ホリショウのあれこれ文筆庫

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第1159話 第三国人

序文・日本が統治した朝鮮と台湾

                               堀口尚次

 

 大東亜戦争終結後、日本の一部であった朝鮮台湾を指した言葉。当時国家が存在しなかった〈大東亜戦争によって滅亡した国家ではない〉ため、戦勝国でも敗戦国でもない第三の国家であるということから「第三国」と呼ばれた。第三国人〈英語: Third country national〉は、「当事国以外の国籍の人、第三国の人」を指す言葉。日本では、第二次世界大戦後の連合国軍占領下以降では、官公庁や国会など公的機関を含む日本人やGHQ連合国軍最高司令官総司令部が、「戦後の日本国内に居留する旧外地〈朝鮮半島台湾などに帰属する人々」を指す用語として主に用いた。単に三国人ともいう。

 本来は特に話題の限定されない「当事国以外の第三国の国民」一般の意味から、この記事で扱う朝鮮系の人々に使われるようになったと”言われている”経緯には諸説あり、定説は確立していない。しかしながら、以下に示す「Third Nationals」「Non-Japanese」どちらを取っても、当時の進駐軍が合意したという文言が示されており、マスコミで膾炙(かいしゃ)されている”根拠のない差別”的な表現とは異なる。

 「第三国人」という言葉が、一般の書籍や新聞等で多く使われたのは主に戦後の混乱期であり、朝鮮人をはじめとする「旧日本人」は、「降伏後における米国の初期対日方針」では「解放国民」とされた。1945年11月から1946年11月までは「難民」としてGHQによる帰還事業の対象とされた。1946年11月からは「日本国籍」と看(み)做(な)されながら、1947年5月2日からは外国人登録令により外国人として扱われた。また1946年2月から日本の司法権が適用されるなど朝鮮系の人々はGHQによる日本占領政策の転換の中で、当時は在日朝鮮人は韓国よりも北朝鮮派が多数派だったこともあり、日本共産党らと多くの騒乱・衝突、犯罪行為を引き起こした。代表的な例として、直江津駅リンチ殺人事件新潟日報社襲撃事件、神奈川税務署員殉職事件などが挙げられる。GHQの指令を受けた日本政府による「朝鮮人学校閉鎖令」へ反発し、「民族教育」だとする朝鮮学校を巡る阪神教育事件など暴動事件も加わり、「騒擾(そうじょう)=騒乱・暴動」を起こす連中と伝えられることが多くなった。神奈川税務署員殉職事件とは、昭和22年に神奈川県川崎市桜本町で発生した密造酒製造の取締りを発端とする在日朝鮮人による暴動と税務職員への襲撃、それによる職員の殉職事件である。