ホリショウのあれこれ文筆庫

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第1563話 カクレミノ

序文・天狗の雨具?!

                               堀口尚次

 

 カクレミノは、ウコギ科カクレミノ属に分類される常緑亜高木の1種。和名カクレミノの語源は、3裂した葉の形が、想像上の宝物の一つである「」に似ていることに由来する。植栽樹として利用され、日陰地に適した樹種として知られる。鉢植や庭木、神社等によく植えられている。

 葉の先が三つあるいは五つに裂けたものは、神に供物をするときや「豊明節会(とよあかりのせちえ)」のときに、酒や飯を盛り入れる器として使われた。仁徳天皇紀でも「御綱葉(みつながしは)〈特に皇后が神事や祭祀に使用するために採取した葉〉」として言及され、仁徳天皇30年9月にその皇后の磐(いわ)之(の)媛(ひめの)命(みこと)が、紀国の熊野で豊明のために御綱葉を取り帰るも、仁徳天皇が留守を見計らい恋していた八田皇女を宮中に入れたことを知った皇后は、激怒して難波の港で、採取していた御綱葉をすべて海に捨ててしまったという。

 御綱葉は、一般的にカクレミノ〈隠蓑〉という植物の葉を指すとされている。

 「隠れ蓑にする」とは、正体や目的を見破られないために、代わりの何かを用いること。「隠れ蓑」は、鬼や天狗が持つとされる蓑〈衣服の上から着る雨具〉で、それを身につけると姿を隠すことができることからきているという。