ホリショウのあれこれ文筆庫

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第1359話 四九の市

序文・シクイチ

                               堀口尚次

 

 神社やお寺の境内等を利用して、露天〈祭りの露天商形態ではなく簡易的なもの〉が並ぶ「通称・四九市(しくいち)」というものがある。4と9の付く日「4・9・14・19・24・29」に開催されることからこう呼ばれたようだが、このいわれについて調べた。どうやら青空市場から起こり、スペースがとれる境内に発展していった感じだ。「4」の由来は解明できたが、「9」の由来は不明だ。

 富洲原四九の市は、三重県四日市市富洲原地区(松原地区の四日市市富州原町の西元町自治会所属の元町通り)に開催される日付指定の露天の市である。富洲原四九の市富洲原地区民以外に近隣の三重郡川越町・四日市市富田地区・四日市市大矢知地区にも知られている青空市場である。4と9のつく日の午前中に開催される

 市場町としての歴史がある四日市市富洲原地区に開催される楽市だが、4日は四日の市が由来四日市地名室町時代に毎月4のつく日に市(いち)が開かれたことが「四日市」の名称の由来といわれていにちなんでいる。当初は東洋町発展会〈東洋町自治会〉・西元町自治会〈西元町商店街〉と富洲原商店会で運営管理していたが、その後四九市共栄会と運営委員会が運営している。

 昭和25年から~昭和26年まで頃から10店舗程度の小規模市が開設されて、最盛期は60店舗ほど出店していたが、現在は40店舗ほどである。年間120万円の経費が必要とされるので、出店者から毎月3000円程度の会費を徴収して、四九市の代表者が道路使用許可と駐車許可願いを四日市北警察署に届けている。出店者は他の市場を兼ねている商人が多くて、普通は2つから~3つまでの市場、多い人は13か所の市を兼ねている。出店者は市内を中心に、遠い人は岐阜県南濃地方や桑名市の長島・多度からも来ている。

私見】筆者が幼少の頃には、近所〈愛知県東海市〉の神社〈村社・八幡神社〉で開催されており、始まる前には音だけの花火が打ち上げられていた。記憶が乏しいが、茶碗などの陶器があったことは覚えている。いつの間にかなくなってしまったが、近日とあるお寺を訪れると、ちょうど露天の後かたずけをされている人たちに出くわした。後で調べてみると、その日は14日で「四九市」であることが分かり、昔を懐かしんだ。