序文・社会問題に発展
堀口尚次
仮面ライダースナックは、1971年から1973年1月までカルビー製菓が発売したスナック菓子。特撮テレビドラマ『仮面ライダー』が本放送当時に「変身ブーム」を巻き起こすほどの人気番組となったこともあり、これを題材としたカードがおまけとして付属したことで、このスナックも社会現象になるほどの爆発的な人気を得た。
「仮面ライダースナック」の売上げは、1972年2月には1日100万袋を越え、カルビー社内のメモによると最終的には、15か月間で6億2000万袋に達した。平均すると当時の男子児童1人あたり、85袋購入した計算になる。金額換算で約87億円を売り上げたとする資料もある。
仮面ライダースナックには、1袋に1枚の「仮面ライダーカード」が付属していた。袋の中にカードが入っているのではなく、50袋入りのダンボール箱ごとに54 - 55枚のカードが同梱されており、購入時に手渡される形式だった。カード表面には仮面ライダー・怪人・劇中の場面などが、裏面には通しナンバーと表面の写真に関するデータが印刷されていた〈例えば表面が怪人の写真ならば、その怪人の出身地などが書かれていた〉。カードは全546枚だが、同じ番号が振られていても細かな絵柄が異なるカードが存在する。
当時の子供たちの間では、仮面ライダースナックの発売前からブロマイドと呼ばれるヒーロー・アニメのキャラクターが印刷されたカードが流行していた。そういった背景もあり、「スナック菓子にライダーカードを付けて売る」というアイデアが生み出された。
仮面ライダーカードは子供たちの間で大ブームとなったが、その背景にはいくつかの要因があった。「仮面ライダースナック」の予想外の売上げに伴い、スナックを買った少年少女たちが、カードだけを取ってスナックを捨ててしまう等の事例が全国で報告された。こうした状況は保護者や教育関係者の目に留まり「ライダースナック投棄事件」として、社会問題にまで発展した。カルビー側は「お菓子は残さず食べよう」という一文をスナックの袋に印刷して掲載し、梱包用のダンボール箱に「一人にたくさん売らないように御協力下さい」と小売店向けの指示書を仕込むなどの対策を採った。
【私見】小学生の時に「ライダースナック購買禁止令」がでた記憶がある。