ホリショウのあれこれ文筆庫

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第1131話 路面電車・市電・ちんちん電車

序文・路面鉄道

                               堀口尚次

 

 路面電車は、主に道路上に敷設された軌道〈併用軌道〉を用いる「路面鉄道」を走行する電車である。路面鉄道とは主に都市内およびその近郊の道路上に敷設された鉄道で、比較的短距離の旅客輸送手段として利用される。道路上の安全地帯や歩道から車両に乗降する、停留場の間隔が短いなどの特徴がある交通機関である。

 普通鉄道と異なり、軌道は道路上に敷設される。専用軌道〈日本の軌道法では新設軌道と呼称〉を有する路線もあるほか、市街地では一部地下や高架で道路交通との分離を図った路線もある。

 経営形態としては、地方自治体による地方公営企業〈交通局〉、一般の私鉄と同じ純民間企業、第三セクター会社によるものがある。なお、が運営する「市電」はもとより路面電車は経営形態に関係なく「市電」と呼ばれることが多い

 「ちんちん電車」という通称の由来には2つの説があり、1つは、通行人への警報のために、運転士が足で床下の鐘〈フートゴング〉を鳴らす音から来ており、もう1つは、車掌が運転士にあるいは運転士が車掌に合図を送るために鳴らしていた鐘〈あるいはベル〉の音に由来する。鐘の音は以下のような意味で使用されていた。『走行中電車が停留場に近づいたときに、①「チン」と1回鳴らせば「降客があるため停車せよ」または「停車する」。②「チンチン」と2回鳴らせば「降客がないので通過しても良いか」または「良い」。③さらに停車中に「チンチン」と2回鳴らした場合は「乗降がすんだので発車しても良いか」または「良い」。④「チンチンチンチン」と3回以上の連打は「直ちに停車せよ」または「停車する〈非常停車〉」』

 尚、現在でも都電荒川線阪堺電気軌道の全車両で発車時に聞くことができる。ただし現在は全列車がワンマン運転のため、上記で述べた車掌・運転士同士の連絡には用いられず、乗客に対する発車合図という位置付けである。

私見】筆者は生まれも育ちも愛知県だが、名古屋市の市電に乗った記憶はない。小学生の頃に在所の岐阜県大野町へ行く時、名鉄岐阜市内線で「路面電車〈チンチンと鳴ってた〉」を体験している。成人してからは、愛知県の豊橋鉄道の現役路面電車「市電〈運営は市ではない〉」に数回乗車している。