民が行政をコントロールできるのか?アメリカの様な「大統領制」の国では、行政権と立法権を兼ね備えた大統領を国民が直接選ぶので、国民が行政をコントロールする事も可能だが、日本の様な「議院内閣制」の国では、国民が国会議員を選び、それで選ばれた国会議員が内閣総理大臣を選び、内閣総理大臣が官庁の事務次官(行政権)の人事権を持っているというルートになるが、官庁の官僚は、行政の重要情報は「内閣(行政府)」には流すが「国会議員(立法府)」には流さないという「行政権は内閣に属する」という理屈で情報の遮断を発生させているという。

 元首相の菅(かん)直人氏は、テレビの討論番組で「これでは行政は誰もがコントロールできない、戦前の軍隊の統帥権(とうすいけん)の独立と同じだ」と発言していた。

 「立法府の国会議員」と「行政府の内閣」が重なっているのは、唯一、内閣総理大臣国務大臣副大臣政務次官だけだろうか。それ以外の国会議員は内閣には関わっていない。しかしこうなると、「国会議員が国権の最高機関」という憲法の規定している銘文に矛盾が生じる、と菅氏は発言もしていた。

 これらの菅(かん)氏の発言は、彼が総務省行政改革をしようとした時に、決まって官僚が口にするのが「行政権は内閣に属する」のだから、国会議員でしかない貴方(菅氏)は、余計な口出しはするな的な対応をされた経験から来ているようだ。内閣総理大臣になった菅(かん)氏は、国権の最高機関を掌握(しょうあく)できただろうか。

 ちなみに日本の地方公共団体地方自治体)の首長(くびちょう)(知事・市長・町長・村長)は住民が直接選挙で選び、地方議会議員も住民が直接選挙で選ぶという二元的代表制をとり、大統領制と似ている。

 私は、国民の権利として選挙の投票は欠かさない。雨の日も風の日も・・・

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