ホリショウのあれこれ文筆庫

歴史その他、気になった案件を綴ってみました。

第327話 「白バイ」と「ナナハン」

序文・私はかつて「カワサキ・エルミネーター(400㏄)に乗っていました。

                               堀口尚次

 

 白バイとは、警察が主に交通取締業務に必要な各種装備を取り付けた白塗りのオートバイの日本での呼称である。

 日本の警察のオートバイの中でも、専門の訓練を受けた白バイ隊員が乗務する特別な車両を「白バイ」と呼ぶ。白バイは装備や規格は警察庁で規定していて、主に大型自動二輪車が用いられる。警察で一般的に用いられるオートバイは黒バイなどと呼ばれ区別されている。

 大正7年に警視庁が初めてオートバイを取締りに使用した。ただし、当時車体は青色塗装で「青バイ」と呼ばれた。更に「警視庁史」によれば、正式呼称も「青バイ」ではなくて「赤バイ」である。

 現在はCB1300SUPER BOL D'ORやFJR1300等をベースとした、1990年代まで主流であった750 ccを大幅に上回る大排気量車が採用されている。これらの車種は発進から約3秒程で時速100 km/hに到達する極めて高い加速性能を有する。

 ナナハンとは、公称排気量750cc大型自動二輪車の日本語における俗称である。排気量のうち、百の位を「ナナ」、十の位を100ccの半分の意味で「ハン」とし、合わせてナナハンと称する。

 本田技研工業の社史によると、「ナナハン」という言葉はCB750FOURの開発中に秘密保持のためにもちいられていたと記されている。そのCB750FOURは昭和44年に発売されてヒットし、追ってスズキ・GT750、カワサキ・750SS、ヤマハ・TX750なども発売された。1976年には日本4メーカーの空冷4ストロークナナハンが出揃った。この当時からオートバイメーカー業界の自主規制により、750ccが日本国内では最大排気量となった。

 昭和50年から平成8年までは、排気量400ccを超えるオートバイの運転免許証を取得するには、各都道府県の運転免許試験場で「自動二輪中型限定免許」の限定解除審査を受ける必要があった。限定解除審査の合格率は、受検者全体の1%と非常に低かったこともあり、当時、ナナハンに乗るバイクライダーは羨望と尊敬の目で見られていた。750ccの自主規制が廃止された1990年代以降は、排気量1000cc程度あるいはそれ以上の、いわゆる「リッターマシン」が大型二輪車市場の主力製品となった。