序文・海の取締り
堀口尚次
海上保安庁は、日本の行政機関のひとつで、国家行政組織法および海上保安庁法による国土交通省の外局。法令の海上における励行、海難救助、海洋汚染の防止、海上における犯罪の予防・鎮圧、犯人の捜査・逮捕、船舶交通に関する規制、水路・航路標識に関する事務、その他海上の安全の確保に関する事務を行う。
海上保安庁は、2000年以降は英名として「Japan Coast Guard」を使っており、同様の英名を使う諸外国の沿岸警備隊には軍事組織も含まれていることや、自衛隊法に基づき特別の必要を認めるときは組織の全部や一部を防衛大臣の統制・指揮下に組み込めることなどから、準軍事組織との比定が試みられる場合があるが、法律〈海上保安庁法〉上、明確に軍隊ではないとされている。条文〈第25条〉に従い海上保安庁法には戦時国際法に関する条文は存在しない。
水上警察とは、水上で展開される警察活動又はそれを任務とする組織を指す。水上における警察活動としては、密輸・密漁等の犯罪の防止、水上交通秩序の維持、事故・災害時等における救助活動等があり、このため水上警察においては、船舶を使用しての警らや、船舶等への立ち入り検査等の活動が、税関や出入国管理機関、沿岸警備隊等の行政機関と連携して実施される。国や時代により、出入国管理や検疫についても所掌するケースがあるが、現在の日本においてはこれらは別個の行政機関が所掌している。
水上警察の業務内容や航行区域は時代によって異なっている。現代の日本の警察では、警察用船舶の運用は外勤警察の一環とされており、原則的には警察事象の多い水域を管理する警察署〈水上警察署など〉に配置されて、所定の水域を警邏している。また執行隊として水上警察隊が設置されている場合もある。航行区域としては、最も大型のものでも海岸から20海里までの沿海区域に限られる。海上保安庁との分担としては、一般的には河川と湖は警察、港区外は海上保安庁、港内は両者が協議して担当を決めるが、陸地から目視出来る範囲内での海上は警察になる事が多いとされる。警察用船舶の乗員は、警察官ではなく、船艇操縦のために採用された専門職員があてられる。ただし乗員のなかには、長年の勤務を通じて警察官に任用される者もいれば、船好きが高じて船艇職員に配置換えされる警察官もいるとされる。
