ホリショウのあれこれ文筆庫

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第1642話 八咫烏

序文・三本足のカラス

                               堀口尚次

 

 八咫烏(やたがらす)は、日本神話に登場する烏(からす)であり、導きの神。神武東征の際、高皇産霊尊(タカミムスビ)によって神武天皇のもとに遣わされ、熊野国から大和国への道案内をしたとされる。一般的に三本足の姿で知られ、古くよりその姿絵が伝わっている。

 八咫烏は、日本神話において、神武天皇を大和の橿原まで案内したとされており、導きの神として信仰されている。

 熊野三山においてカラスはミサキ神〈死霊が鎮められたもの。神使〉とされており、八咫烏は熊野大神〈素戔嗚尊〉に仕える存在として信仰されており、熊野のシンボルともされる。近世以前によく起請文として使われていた熊野の牛玉宝印(ごおうほういん)にはカラスが描かれている。咫(あた)は長さの単位で、親指と中指を広げた長さ〈約18センチメートル〉のことであり、八咫は144cmとなるが、ここでいう八咫は単に「大きい」という意味である。

 八咫烏は、近代以降の日本においても様々な場面でシンボルマークとして利用されてきた。特に、日本サッカー協会のシンボルマークおよび日本代表のエンブレムの意匠として用いられていることで知られている。このシンボルマークは、大日本蹴球協会〈日本サッカー協会の前身〉創設に尽力した漢文学者・内野台嶺らの発案を基に、彫刻家・日名子実三が三本足の烏としてデザイン化し、昭和6年に採用されたものである。