ホリショウのあれこれ文筆庫

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第185話 植物の妙

序文・植物に癒される

                               堀口尚次

 

 アジサイは、白・青・紫または赤色の花が綺麗な、梅雨時期を代表する花だが、あれは花ではなく萼(がく)〈最も外側にありその内側の花冠(かかん)=花びらの集まり とは明らかに色・大きさなどが異なる葉的な要素に対する集合名称〉が大きく発達したもので、装飾花ともいう。花冠は、花として花粉媒介者の標的になるだけではなく、萼と同じく雄蕊(おしべ)・雌蕊(めしべ)を保護する役割をもっている。実際のアジサイの花は小さく目立たないが、萼の中心に存在する。

 クリスマスに人気のポインセチアも、一見綺麗な花の様に見えるが、茎の上にある苞(ほう)〈蕾(つぼみ)を包むように葉が変形した部分〉が赤や桃色や乳白色に美しく色付いたものだ。ポインセチアの花も、苞の中心にあり目立たないが存在する。

 サボテンの形態は様々であるが、一般的に茎は筒または球型、葉は針状もしくは退化している。棘(とげ)の部分は葉や茎が変化したものであると考えられている。サボテンは多種多様な品種があるため、花を咲かせる品種があれば花を咲かせない品種もある。また、数年に1度、花を咲かせるものや開花まで何年もかかる品種もあり、咲いた花の色や形状もさまざまだ。

 カネノナルキは、、葉が硬貨に似ているのが名前の由来である。日本では栽培業者が五円硬貨の穴を頂芽に通して固定し、若枝が硬貨の穴を通ったまま成長するようにして硬貨がなったように見せかけ、一種の縁起物的な販売方法をとったため、「金のなる木」の園芸名で俗称されることが多くなった。

 ドラセナは、ギリシア語で「メスの竜」という意味がある。ドラセナの種類の1つであるドラセナ・ドラコという植物が、赤い樹液を流すことに由来する。この樹液を固めたものを「竜血」として、珍重された。そんな「竜血」が採れるということから「竜血樹(ドラセナ)」という名前がついたとされる。日本では、「幸福の木」として贈り物〈特に開店祝など〉に重宝されるが、ハワイのドラセナは縁起のいい植物とされ、古来の儀式やフランダンスの飾りなどで利用されてきた。また幸福のシンボルとして玄関先に置く、祝い事の際に飾るなどと幸せを象徴するように使用されていた。これがドラセナが「幸福の木」として日本では広まった由来とされる。

 私は職業経験上、植物問屋さんに植物の買い付けに行っていた時期があり、仕事とはいえ、大変楽しい時間でした。植物は人間を癒します。まだ、盆栽には手を出していませんが、興味はあります。

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※金のなる木              ※幸福の木