ホリショウのあれこれ文筆庫

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第1519話 地磁気

序文・磁性と磁場

                               堀口尚次

 

 地磁気は、地球が持つ磁性磁気及び、地球により生じる磁場磁界である。磁場は、空間の各点で向きと大きさを持つ物理量〈ベクトル場〉である。地磁気の大きさの単位は、国際単位系の磁束密度の単位であるテスラ〈T〉である。通常、地球の磁場はとても弱いので、「nT〈ナノテスラ〉」が用いられる。 地球の大気や水の宇宙空間への拡散を防ぎ、地球に降り注ぐ宇宙線や太陽からの紫外線を減らす一助を担っており、地球の生命を守る役目も果たしている。

 地球の磁場は、概ね磁気双極子で〈つまり、地球の中心に仮想的に置かれた1つの棒磁石として〉近似でき、現在は北極部がS極、南極部がN極に相当し、それぞれ北磁極と南磁極と呼ぶ。ただし、非双極子部分は地球上に“瞳のような形”で存在する。地磁気の磁力線は、赤道付近を除けば、地面に対して平行ではなく、地面と斜めに交わるかたちになっている。

 地球の磁場は、主に地球〈電離層等を含む〉に流れる電流に起因する。地磁気の発生原因は、今でも完全には解明されていない。地磁気は約42億年前〈地球誕生の約4億年後〉に発生していたことが、オーストラリア大陸西部のジャックヒルズの砂岩に含まれるジルコンで確認されている。

 地磁気の利用は古くから行われており、方位磁針を用いて方位を知るために用いられてきた。また、伏角(ふっかく)〈 地磁気の磁力の方向が水平面となす角〉を利用して姿勢計測・制御を行うようなシステムも存在する。また、地磁気を利用したモーションコントロールセンサーも携帯電話等に実装例がある。渡り鳥や回遊性の海生動物の中には地磁気を方位を知る手段として利用していると考えられるものがある

 活火山の近くでは、マグマの活動に伴って地磁気が変化することがある。たとえば高温のマグマやマグマからの火山ガスが地下浅いところまで上昇すると岩石が熱消磁して、全磁力が消磁域の南側で減少、北側で増加する。このような地磁気変化は噴火活動の観測に使われている。