ホリショウのあれこれ文筆庫

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第506話 広告掲載商品の闇

序文・闇シリーズ⑦

                               堀口尚次

 

 以前に回転すしのスシローが、テレビCM商品が品薄という「おとり広告」まがいで公正取引委員会に是正勧告を受け、その後もお詫びのビール半額セールのおそまつ対応や再度の品切れなど、その対応がクローズアップされていた。

 しかしちょっとまてよ、私は過去の小売業の経験から、このような事案は日常茶飯事であり、もっとひどい捏造まがいの事例を多数みてきたのだ。

①掲載商品が「広告立ち日〈初日〉の開店時にない」

広告商品〈特売品〉は、その期間だけ仕入れる商品は極僅かで、大半が通常販売している商品〈定番商品〉を値下げして販売することが大半だが、通常販売している商品も品切れすることは多々あり、広告立ち日に商品がない場合は、「開店と同時に該当商品がない」では問題になるということで、開店数分後に『売り切れました』というお詫び案内を表示していた。

②「店頭の価格表示」と「レジでの表示価格」が違う

広告商品〈特売品〉は、当然ながら販売期間が設定してあり〈広告掲載期間〉、その期間に限定されて値下がりするように、会計レジがコンピューター設定されているが、この場合本来なら、広告前日の閉店時から広告初日当日の開店時までに、売場の値段表示を変更しなければならないが、こうなると営業時間以外の作業となり残業になってしまうので、広告前日の閉店前から該当商品を値下の表示にしていた。またその逆に、広告最終日の閉店前に、値上がり〈元の通常の価格に戻す〉の表示にしていた。この場合に「売場の価格表示とレジでの表示価格」に差異が生じるのでクレームになるか、価格表示の不信感につながるなどの弊害を発生させていた。

③商品の店頭陳列出し惜しみ

広告商品が品薄(しなうす)〈仕入れ先からの入荷が極端に少ない〉場合は、商品の出し惜しみ〈倉庫に在庫があっても店頭に出さない〉をしていた。

 

以上の様なことが常態化されていたが、それぞれに問題があり、本来であれば上記の①~③は小売業としてあるべき姿ではないが、このことをそつなくこなすことが上手な仕事として評価され、真面目に①~③を回避しようとしてる人ほど馬鹿を見ている現場だった。だから私は広告に関わる作業が大嫌いだった。

※画像と本文は関係ありません