序文・「ギブミーチョコレート」は日本人が最初に覚えた英語だろうか?
堀口尚次
GHQとは、連合国軍最高司令官総司令部の事で、第二次世界大戦終結に伴うポツダム宣言を執行するために日本で占領政策を実施した連合国軍機関である。極東委員会〈太平洋戦争に敗北した日本を連合国が占領管理するために設けられた最高政策決定機関〉の下に位置し、最高責任者は連合国軍最高司令官であり、日本では、総司令部 (英語: General Headquarters) の頭字語であるGHQ(ジーエイチキュー)や進駐軍(しんちゅうぐん)という通称が用いられた。
名目上あくまで「占領支配」ではなく「ポツダム宣言の執行」が本来の役目であるものの、実質上はアメリカ合衆国及びイギリス連邦諸国の連合軍2国による日本国占領機関であり、結果として昭和27年に日本国との平和条約が発効されるまで連合国軍占領下の日本は外交関係を一切遼断され、日本と外国との間の人・物資・資本等の移動は連合国軍最高司令官の許可によってのみ行われた。降伏文書に基づき、天皇並びに日本国政府の統治権は最高司令官の支配下におかれた。
トルーマン大統領は、南西太平洋戦域の最高司令官兼太平洋陸軍最高司令官だった、ダグラス・マッカーサー元帥を連合国軍最高司令官に任命した。
司令部は最初に日本の軍隊(大日本帝国陸軍及び大日本帝国海軍)を解体し、戦犯指定した人物を逮捕した。また思想、信仰、集会及び言論の自由を制限していたあらゆる法令の廃止、内務大臣の罷免、特別高等警察の廃止、政治犯の即時釈放(これらは「自由の指令」と俗称される)と、政治の民主化や政教分離などを徹底するために大日本帝国憲法の改正、財閥解体、農地解放などを指示した。
総司令部の最大の目標は連合国にとって脅威となる日本の軍事力解体で、日本を中立・非武装化して中華民国をアジアの中心となし、軍国主義を廃して親英米的な国家へ創り変えることであり、マッカーサーは『上からの革命』と称し「当初は日本を工業国から農業小国に転換し、アメリカの市場とするつもりだった」と後年に語っている。
連合国軍は占領直後から戦争指導者の検挙を始めて東条英機元首相を含む数十名を逮捕し、A級戦犯として極東国際軍事法廷の判決で東條以下7名を死刑、その他多数を禁錮刑や終身刑に処している。本裁判は戦時の国際法抵触者ではなく戦争に携わった士官以上が裁かれ、日本は平和条約でこれを受諾している。