ホリショウのあれこれ文筆庫

歴史その他、気になった案件を綴ってみました。

2024-06-01から1ヶ月間の記事一覧

第1096話 晒首にされた千利休

序文・茶の湯と権力 堀口尚次 千利休は、戦国時代から安土桃山時代にかけての茶人、商人。わび茶〈草庵の茶〉の完成者として知られ、茶聖とも称せられる。また、今井宗久、津田宗及とともに茶湯の天下三宗匠と称せられ、「利休七哲」に代表される数多くの弟…

第1095話 鉄道公安官は国鉄職員だった

序文・拳銃も携帯していた 堀口尚次 鉄道公安職員は、日本国有鉄道の職員の一形態である。「鉄道公安官」または「公安官」、「公安〈公安警察などと明確に区別できる文脈においてのみ〉」と俗称されることが多かった。 国鉄用地内での痴漢、すり、置き引き、機…

第1094話 ひめゆり学徒隊

序文・靖国神社に合祀 堀口尚次 ひめゆり学徒隊とは、昭和19年12月に沖縄県で日本軍が中心となって行った看護訓練によって動員された女子学徒隊のうち、沖縄県立女子模範学校と沖縄県立第一高等女学校の生徒で構成された女子学徒隊。 名前の「ひめゆり」とは…

第1093話 一筆啓上火の用心お仙泣かすな馬肥やせ

序文・鬼作左の日本一短い手紙 堀口尚次 本多重次(しげつぐ)は、戦国時代から安土桃山時代にかけての武将。徳川氏の家臣。通称は作左衛門(さくざえもん)。享禄2年、本多重正の子として誕生した。通称の作左衛門と、剛邁(ごうまい)で怒りやすいことから、「鬼…

第1092話 死をもって村民を救った庄屋・柴田助太夫

序文・義民伝説 堀口尚次 愛知県安城市の市指定史跡に「柴田助太夫墓碑」がある。安城市浜屋町北裏の墓地の一角にその墓碑はあり、安城市教育委員会が建てた立札の全文を以下に記す。 『延宝5年に刑死した大浜茶屋村の庄屋、柴田助太夫の墓碑です。墓石は花…

第1091話 木曽義仲の便女・山吹御前

序文・巴御前のライバル?! 堀口尚次 山吹御前は、平安時代末期の女性。源義仲〈木曽義仲〉の便女〈文字通り便利な女の意味で武将の側で身の回りの世話をする召使いの女〉といわれている。 『平家物語』によると、巴(ともえ)御前〈義仲の妾〉と共に信濃国か…

第1090話 徳川家康の次男「結城秀康」は双子だった

序文・双子であることは隠された 堀口尚次 徳川家康の次男は、正室の築山殿の侍女をしていた「於古茶(おこちゃ)〈於萬(おまん)の方・小督局(こごうのつぼね)・長勝院〉」が産んだ「於義伊〈後の結城秀康〉」だが、築山殿が於古茶を側室として認めなかったの…

第1089話 カメハメハ大王

序文・孤独な静かな人 堀口尚次 カメハメハ1世〈Kamehameha I、1758年 - 1819年、生年は諸説あり〉は、ハワイ諸島を初めて統一して1810年にハワイ王国を建国し、初代国王となった人物である。カメハメハ大王の名でも親しまれる。「カ・メハメハ」はハワイ語…

第1088話 徳川四天王の血筋「鬼玄蕃」こと酒井玄蕃

序文・破軍星旗 堀口尚次 酒井了恒(のりつね)は、出羽庄内藩家老・酒井了明の長男。慶應3年に家督をついでから父祖代々の通称である玄蕃(げんば)。明治維新後、大泉県〈旧庄内藩〉参事。 徳川氏の前身である松平氏の譜代家臣・酒井忠次は徳川四天王の筆頭家…

第1087話 総会屋

序文・株主総会の舞台裏 堀口尚次 総会屋とは、日本において株式会社の株式を若干数保有し株主としての権利行使を濫用することで会社等から不当に金品を収受、または要求する者および組織を指す。別名として「特殊株主」「プロ株主」などがある。英語に翻訳…

第1086話 未受精卵とニワトリの卵

序文・バタリーゲージ問題 堀口尚次 未受精卵とは、産卵されたが受精しなかった卵のことである。無精卵とも言う。生殖の面では何の意味もないが、いくつかの側面で役に立っている。 卵は受精して発生が行われることによって新たな個体となるような配偶子の性…

第1085話 更生保護事業の草分け・金原明善

序文・大久保利通に謁見 堀口尚次 金原明善(きんぱらめいぜん)〈天保3年 - 大正12年〉は、明治時代の実業家。静岡県浜名郡和田村村長。天竜川の治水事業・北海道の開拓・植林事業など近代日本の発展に活躍した。 慶応4年、天竜川は大雨により堤防が決壊。浜…

第1084話 土木作業集団・黒鍬

序文・土木作業は鍬が中心 堀口尚次 黒鍬(くろくわ)は戦国時代や江戸時代に土木作業を行う者達を指す。語源に当たる黒鍬は通常の鍬より刃が厚くて幅が広く、刃と柄の角度が60~80度に開いている。さらに、柄が太く短くできていることで力を加えやすく、打ち…

第1083話 五色の賤

序文・古代日本の身分制度 堀口尚次 五色(ごしき)の賤(せん)とは、律令制の元で設置された古代日本の5種の賤民である。 近世の被差別民や近現代日本の被差別部落の直接的な起源であるとする説が存在するが、議論がある。 7世紀後半に日本に導入された律令制…

第1082話 日本のテレビの父・高柳健次郎

序文・世界で初めて成功 堀口尚次 高柳健次郎〈明治32年 -平成2年〉は、日本の工学者、日本ビクター元副社長・技術最高顧問。静岡大学名誉教授。日本のテレビの父と呼ばれる。文化勲章受章。 静岡県浜名郡和田村〈今の静岡県浜松市中央区安新町〉に生まれた…

第1081話 猿の赤ん坊「さるぼぼ」

序文・飛騨のお土産 堀口尚次 「さるぼぼ」は、飛騨高山など岐阜県飛騨地方で昔から作られる人形。飛騨弁では、赤ちゃんのことを「ぼぼ」と言い、「さるぼぼ」は「猿の赤ん坊」の意味。近年では、土産として飛騨地方の観光地で多く見られる。 このさるぼぼの…

第1080話 漁師から旗本になったジョン万次郎

序文・英語を話した日本人 堀口尚次 ジョン万次郎〈文政10年 - 明治31年〉は、江戸時代末期から、明治にかけての日本の旗本・翻訳家・教育家。アメリカ合衆国を訪れた最初の日本人の一人であり、日米和親条約の締結に尽力した。通訳・教授などでも活躍した。…

第1079話 円周率を計算した関孝和

序文・和算の大家 堀口尚次 関孝和は、日本の江戸時代前期の和算家〈数学者〉。 関は和算が中国の模倣を超えて独自の発展を始めるにあたって、重要な役割を果たした。特に宗金元時代に大きく発展した天元術〈中国で生まれた代数問題の解法〉を深く研究し、根…

第1078話 自動車販売の「形式指定」認証不正に想う

序文・官僚の無謬性 堀口尚次 そもそも自動車を生産して販売する場合、国の基準を満たしているかを、国の検査を得て、合格してからしか販売してはいけない仕組みになっている。自動車には車検制度があり、これを満たしていない場合は法令違反となる。「形式…

第1077話 主君を見限った才蔵

序文・ニ君のまみえずどころか 堀口尚次 可児吉長(かによしなが)は、戦国時代から江戸時代初期にかけての武将。槍の名手として知られた。通称の才蔵でよく知られている。 天文23年、美濃国可児郡〈現在の岐阜県御嵩町〉に生まれ、幼少期を願興寺で過ごす。寺…

第1076話 篠島から石を切り出した加藤清正

序文・名古屋城の石垣 堀口尚次 以下は、愛知県知多郡南知多町篠島にある「加藤清正・名古屋城築城の石」の看板より抜粋。『名古屋城は、慶長十五年に石垣の工事が始まった。加藤清正は、自ら申し出て天守閣と小天守の石垣を築城した。清正は、幕府より依頼…

第1075話 侠客「べっ甲亀」が作った榊原弱者救済所

序文・「弱きを助け」の任侠道 堀口尚次 榊原弱者救済所は、明治32年から昭和5年にかけて、今の愛知県半田市鴉根(からすね)町にあった民間の弱者救済所。地名から鴉根弱者救済所と呼ばれることもあった。 明治31年頃、今の半田市鴉根町〈当時・知多郡成岩町…

第1074話 アイヌ出身の測量技手・川村カ子ト

序文・三河と信州を結んだ三信鉄道 堀口尚次 川村カ子(ネ)ト〈明治26年 -昭和52年〉は、上川アイヌの長で、日本国有鉄道の測量技手。アイヌ文化の啓発・普及にも寄与した。国鉄退職後は川村カ子トアイヌ記念館の館長、旭川アイヌ民族史跡保存会長、旭川アイ…

第1073話 てるてる坊主

序文・あした天気にしておくれ 堀口尚次 てるてる坊主は、日本の風習の一つである。照る照る坊主とも表記される。翌日の晴天を願い、白い布や紙で作った人形を軒先に吊るすもので、「てるてる法師」、「てれてれ坊主」、「日和(ひより)坊主」、「てれれ坊主…

第1072話 森蘭丸の兄・鬼武蔵こと森長可

序文・武蔵守→鬼武蔵→武蔵塚 堀口尚次 森長可(ながよし)は、戦国時代から安土桃山時代にかけての武将・大名。本姓は源氏。家系は清和源氏の一家系、河内源氏の棟梁・源義家の六男・義隆を祖とする森氏。父は森可成(よしなり)。兄に森可隆(よしたか)、弟に森…

第1071話 美濃で活躍した代官・川崎平右衛門

序文・頼りにされたお代官様 堀口尚次 川崎定孝、元禄7年 - 明和4年は、江戸時代の農政家。宿場の名主を務め、後に抜擢されて江戸幕府の旗本となった。通称、平右衛門、辰之助。 名主・農政家として活躍するかたわら、薬の販売にも携わっており、享保17年4月…