ホリショウのあれこれ文筆庫

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第481話 愛知の大仏を訪ねて

序文・ありがたい

                               堀口尚次

 

 私の地元、愛知県東海市に大仏があることから、幼少より大仏に慣れ親しんできた。昔から地元では「大仏さん」と親しみを込めて呼んでいた。そんなかんなで、愛知県に鎮座する大仏を訪ねてみた。

 ①通称「聚楽園大仏」は東海市にあり、実業家・山田才吉〈守口漬の考案者〉が知多郡上野村〈現在の東海市〉に営んでいた料理旅館「聚楽園」の敷地へ建立。「大正天皇御大典記念事業」から「天皇陛下昭和天皇〉御成婚記念事業」に変えて大正12年に鉄筋コンクリート造りで着工した。数回の模型作りと苦難の末、3年の歳月を費やし大仏を完成させた。大仏の柔和な顔立ち、全体に流れるような曲線美などの技術は、当時の関係各界から賞賛を浴びた。像は当時、日本一の大きさだった。「阿弥陀如来」である。

 ②通称「布袋大仏」は江南市にあり、昭和24年、当時愛知県名古屋市できゅう師を営んでいた前田秀信(当時43歳)が、夢告により大仏造立を決断、独力で造像を進め、5年後の1954年(昭和29年)に完成した。像は高さは18m、コンクリート製の露坐である。像高は「奈良の大仏」として知られる奈良・東大寺大仏殿の本尊像よりも2メートルほど大きく、個人所有のものとしては最大級の仏像である。参道入口の石標は「御嶽薬師尊」で、木曽御嶽山信仰をもとに造立されたものである。

 ③通称「名古屋大仏」は名古屋市にあり、千種区曹洞宗桃厳寺にあり、昭和62年に建立された。全高15m〈本尊の高さ10m 台座高さ5m〉の青銅製。「釈迦牟尼仏」と思われる。

台座は蓮ではなく、10頭の象の像があり、本尊を支えている形となっている。それとは別に、台座の正面は、僧侶と鹿の像が配置されている。

 ④通称「刈宿の大仏」は西尾市にあり、浄土宗・浄福寺に鎮座し「おおぼとけ」と呼ばれている。昭和初期に、海難者の冥福を弔うのと、漁師の安全を祈願し建立されたもので、そのため大仏さまは海の方角を向いている。台座を含めた高さは約14m。像内へ入って胎内めぐりをすることもでき、内部には阿弥陀如来像が祀られている。コンクリート製で「阿弥陀如来」と思われる。

 今回の大仏探訪は以上になりますが、今後は県外の大仏様も巡礼したい。