序文・入札制度
堀口尚次
ポスティングシステムとは、主にプロ野球において認められている移籍システムの一つ。日本のメディアでは旧制度に基づく入札制度という呼称も使われている。日本野球機構〈NPB〉とメジャーリーグベースボール〈MLB〉間でのシステム。
日本プロ野球〈NPB〉所属選手は、契約保留選手名簿または育成選手保留者名簿に登録され、所属先球団が選手保留権を有している。球団が保留権を有する選手は、同名簿の記載から外れる〈自由契約=特定チームの支配下に置かれておらずどのチームとも選手契約を結べる状態となる〉か、FA権〈いずれの球団とも選手契約を締結する権利を有する〉を行使しない限り、国内外を問わず、他球団への移籍を目的とした契約交渉や練習参加その他の活動を行うことができない〈保留制度〉。
ポスティングシステムは、海外FA権を持たないプロ野球選手が、MLBなど海外プロ野球リーグへの移籍を希望した場合に、所属球団側の承認と手続き〈ポスティング申請〉を経て移籍する手段である。選手とMLB球団との新契約締結に伴い、前所属球団は選手保留権を失う代わりに、移籍先のMLB球団から譲渡金〈移籍金〉を受け取る。
1998年に「日米間選手契約に関する協定」が調印され、トレードによるMLBへの移籍を不可能とした代わりに、ポスティングによる移籍システムが創設された。当初はMLB球団による封印入札方式であったが、2012年に一時失効し、2013年12月17日、所属NPB球団側が譲渡金額を設定したうえで応札球団と選手側が自由交渉する制度が改めて成立した。しかし入札制度という呼称は引き続き使用されている。2018年11月からは譲渡金額を事前に定めず、移籍先での契約総額によって譲渡金額が変動する制度に変更された。なお、移籍先での契約期間中に選手が追加で得た金額も譲渡金額に上乗せされる。
