ホリショウのあれこれ文筆庫

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第362話 名鉄終点駅踏破シリーズ・岐阜羽島

序文・思い出は春雨と共に

                               堀口尚次

 

 6月15日に表題のシリーズその第10段として、岐阜県羽島市名鉄新羽島駅を目指して、自宅最寄り駅の常滑(とこなめ)線の聚楽園(しゅうらくえん)駅から出発しました。親父が名古屋鉄道の株主であることから、どこまで乗っても無料の株主優待切符があり、その期限が6月15日だったので、小雨の降る中あえて慣行しました。

 神宮前駅〈有名な名古屋市熱田神宮〉で岐阜行き特急に乗り換え、笠松駅〈名馬オグリキャップ輩出の笠松競馬場近く〉で竹鼻線に乗り換え鈍行(どんこう)〈各駅停車の普通電車〉で終点を目指します。この竹鼻線は元々は羽島市の南部まで伸びていましたが、赤字路線であることから廃線となり、途中から羽島線として新幹線の岐阜羽島駅まで枝分かれして生き残りました。

 新羽島駅に降り立つと小雨の舞仕切る中、大野伴睦(ばんぼく)〈新幹線の駅として羽島駅を誘致した地元出身の大物政治家〉の銅像を見て、少し早いが新幹線の駅の構内で昼食にしようとしたが、いかんせん一軒も食事をする店がないという事態に遭遇。大野伴睦が知ったら嘆き悲しむだろうに・・・。仕方なく近隣の飲食店を探しながら傘を指してとぼとぼと歩き出しました。

 実はこの羽島市は、私が20歳後半の頃に仕事で3年程度赴任していたところであり、見渡す風景は懐かしいところばかりだが、なにせ30年以上も昔のことなので当時の面影がかなりなくなっており寂しさと時の流れを感じざるを得ませんでした。そうこうしている内に当時よく呑みに来ていた居酒屋養老の滝があった辺りの餃子の王将で昼食をとった。

 その後は、私が約3年務めた職場〈小売店舗〉を訪れたが、当然ながら当時から勤めている従業員はいるはずもなく、ただただ店内を見渡していると昔の思い出が走馬灯のように蘇ってきた。そして店を後にすると、当時店の同僚や上司とよく行ったスナックを思い出し、すぐ近くだったので行ってみると、なんと!あるではないか!今でも営業している外観だった。当時の思い出として、先にスナックを出る上司が私に小声で「ボトル入れといたからな」という粋なはからいが懐かしい。

 その後は、近隣のお寺や神社を少しだけ見て、最寄り駅から帰路に着きました。約2時間の小雨散策でしたが、懐かしさと思い出に包まれた良き時間を過ごすことができました。まだまだ名鉄終点駅踏破シリーズは続くのだ。