ホリショウのあれこれ文筆庫

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第186話 産業廃棄物処理と不法投棄

序文・大人が悪い見本

                               堀口尚次

 

 産業廃棄物とは、事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類その他政令で定める廃棄物の事。

 家庭等から排出される一般のごみ〈一般廃棄物〉は市町村に処理責任があるのに対し、産業廃棄物は排出事業者に処理責任がある。法的に取り扱いが異なるため、廃棄にあたっては、市町村等の一般廃棄物用の処理施設での処理・処分をすることはできない。産業廃棄物を処理・処分できる許可を受けた産業廃棄物処理業者へ処理・処分委託することとなっている。

 不法投棄の問題は、いくつかの社会的な背景がある。①産業廃棄物の排出量と比較して、同一県内にある産業廃棄物の処分場が慢性的に不足。②処理技術の向上による処理費用の増加。③トラック輸送の低価格化による燃料費削減を目的とする不正軽油の利用により、その密造に伴う有害廃棄物の発生。

 このような背景の中、法令等に定められた処理・処分をせず、不法投棄・不適正保管をする排出事業者や処理・処分業者が後を絶たない。その件数は、量の少ない物を含め、1年に1000件を越えるといわれる。不法投棄地では、水質汚濁や土壌汚染などの環境汚染が起こっている。

 今年の集中豪雨で土石流が発生した事案では、盛り土が原因であることが大きく報じられているが、この盛り土が不法投棄の産業廃棄物を隠蔽するために高く積み増しされた経緯があり、産業廃棄物処理の闇社会が垣間見える。

 私はウォーキングで住宅街から離れた、丘陵地帯を歩くと、間違いなく不法投棄に出くわす。この場合は、産業廃棄物ではなく、一般ゴミの粗大ゴミ関連が多い。中には、リサイクル法での処理が必要な、テレビや洗濯機・冷蔵庫などもある。

 これらは当然違法行為であり、投棄が発見された場合は罰せられるのだが、だいたい人家の無い場所なので、まず投棄現場が見つかる可能性はない。海や川や池などに不法投棄する輩がいるように、ありとあらゆる場所にゴミを捨てていく輩は、残念ながら存在する。

 タバコのポイ捨て、缶やペットボトル飲料のカラ容器のポイ捨てなど、道徳・マナーの観点からも信じがたい行為を平気で行える輩が、残念ながら存在する。不法投棄をする輩は、道徳・マナーを通り越して、犯罪者なのだ。

 ゴミの処理は、その人の人間性が現れると思う。性格にもよるが、分別することが好きな人にとっては簡単な事であるが、苦手な人にとっては苦痛なのであろう。まずは社会の一員としてルールを守ってゴミ捨てする事が第一前提だ。

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