ホリショウのあれこれ文筆庫

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第372話 勝利投手の条件

序文・先発→中継ぎ→抑え

                               堀口尚次

 

 勝利投手とは、野球などの試合において勝利チームの責任投手を指す。勝ち投手、日本の公認野球規則においては勝投手とも記述される。基本的には、自チームのある時点での得点が決勝点となるように、守備面で貢献した投手が勝利投手となる。日本の野球では、公認野球規則9.17により勝利投手は定められている。ある投手の登板中の攻撃、あるいは登板中の投手が代打または代走と交代して退いた回の攻撃で自チームがリードを奪い、しかもそのリードが試合終了まで保たれた場合、その投手が勝利投手になる。〈※「登板中」とは、先攻チームであれば勝ち越した直前の回〈裏〉を完了、後攻チームであれば勝ち越した回の表を完了することを指す〉ただし、次の場合はその限りではない。1・その投手が先発投手の場合、5イニング以上〈天災などでコールドゲームが宣告された試合で、勝利チームの守備が6イニングに満たなかった時は4イニング〉投球しなかった場合。2・その投手が援助投手の場合、投球イニングが少なくかつ勝利に効果的でなく、それに続いて登板した投手のいずれかがより勝利に効果的な投球をしたと判断される場合。

上記1.により登板中に勝ち越した先発投手が勝利投手になれない場合は、救援投手が1人であればその投手を勝利投手とする。

上記2.の救援投手の登板中に勝ち越した場合は、その投手の投球イニングが1イニング以上であれば無条件で勝利投手になる が、投球イニングが1イニング未満で、かつ前任投手の残した走者を含む2失点以上した場合は原則として勝利投手になれない。サヨナラゲームとなった場合には、最終回の表〈または延長回の表〉に登板した最後の投手は無条件で勝利投手となる。また、先攻のチームでも最終回や延長で勝ち越した回の裏をリードを保ったまま終えれば、その直前まで投げていた投手が勝利投手になる。特にこうした例についてはアウトを1つ取っただけで勝利投手となることもあり、その球数の少なさが話題となることもある〈「1球勝利投手」など〉。更に稀な例として、登板時点で既に出塁していた走者を牽制球でアウト、または盗塁失敗でアウトにしてイニングを終了させ、直後の攻撃で勝ち越すと、どの打者との対戦をも完了しないまま勝利投手となることができる。