ホリショウのあれこれ文筆庫

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第346話 飛び地行政区の不思議

序文・地図で見ると一目瞭然

                               堀口尚次

 

 木曽岬(きそさき)は、三重県の北東端、木曽三川の河口部に位置する町。東は愛知県と接し、西は木曽川を挟んで桑名市長島町と接する。また、南は伊勢湾の最北部に面している。桑名郡に属する唯一の自治体である。三重県の町だが、郵便配達は隣の愛知県弥富市にある弥富郵便局が行う。このため、町内の郵便番号は三重県の51ではなく、愛知県内の49で始まるものが使われる。NTT市外局番は弥富市と同じ(0567)を使用する。木曽岬干拓は、木曽川河口にある干拓地。三重県桑名郡木曽岬町桑名市、愛知県弥富市にまたがる。総面積約444ha。境界問題のもつれなどから、長らく未利用地のままになっていた事で知られる。町境は住民の利便性や土地利用の効率性などから、木曽崎町の一区画を四角く切り取るような形で桑名郡長島町になっている。

 墨俣(すのまた)は、かつて岐阜県安八郡にあった町である。平成18年に養老郡上石津町とともに大垣市編入された。編入後は大垣市地域自治区墨俣町地域自治区」となっている。 上石津(かみいしず)は、岐阜県養老郡にあった町である。同じく、安八郡墨俣町とともに大垣市編入され、廃止された。現在は同市の地域自治区「上石津町地域自治区」となっている。編入先の大垣市とは隣接していないため同市の飛び地となった。なお、墨俣町も同様に飛び地となった。

飛び地として、岐阜県羽島市桑原町西小薮は、羽島市のほかの地区とは長良川で分断され、海津市のみと隣接している。橋も同地区内にはかけられていないため、羽島市のほかの地区との行き来には海津市の経由が必須となっている。なお、近隣に南濃大橋があるため、行き来は容易である。

 岐阜県美濃加茂市牧野、岐阜県加茂郡八百津町上牧野 は、双方の飛び地が存在し、境界線も複雑に入り乱れている。和知(わち)は、かつて岐阜県加茂郡に存在した村である。現在の加茂郡八百津町西部に該当し、木曽川北岸の地域である。美濃加茂市牧野と八百津町上牧野との境で、一部複雑な境界線となっている箇所がある。これは、かつてこの地域は和知村の一部であり、編入分離を行なったさいに境界線が複雑化した名残である。

 いずれも「平成の大合併」が生みだした産物と思われるが、同じ町内が地理的に隣接していな感覚とは、どんなものなのだろうか?不便はないのか?