ホリショウのあれこれ文筆庫

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第1478話 「刀狩り」にあったスズキのバイク・カタナ

序文・日本刀をイメージ

                               堀口尚次

 

 カタナとは、スズキ株式会社が製造販売するオートバイのシリーズ商標である。1980年9月西ドイツ〈現・ドイツ連邦共和国〉で開催されたケルンモーターショーにカウル付きプロトタイプGSX1100S KATANAとして、カウルレスのGS650Gと同時発表された。日本刀をモチーフとした先鋭的フォルムと基本性能の高さを両立させたデザインが反響を呼びケルンの衝撃と呼ばれた

 当初は1,100㏄モデル〈輸出商標:KATANA〉を意味したが、のちにシリーズとして排気量別に数車種が生産された。再生産を繰り返して2000年に製造中止されたが現在でも人気は高く、ホンダのドリームCB750FOUR・カワサキのZ1に並ぶスズキの名車としての地位を確立しており、入手可能なスズキの現行モデルをベース車にして模した車両を販売している店まで存在する。2022年11月8日、日本自動車殿堂の歴史遺産車に認定された。

 「日本刀をイメージした」というそのED-2のデザイン画はスズキ内部でも意見が真っ二つに分かれ、実際に日本に持ち込まれたED-2のモックアップを見た社長は「こんな仮面ライダーみたいなの本当にやるのか」と漏らしたという。ED-2をベースにプロトタイプを作る際、スズキはターゲットデザインに対し「こちら〈スズキ〉はデザインの邪魔は極力しない。だから、そちら〈ターゲットデザイン〉もデザインが機能の邪魔をするのは極力やめて欲しい」と注文を付け、これをターゲットデザインも了承。高く上げられ視界を妨げていたメーターが低く直され、タンデム側がテールカウルより低く抑えられていたシートはタンデムする人の為にテールカウル上まで持ち上げられた。これらは両者の協力関係がうまく行っていたことの証左と言える。

 国内の二輪排気量上限撤廃を受け、1994年3月に国内販売が開始された。輸出仕様車にはあった“”ステッカーは「凶器を連想させる」として貼られず、前面風防・ライト下のスポイラーも付けられておらず、車名に「カタナ」の文字も入れられなかった。特にハンドルについては、ほとんどの所有者が輸出仕様の1100cc用のハンドル部品を取り寄せて交換したが、当時はこの改造が違法改造とみなされ警察もこの改造を集中的に取り締まることが多く、この当時の取締りは「カタナ狩り」と呼ばれていた。カウリングは未だ認可されず、当初は「ヘッドライトケース」という名称であった。