ホリショウのあれこれ文筆庫

歴史その他、気になった案件を綴ってみました。

2023-09-01から1ヶ月間の記事一覧

第829話 インボイス制度

序文・正確な納税 堀口尚次 インボイス制度とは、消費税〈付加価値税〉の仕入税額控除の方式の一つで、課税事業者が発行するインボイス〈売手から買手へ正確な適用税率や消費税額等を伝えるための請求書など〉に記載された税額のみを仕入税額控除することが…

第828話 ノミ屋

序文・飲み屋 堀口尚次 ノミ屋とは、日本に於ける公営競技などを利用して私設の投票所を開設している者のことである。また、その行為をノミ行為と言う。 たとえば知人からお金を渡され、これである馬の馬券を買ってくれと頼まれたとする。頼まれた側が正規の…

第827話 幻の総理大臣・三条暫定内閣

序文・内大臣との兼任 堀口尚次 三条実美(さねとみ)〈天保8年- 明治24年〉は、日本の公卿、政治家。三条家31代。位階勲等爵位は、正一位大勲位侯爵。 幕末には尊皇攘夷・討幕派の中心的な人物であり、明治維新後は元勲の一人として右大臣、太政大臣、内大臣…

第826話 ポツダム進級

序文・退官手当や恩給への配慮 堀口尚次 ポツダム進級とは、大日本帝国陸軍、大日本帝国海軍が1945年8月15日のポツダム宣言受諾後に軍人の階級を一つ進級させたこと。退官手当や恩給がなるべく多くもらえるようにするために行った。ポツダム進級で昇進した階…

第825話 多頭飼育崩壊

序文・個人が占有する財産 堀口尚次 多頭飼育崩壊とは、ペットの動物を多数飼育した飼い主が、無秩序な飼い方による異常繁殖の末、飼育不可能となる現象。 ペットを自宅など同一ヵ所で最初は適正頭数を飼っていたが、不妊手術など適正な措置を行わないままに…

第824話 信長の三男・織田信孝

序文・血統の宿命 堀口尚次 織田信孝(のぶたか)は、安土桃山時代の武将、大名。織田信長の三男。伊勢国北部を支配していた豪族〈国衆〉神戸氏の養子となってこれを継いだため、神戸(かんべ)信孝(のぶたか)とも名乗った。 清須会議が開かれるが、信雄(のぶか…

第823話 ゲリラ

序文・野球のショートはゲリラ?! 堀口尚次 ゲリラ〈スペイン語: guerrilla〉は、ゲリラ戦〈遊撃戦〉と呼ばれる不正期戦闘を行う民兵または反政府組織のこと。ゲリラ戦とは、戦線外において小規模な部隊を運用して、奇襲、待ち伏せ、後方支援の破壊、攪乱や…

第822話 有力守護大名・斯波氏の家格と末路

序文・驕れる者は久しからず 堀口尚次 斯波高経(しばたかつね)は、南北朝時代の武将、守護大名。越前・若狭・越中守護。足利氏の有力一門・斯波氏〈足利尾張守家〉4代当主。なお、高経自身はその存命中に斯波姓を自称したことも他称されたことも無く、足利氏…

第821話 ヨイトマケの唄

序文・自主規制という差別 堀口尚次 「ヨイトマケの唄」は、美輪明宏が自ら作詞作曲した1966年のヒット曲。 「ヨイトマケ」とは、かつて建設機械が普及していなかった時代に、地固めをする際に、重量のある岩を縄で滑車に吊るした槌を、数人がかりで引っ張り…

第820話 覆水盆に返らず

序文・取り返しがつかない?! 堀口尚次 覆水盆に返らずは、ことわざの一つ。下の由来から、「一度離婚した夫婦は元に戻ることはできない」、転じて「一度起きてしまったことは二度と元には戻らない」と言う意味。因みに「覆水」とは容器からこぼれた水のこ…

第819話 不発弾と信管

序文・信管が要 堀口尚次 不発弾は、起爆に関する機構に何らかの不具合があって爆発せずにある砲 弾、ロケット弾、誘導弾などの弾薬類の総称である。①発射薬に関する異常で発射されなかった弾薬類も、一般には不発弾と呼ばれるが、専門的には不発射弾と呼ば…

第818話 文金高島田

序文・花嫁に結われる 堀口尚次 高島田は、根元を高く仕立てた島田髷〈日本髪において最も一般的な女髷で特に未婚女性や花柳界の女性が多く結った〉の一種。奴島田とも。また高髷(たかまげ)島田や単に高髷とも。 島田の変形のうちでは比較的早くに誕生し最も…

第817話 陸軍の潜水艦?

序文・軍隊も縦割り社会 堀口尚次 三式潜航輸送艇は、日本陸軍の潜水艦。通称の「まるゆ〈○の中に「ゆ」と書く〉」で知られる。「ゆ」は「輸送用」の頭文字。1型と2型があり、主に輸送任務で用いられた。計画時の呼称は「イ号特種艇」。 レイテ島の戦い〈多…

第816話 十字軍の実態

序文・聖戦 堀口尚次 十字軍とは、中世に西欧カトリック諸国が聖地エルサレムをイスラム教諸国から奪還することを目的に派遣した遠征軍のことである。 一般には、上記のキリスト教勢力による対イスラム遠征軍を指すが、キリスト教異端に対する遠征軍〈アルビ…

第815話 杉山和一の功績

序文・献身的な施術 堀口尚次 杉山和一(わいち)〈慶長15年 - 元禄7年〉は、伊勢国安濃津〈現在の三重県津市〉出身の鍼灸師(しんきゅうし)。検校(けんぎょう)〈盲官=盲人の役職 の最高位の名称〉であることから「杉山検校」とも称される。鍼(はり)を管(くだ)…

第814話 愛知一中予科練総決起事件

序文・戦争と群集心理 堀口尚次 『15歳の志願兵』は、NHK名古屋放送局の制作により「終戦特集ドラマ」としてNHK総合テレビの「NHKスペシャル」で2010年8月15日の21時から22時13分に放送されたスペシャルドラマである。キャッチコピーは『友だちがいた。夢が…

第813話 本願寺分立

序文・家康の影響力 堀口尚次 関ケ原の戦い後、かねてから家康によしみを通じていた教如(きょうにょ)〈真宗大谷派第12代門主〉は家康にさらに接近する。 慶長7年、後陽成天皇の勅許を背景に家康から、「本願寺」のすぐ東の烏丸六条に四町四方の寺領が寄進さ…

第812話 民生委員と高齢者所在不明問題

序文・核家族化がもたらしたもの 堀口尚次 民生委員とは、常に住民の立場に立って相談に応じ、及び必要な援助を行い、もって社会福祉の増進に努める社会奉仕者であり、市町村の区域に配置されている。民生委員法に規定される。地方公務員法第3条第3項第2号に…

第811話 竹田の子守唄

序文・悲しい過去 堀口尚次 竹田の子守唄は、京都府の民謡、およびそれを元にしたポピュラー音楽の歌曲。1970年代にフォークグループ「赤い鳥」が歌ってヒットし、日本のフォーク歌手たちなどによって数多く演奏されている。 1960年代の後半、うたごえ運動の…

第810話 幻の剣号作戦

序文・B-29の脅威 堀口尚次 剣号作戦あるいは剣作戦とは、太平洋戦争末期に日本軍が立案した、マリアナ諸島のアメリカ軍基地に対するエアボーン攻撃計画である。当初は海軍陸戦隊250人が乗った航空機を強行着陸させB-29爆撃機を破壊する計画であったが…

第809話 ストライキと闘争積立金の行方

序文・上部団体への上納金 堀口尚次 ストライキは、労働者による争議行為の一種で、労働法の争議権の行使として雇用側〈使用者〉の行動などに反対して被雇用側〈労働者、特に労働組合〉が労働を行わないで抗議することである。日本語では「同盟罷(ひ)業」あ…

第808話 消えたパンプキン爆弾

序文・模擬原爆 堀口尚次 パンプキン爆弾は、第二次世界大戦中にアメリカ軍が開発、使用した爆弾。弾体が橙黄色(とうこうしょく)に塗装されていたことから「パンプキン」の名がある。長崎に投下された原子爆弾「ファットマン」の模擬爆弾として知られ、日本…

第807話 有馬記念の由来

序文・政界とのつながり 堀口尚次 有馬記念は、日本中央競馬会〈JRA〉が中山競馬場で実施する中央競馬の重賞競走〈GⅠ〉である。 大東亜戦争後に日本に進駐し間接統治を行っていたGHQは、日本国内の競馬施行体で唯一の全国組織であった日本競馬会を独占禁止法…

第806話 走塁妨害とコリジョンルール

序文・迫力プレイと危険の狭間 堀口尚次 走塁妨害とは、野球で、走者が野手に走塁を妨害されたことによって適用されるルールである。 野手は、「ボールを持って走者をアウトにしようとする」ときや「打球や送球を処理する」ときを除いて、走者のために走路を…

第805話 改易流配の家康六男・松平忠輝

序文・家康に嫌われてしまった 堀口尚次 松平忠輝は、安土桃山時代から江戸時代にかけての大名。文禄元年に徳川家康の六男〈庶子=正室以外の子〉として誕生した。側室の生母・茶阿局(ちゃあのつぼね)の身分が低いため、下野栃木城主で3万5,000石の大名であ…

第804話 秀吉に翻弄された妹・朝日姫

序文・戦国大名の身内女性の宿命 堀口尚次 朝日姫 / 旭姫は、戦国時代から安土桃山時代にかけての女性。豊臣秀吉の異父妹とされるが、同父妹とする指摘もある。徳川家康の正室〈継室〉。名は旭といわれる。家康との結婚後は駿河御前と呼ばれ、死後は法名の南…

第803話 辻井喬の幻影

序文・もう一人の自分 堀口尚次 堤清二〈昭和2年 - 平成25年〉は、日本の実業家、小説家、詩人。筆名は辻井喬(たかし)。学位は博士〈経済学〉。日本芸術院会員、財団法人セゾン文化財団理事長、社団法人日本文藝家協会副理事長、社団法人日本ペンクラブ理事…

第802話 ネス湖の「ネッシー」

序文・怪獣?! 堀口尚次 ネッシーは、イギリス、スコットランドのネス湖で目撃されたとされる、未確認動物「ネス湖の怪獣 」の通称。未確認動物の代表例として世界的に知られ、20世紀最大級のミステリーとして語られてきた。 記録として残されている最古の…

第801話 牛に引かれて善光寺参り

序文・一生に一度は参れ 堀口尚次 むかし、善光寺から東に十里の村里に欲張りで信心薄いおばあさんが住んでいた。ある日、川で布をさらしていると、どこからか一頭の牛が現れ、角にその布を引っかけて持っていってしまった。布を取り戻したいおばあさんは、…

第800話 幻の第11代将軍・徳川家基

序文・骨肉の争い 堀口尚次 徳川家基(えいもと)は、江戸幕府第10代将軍・徳川家治(いえはる)の長男。将来の第11代将軍として期待されていたが、急死した。徳川宗家の歴史の中で唯一「家」の通字(とおりじ)〈諱〉を授けられながらも将軍位に就けなかったため…