ホリショウのあれこれ文筆庫

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第1154話 短命に終わったピーチライナー

序文・まさに桃源郷?!

                               堀口尚次

 

 桃花台線(とうかだいせん)は、かつて愛知県小牧市のほぼ中央部にある小牧駅から同市東部にある桃花台ニュータウン桃花台東駅までを結んでいた、第三セクター桃花台新交通が運営していたAGT路線である。愛称は、一般公募から選出された「ピーチライナー」。平成3に開業し、平成18年廃止15年半となった

 接続路線の名鉄小牧線が、名古屋方面へと向かう場合に不便だったこと。当路線開業時の小牧線は、名古屋市内の起点である上飯田駅で他の鉄道路線との接続がない盲腸線であり、都心方面へ向かうには上飯田駅からバスを利用するか、最寄りの名古屋市営以下鉄名城線平安通駅まで徒歩で移動する必要があった。平成15年の地下鉄上飯田線開業・直通運転開始により、平安通駅までの移動に関しては改善されたものの、それでも名古屋駅方面への直結ルートとはなっておらず〈久屋大通駅または栄駅でもう一回乗り換えが必要〉、運賃もJR中央線経由より高くつく状態であった。

 建設前に行なわれた需要予測〈利用者数の予測の試算〉で、JR中央線などの競合路線をまったく考慮していなかった。なお、桃花台ニュータウン住民の実態として、バスまたは自家用車でJR春日井駅まで行きJR中央線で名古屋方面へ向かうケースが多い。そのため住民が小牧市にJR春日井駅行きのバスを嘆願したが、桃花台線を理由に認可されなかった。その結果、JR春日井駅行きのバスは住民自らの手によって会員制バスとして運行が始められた。その路線バスにしても、JR春日井駅高蔵寺駅方面、栄・名古屋駅方面直通などの系統は想定より実績を伸ばしたのに対し、かつての桃花台線と同じルートをたどる桃花台 - 小牧駅間は収益が伸び悩んでいる。

 計画段階における桃花台ニュータウンの予想人口と、実際に移住した人数に差があった。計画では5万人だったのに対し、平成17年時点で約2万7千人。最終的には約3万人に留まる試算が出されている。また5万人の段階では、利用者の数は延べ人数で1日約3万人と試算されている。これは「桃花台ニュータウンの住民のうち約30%が利用する」計算となる。これに対し平成17年度の1日の利用者数の割合は約6%で、割合から見ても5分の1程度である。

 総建設費約300億円・累積赤字65億円・撤去工事費用約100億円の見込みだが撤去工事は遅々として進んでいない。責任はどこにあり、誰がとったのだ?!