ホリショウのあれこれ文筆庫

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第1622話 トクリュウ

序文・匿名流動型犯罪グループ

                               堀口尚次

 

 匿名・流動型犯罪グループは、2023年7月に警察庁がSNSを通じて募集する闇バイトなど緩やかな結びつきで離合集散を繰り返す集団」と定義した組織犯罪の類型。略称は匿流(とくりゅう)トクリュウ〉。

 かつて半グレと呼ばれた不良集団や準暴力団の後継と位置づけられ、実態は伝統的な暴力団の傘下組織や共生者として機能している。資金の一部は暴力団に渡っているほか、暴力団構成員が匿名・流動型犯罪グループとして犯罪を行っている事もあり、このような集団の中には暴力団と匿名・流動型犯罪グループとの結節点の役割があるとみられている。従来型の反社会的勢力の統制力があり、犯行に及ぶとみられる。

 2024年3月には、2021‐2024年の3年間の累計で検挙された人数が1万人を超え、捜査が強化されている。内訳は特殊詐欺が6170人、薬物営利犯が2292人、犯罪インフラ犯〈旅券偽造、不法就労助長、地下銀行など〉が1721人、闇バイト関係〈強盗や窃盗などの実行犯〉が195人となっている。またSNSを利用した投資詐欺やロマンス詐欺、インターネットバンキングの不正送金、クレジットカードの不正利用に関与しているとみられている。一部報道によると、特定のデモ活動へのサクラの動員にも関与しているという。

 犯罪組織がグローバル化しているのも特徴である。東アジアおよび東南アジアの街全域が詐欺組織になっている事例もある。犯罪に関与する国籍も日本だけでなく、中国、ベトナムなど多岐にわたる。

 2025年4月に公表された警察庁のまとめでは、2024年の1年で摘発人数が全国で1万105人となった。そのうち実行役を集める「リクルーター」や指示役らは1011人で、末端の実行役はほぼ使い捨てで9094人であった。罪種別の内訳では、銀行口座の譲渡など犯罪収益移転防止法違反が3293人、詐欺が2655人、窃盗が991人、麻薬取締法違反などの薬物事犯が917人である。