ホリショウのあれこれ文筆庫

歴史その他、気になった案件を綴ってみました。

第1158話 レールバス

序文・ディーゼル汽車

                               堀口尚次

 

 レールバスとは、バスなどの自動車の装備を流用した、もしくはそれをベースに造られた小型の気動車内燃機関蒸気機関などの熱機関を搭載して自走する鉄道車両汽車・ディーゼルカー〉である。軽量で製造・運用コストが低いことから、乗客の少ない閑散路線への投入が古くから行なわれている。

 日本では狭義には1950年代西ドイツのレールバスを参考に開発された国鉄キハ10000・10200〈キハ01~03〉形気動車富士重工業〈現・SUBARU〉が1960年前後と1980年代に製作した車体をバス工法で組み立てた小・中型気動車を指している。広義には自動車用の部品を積極的に使用したバス程度の大きさの気動車を意味するが、一般的な気動車との区別は曖昧な部分もあり、例えば甘木鉄道では、開業時から15m級の気動車を使用しており、2017年現在では18m級の気動車を使用しているが、開業以来一貫して「レールバス」の呼称を一般に使用している。

 海外と同様日本においても黎明期の気動車は自動車を参考に製作された。日本で最初の内燃動車といえる矢沼商店が販売を目的に製作した車輛も自動車を改造して鉄道用の車輪を付けたものだった。しかし、この車輛は当時需要のあった軽便鉄道に導入するのは構造上難しく、結局実際に地方の鉄軌道で運行された内燃動車は自動車のエンジンを利用しつつも鉄道用に台枠と車体を新製した車輛が大半である。車体に当時のバス工法をとりいれた車輛も日本自動車が多摩湖鉄道に納入した車両〈ジハ1・2〉に採用されたと推測される程度にとどまっていて、日本車両製造軽便鉄道に納入した一見当時のバスにそっくりな外観をもつことから「乗合自動車〈バス〉型」と呼ばれる単端式ガソリンカーも台枠・車体とも鉄道車両工法で製作されている。このため、どこまでがレールバスなのか定義するのは難しく定説はない。ただ「レールバス物語」の発表以降、片運転台式で逆転機をもたず、折り返しには方向転換が必要な単端式ガソリンカーをレールバスとして扱うことは大方で一致した見方である。

 愛知県豊田市の猿投(さなげ)駅から碧南市の碧南駅までを結ぶ、名古屋鉄道三河線の廃止区間の西中金 - 猿投間、碧南 - 吉良吉田間は、廃止時点でレールバスを使用しての区間内折り返しワンマン運転で、60分間隔の運行であった。因みに、廃止区間西尾市寺津にあった高架橋は、今も放置されたままだ。

※廃止された名古屋鉄道三河線を走るレールバスとそのまま残る寺津高架橋