ホリショウのあれこれ文筆庫

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第604話 神風特別攻撃隊

序文・元来は「しんぷう」

                               堀口尚次

 

 神風特別攻撃隊は、第二次大戦で大日本帝国海軍によって編成された爆装航空機による体当たり攻撃部隊〈特別攻撃隊〉と直接掩護並びに戦果確認に任ずる隊で構成された攻撃隊。攻撃目標は艦船。略称は「神風」「神風特攻隊」。隊名の発案者・猪口力平によれば、「神風」の読みは音読みの「しんぷう」であるが、当時のニュース映画で訓読みの「かみかぜ」と読み上映したことでその読みが定着した他、アメリカ軍が神風を読み間違えて「カミガゼ」と呼んでいたので、戦後、カミガゼと連合国軍最高司令官総司令部GHQ〉が統制したという。

 捷号(しょうごう)作戦時に大西瀧次郎中将によって定められた神風特別攻撃隊の編成、隊員の扱いは次の通り。神風特別攻撃隊は爆装体当たり攻撃隊と直接掩護並びに戦果確認に任ずる隊で構成し、一攻撃単位の編成基準は概ね、爆装体当たり攻撃隊を爆戦〈爆装戦闘機〉、艦爆艦上爆撃機〉、水爆による3~4機、掩護(えんご)ならびに戦果確認部隊は戦闘機、艦偵〈艦上偵察機〉2~3機。隊名は編成時期、ならびに爆装の機種により、第一、第二神風特別攻撃隊と呼称し、さらに各攻撃単位に対し、特別隊名を付与する。隊名は第一聯合基地航空部隊指揮官が命名する。隊員の官職氏名は事前に発表せず、任務を完遂したもののみ事後に発表する。一攻撃単位の全機が未帰還で不明の場合で完遂したと推定されるもの、直掩隊で任務中自爆したと推定される者は完遂した者と同じ取り扱いとする。正式発表〈報告〉は各司令官、司令の報告に基づき、認定の上、第一聯合(れんごう)基地航空部隊司令部において行う。

神風特攻隊の当初の目標は、敵空母の使用不能であり、初回の攻撃でその目標を達成したが、レイテ島付近で戦闘が続いた。このため、目標を敵主要艦船に広げて、1945年1月下旬には全ての敵艦船が目標になった。

最初の神風特攻隊を編成した1944年10月20日零戦を改修したものを利用した。改修は、元々は零戦で反跳(はんちょう)爆撃の訓練が行われていたため、250キロ爆弾を搭載でき、爆弾発火装置を作動状態にするために風車翼螺止ピアノ線を操縦者が機上から外せるようにするだけでよく、体当たり直前に操縦者が抜ける簡単な装置であった。