ホリショウのあれこれ文筆庫

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第1550話 エレキ禁止令とモンキーダンス

序文・エレキは不良?!

                               堀口尚次

 

 1965年1月の『ザ・ベンチャーズ』の来日以降、ベンチャーズの人気と共にエレキ族と呼ばれる若者を中心に爆発的にエレキギターに注目が集まり「エレキブーム」が訪れる事になる。テレビ番組『勝ち抜きエレキ合戦』等のテレビ番組や加山雄三主演映画『エレキの若大将』等の後押しもありブームに拍車をかけていった。同年夏にはエレキギターの音に合わせて踊るモンキーダンスもブームとなった〈モンキー族〉。しかし、同1965年10月に栃木県足利市教育委員会の働きかけで起こった小中学生のエレキ購入禁止や大会参加禁止等を定めた通称「エレキ禁止令」が出されると、新聞で大きく取り上げられるなど社会問題化し、一方的に「エレキギターは不良少年がするもの」とレッテルを貼られ、コンサートを見に行っただけで高校を退学させられるなど全国で激しい「エレキギター追放運動」が波及していった。条例は後に廃止されたもののブームは次第に沈静化していくことになる。その後寺内タケシによるハイスクールコンサート等の熱心な努力もあり改善されていく。

 モンキーダンスは、ダンスのジャンルの一つ。手を上下に動かして踊ることが猿に似て、非常にユーモラスなことから名づけられた。主に、1960年代に世界的に大流行した。日本では1965年にサーフロックバンド『ザ・ベンチャーズ』の来日や音楽番組『勝ち抜きエレキ合戦』の登場でエレキブームが盛り上がってたのと同じ頃にモンキーダンスが輸入され、同年夏には湘南でエレキの音に合わせてモンキーダンスを踊る若者が登場し、同年10月にはモンキーダンスがテレビにも登場し、全盛期を迎えた。同時期にはゴーゴーダンスも流行してゴーゴー喫茶が登場しており、モンキーダンスでも銀座モンキー・ア・ゴーゴーなどの踊る喫茶店が登場した。朝日新聞の投書欄などで学生の間でのモンキーダンス流行の是非について討論が行われており、モンキーダンスを禁じた学校もあれば、泉佐野市民会館のようにエレキギター演奏やモンキーダンスの集会に貸さないことを決めた施設もある。警察庁は「ダンスを楽しむこと自体には問題はない」ものの、モンキー族の独特な雰囲気は「好ましい影響を与えるとは思えない」「無分別な行動に出るものがある」などと評価し、ダンスパーティーの健全化方針を取るようになり、都内では1965年12月にダンスホール3ヶ所の一斉補導が行われ少年54人が補導された。