序文・世界最大級古墳
堀口尚次
仁徳(にんとく)天皇は、日本の第16代天皇。『日本書紀』での名は大(おお)鷦鷯(さぎき)天皇。実在したとすれば4世紀末から5世紀前半に在位したと推定されている。その業績から聖(ひじりの)帝(みかど)とも称される。
即位元年、難波高津宮に都を移す。即位2年、武内宿禰(たけうちのすくね)の孫娘の葛城磐之媛(いわのひめ)を皇后とした。即位4年、人家の竈(かまど)から炊煙が立ち上っていないことに気づいて3年間租税を免除した。その間は倹約のために宮殿の屋根の茅(かや)さえ葺き替えなかったという記紀の逸話〈民のかまど〉に見られるように仁徳天皇の治世は仁政として知られる。
「仁徳」の漢風諡号(しごう)もこれに由来する。租税再開後は大規模な灌漑工事を実施し、広大な田地を得た。これらの業績から聖帝と称され、その治世は聖の世と称えられている。
仁徳天皇が、どの家にも竈の煙が昇っておらず、これにより民衆が炊事もできないほど貧しいことを知り、三年間、課税と労役を全て止める事にした。という説話は、5世紀代には近畿地方において竈は普及しておらず、史実を反映した記述ではない。
大仙陵古墳または大山古墳は、大阪府堺市堺区大仙町にある古墳、天皇陵。形状は前方後円墳。百舌鳥(もず)古墳群を構成する古墳の1つで、日本最大の古墳にして、世界最大級の墳墓である。
実際の被葬者は明らかでないが、宮内庁により百舌鳥耳原中陵(もずのみみはらのなかのみさ)として仁徳天皇の陵墓に治定されている。仁徳天皇陵や仁徳陵古墳とも言う。
ユネスコは2019年7月6日、大仙陵古墳を含む「百舌鳥・古市古墳群」を世界文化遺産として登録することを決定した。
仁徳天皇は、日本の伝説的な天皇であり、紀元後4世紀から5世紀初頭にかけて在位したとされている。しかし、彼の実在性については歴史的な証拠が殆ど無く、神話や伝説の中のみ語られている。その為、現在では仁徳天皇は実在していなかったという説もある。

