ホリショウのあれこれ文筆庫

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第163話 留置場・拘置所・刑務所の違い

序文・死刑囚の拘置所はいかがなものか

                               堀口尚次

 

 留置場は、被疑者の身柄を収容する警察署内の施設。警察官が被疑者を逮捕し警察署に引致後、必要と認められる場合にはその身柄は一定時間、警察署の留置場に収容される。また、勾留状を執行された被疑者の大半についても、勾留場所として警察署の留置場が活用されている。起訴前段階における被疑者の勾留場所として警察署の留置場を充てる実務運用の根拠は刑事収容施設法15条にあり、これを代用刑事施設とよぶ。俗称として、豚箱(ぶたばこ)と呼ばれる。留置は、通常で2泊3日、長くても21泊22日が限界で、それ以上の取り調べが必要な場合は、起訴し、法務省所管の刑事施設に身柄を移さなければならない。ただし、刑事施設が定員を超過している場合や、警察が能率を優先させた場合などに、被留置者を刑事施設に移送せず、警察署内の留置施設に留め置かれる場合が多い。これを代用刑事施設と呼び、司法機関ではなく警察官の監督下に置かれることから、自白の強要や冤罪を生みやすいと問題視する意見もある。

 拘置所は、主として未決拘禁者(刑事被告人)、死刑確定者(死刑囚)を収容する法務省の施設等機関である。

また、拘置所内の経理作業等を刑務作業とする懲役囚及び刑が確定した既決囚も収容されている。日本以外の国では逮捕直後から拘置所に収容されることが多いが、日本では逮捕後取り調べが終わるまでは警察の留置場(代用刑事施設)に収容(留置・勾留)され、検察官の起訴を受け裁判によって刑が確定するまでの間は拘置所に収容される(在宅起訴以外)のが一般的である。

 刑務所は何らかの法令に反する行為に及び(または状態に達し)、裁判所の確定判決により、死刑以外の身体拘束を伴う刑罰(懲役、禁錮など)が確定し、その刑に服することとなった者を収容する施設のことをいう。日本では法務省の施設等機関で、法務省矯正局が所管している。なお、全国の刑務所のうち、医療的な処置が必要な者を収容するために設けられた刑務所を医療刑務所と呼び、PFI方式(半官半民)を採用して新設された刑務所は「社会復帰促進センター」と呼ばれる。また、飲酒運転など重大な交通違反や交通事故を起こし、禁錮または懲役の刑を受けた者を収容する刑務所を交通刑務所と呼ぶことがある。

 私見だが、まだ刑が確定していない人と、死刑囚が一緒に収監されている拘置所に違和感を持つ。刑が執行されるまで何にもさせないのであるば、それこそ動物と同じになってしまう。死刑囚も刑務所に収監し、刑が執行されるまでの間は刑務作業を負わせたほうがいいと思うが、二重刑罰の壁は高いようだ。

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