序文・木ではない
堀口尚次
ウドは、ウコギ科タラノキ属の大型の多年草。山野に自生するほか、栽培も行われている。生長すると茎が太く大きくなり、若い葉や茎は香りが強く山菜や野菜として好まれる。季語は晩春。
大型の多年草で丈が高く、高さ約1 - 1.5メートルに生長し、大きなもので2 mほどになる。地上部は全体に粗い毛が生えていて、特有のよい香りがある。
野菜として出荷されているウドは、東京都が全国最大の生産地で、東京産ウドは地下の室(むろ)に株を入れてモヤシのように軟白栽培したものである。日本におけるウドの軟化栽培は、江戸時代には始められていたとされる。全国的な栽培ウドの産地は、栃木県、茨城県、東京都が多く、なかでも特産野菜として栽培されている白ウドは、東京都三鷹市、立川市などの産地が有名で、立川市を中心とした東京都多摩地域の特産品〈東京うど〉や大阪府茨木市太田および千堤寺地区特産の「三島うど」などがある。
ウドは山菜として有名で、若葉、つぼみ、芽および茎の部分が食用になり、シャキシャキした歯ごたえがあり、独特の香りと爽やかな苦味が特徴である。山ウドの採取時期は、全体に白い粗毛が生えて葉がようやく開き始めた若芽のころが良く、生えている場所によっても異なるが採取時期は暖地が4月、寒冷地では5 - 6月ごろになる。おおむね6月以降は粗大化して食用には向かなくなる。地中にある白い皮の部分からナイフで切り取って採取するが、数本まとまって生えているところでは、翌年生えるために2 - 3本残しておく。若芽や茎は採取期間が短いが、若葉はある程度長期間に渡って採取することができる。
諺(ことわざ)でウドは、1.5メートル前後の大きさに育つが、茎が太く育った頃には食用にもならず、また茎が柔らかすぎて木材にも適さないということから、転じて「図体はでかいが中身が伴わず、役に立たないもの」のたとえ。ただし、前述したようにウドは樹木ではなく、草本の一種である。
因みに、芸人・ウド鈴木の芸名の「ウド」は、事務所の先輩が「体だけ大きくて何も役に立たないウドの大木だな」と言った事から命名。
