ホリショウのあれこれ文筆庫

歴史その他、気になった案件を綴ってみました。

その他

第1121話 信州の野尻湖にいたナウマンゾウ

序文・ナウマンが発見 堀口尚次 ナウマンゾウは、約1万5000年前までの日本列島に生息していたゾウである。後期更新世の日本列島に棲息した長鼻目(ちょうびもく)は本種とケナガマンモスのみであり、ヤベオオツノジカやハナイズミモリウシと共に後期更新世の日…

第1118話 プロ野球のサイン盗み問題

序文・公認野球規則にない決め事 堀口尚次 サイン盗みとは、野球において捕手が投手に出したサインや、コーチから塁上の走者に伝えられたサインを盗み、伝達する行為を指す。例えば、捕手の出すサインを盗み、味方チームのメンバーに中継、伝達することによ…

第1115話 ラッキーセブンは野球から

序文・7回の攻撃 堀口尚次 ラッキーセブンは、九回もある比較的長丁場の野球で七回には新機軸が発生することもあったということから始まった概念で、日本では7や5などの奇数が七元徳〈カトリック教会の教義における7つの基本的な徳〉など一般に尊ばれること…

第1109話 イオマンテ

序文・アイヌの儀礼 堀口尚次 イオマンテとはアイヌの儀礼のひとつで、ヒグマなどの動物を殺してその魂であるカムイを神々の世界 に送り帰す祭りのことである。 イオマンテの語は、イ〈i、'それを'〉+オマンテ〈返す〉からなり、すなわち'それを送る'という…

第1095話 鉄道公安官は国鉄職員だった

序文・拳銃も携帯していた 堀口尚次 鉄道公安職員は、日本国有鉄道の職員の一形態である。「鉄道公安官」または「公安官」、「公安〈公安警察などと明確に区別できる文脈においてのみ〉」と俗称されることが多かった。 国鉄用地内での痴漢、すり、置き引き、機…

第1089話 カメハメハ大王

序文・孤独な静かな人 堀口尚次 カメハメハ1世〈Kamehameha I、1758年 - 1819年、生年は諸説あり〉は、ハワイ諸島を初めて統一して1810年にハワイ王国を建国し、初代国王となった人物である。カメハメハ大王の名でも親しまれる。「カ・メハメハ」はハワイ語…

第1087話 総会屋

序文・株主総会の舞台裏 堀口尚次 総会屋とは、日本において株式会社の株式を若干数保有し株主としての権利行使を濫用することで会社等から不当に金品を収受、または要求する者および組織を指す。別名として「特殊株主」「プロ株主」などがある。英語に翻訳…

第1086話 未受精卵とニワトリの卵

序文・バタリーゲージ問題 堀口尚次 未受精卵とは、産卵されたが受精しなかった卵のことである。無精卵とも言う。生殖の面では何の意味もないが、いくつかの側面で役に立っている。 卵は受精して発生が行われることによって新たな個体となるような配偶子の性…

第1083話 五色の賤

序文・古代日本の身分制度 堀口尚次 五色(ごしき)の賤(せん)とは、律令制の元で設置された古代日本の5種の賤民である。 近世の被差別民や近現代日本の被差別部落の直接的な起源であるとする説が存在するが、議論がある。 7世紀後半に日本に導入された律令制…

第1082話 日本のテレビの父・高柳健次郎

序文・世界で初めて成功 堀口尚次 高柳健次郎〈明治32年 -平成2年〉は、日本の工学者、日本ビクター元副社長・技術最高顧問。静岡大学名誉教授。日本のテレビの父と呼ばれる。文化勲章受章。 静岡県浜名郡和田村〈今の静岡県浜松市中央区安新町〉に生まれた…

第1081話 猿の赤ん坊「さるぼぼ」

序文・飛騨のお土産 堀口尚次 「さるぼぼ」は、飛騨高山など岐阜県飛騨地方で昔から作られる人形。飛騨弁では、赤ちゃんのことを「ぼぼ」と言い、「さるぼぼ」は「猿の赤ん坊」の意味。近年では、土産として飛騨地方の観光地で多く見られる。 このさるぼぼの…

第1078話 自動車販売の「形式指定」認証不正に想う

序文・官僚の無謬性 堀口尚次 そもそも自動車を生産して販売する場合、国の基準を満たしているかを、国の検査を得て、合格してからしか販売してはいけない仕組みになっている。自動車には車検制度があり、これを満たしていない場合は法令違反となる。「形式…

第1075話 侠客「べっ甲亀」が作った榊原弱者救済所

序文・「弱きを助け」の任侠道 堀口尚次 榊原弱者救済所は、明治32年から昭和5年にかけて、今の愛知県半田市鴉根(からすね)町にあった民間の弱者救済所。地名から鴉根弱者救済所と呼ばれることもあった。 明治31年頃、今の半田市鴉根町〈当時・知多郡成岩町…

第1074話 アイヌ出身の測量技手・川村カ子ト

序文・三河と信州を結んだ三信鉄道 堀口尚次 川村カ子(ネ)ト〈明治26年 -昭和52年〉は、上川アイヌの長で、日本国有鉄道の測量技手。アイヌ文化の啓発・普及にも寄与した。国鉄退職後は川村カ子トアイヌ記念館の館長、旭川アイヌ民族史跡保存会長、旭川アイ…

第1073話 てるてる坊主

序文・あした天気にしておくれ 堀口尚次 てるてる坊主は、日本の風習の一つである。照る照る坊主とも表記される。翌日の晴天を願い、白い布や紙で作った人形を軒先に吊るすもので、「てるてる法師」、「てれてれ坊主」、「日和(ひより)坊主」、「てれれ坊主…

第1070話 大仏を建立した永田佐吉

序文・佐吉大仏 堀口尚次 永田佐吉〈元禄14年 - 寛政元年〉は、美濃国羽栗郡竹ヶ鼻村〈現・岐阜県羽島市〉出身の豪商、人徳者。別名・仏佐吉。号は覚翁、実道。 貧しい農民の子として生まれる。幼くして両親と死別、継母に育てられる。10歳の頃、尾張国名古…

第1067話 四日市の大入道

序文・大坊主 堀口尚次 大入道(おおにゅうどう)は、日本各地に伝わる妖怪。 名称は大きな僧の意味だが、地方によって姿は実体の不明瞭な影のようであったり、僧ではなく単に巨人であったり、様々な伝承がある。坊主〈僧〉姿のものは大坊主ともいう。また大き…

第1066話 日本最大級の徳山ダムと消えた徳山村

序文・徳山湖(浜名湖の約二倍)の出現 堀口尚次 徳山ダムは、岐阜県揖斐郡揖斐川町、一級河川・木曽川水系揖斐川最上流部に建設されたロックフィルムダム。独立行政法人水資源機構が管理する多目的ダムである。 日本最大級のダムであり、総貯水容量6億6,000…

第1064話 中島みゆきの祖父「中島武市」

序文・地元を忘れなかった 堀口尚次 中島武市(ぶいち)〈明治30年 - 昭和53年〉は、日本の実業家・政治家。岐阜県本巣郡土貴野村〈現在:本巣市〉出身。岐阜市立岐阜商業学校〈現在の岐阜県立岐阜商業高等学校の前身〉卒業。シンガーソングライターの中島みゆ…

第1061話 手締め

序文・御手を拝借 堀口尚次 手締めとは日本の風習の一つで物事が無事に終わったことを祝って、その関係者が掛け声とともにリズムを合わせて打つ手拍子である。手打ちともいう。祭や冠婚葬祭などの式典、商談や株主総会などの終わりに行われる。 祝いの席で使…

第1060話 三三七拍子

序文・実は四四八拍子 堀口尚次 三三七拍子は、明治大学應援團で考案された応援様式であり、全国に幅広く普及している日本の代表的な応援技法のひとつである。 初代団長・相馬基(もとい)が考案し、大正10年に行われた早稲田大学との対抗試合で初めて披露され…

第1059話 ジェノサイド

序文・大量虐殺 堀口尚次 ジェノサイドは、政治共同体、人種、民族、または宗教集団を意図的に破壊することである。ジェノサイド条約第2条によれば、政治共同体の、人種的、民族的、宗教的な集団の全部または一部を破壊する意図をもって行われる行為のことで…

第1057話 鞍馬天狗

序文・牛若丸に剣術を教えた 堀口尚次 鞍馬天狗は、鞍馬山の奥、僧正ヶ谷に住むと伝えられる大天狗である。別名、鞍馬山僧正坊。 大天狗は、強力な神通力を持つとされる天狗である。さまざまな説があるが善悪の両面を持つ妖怪もしくは神とされ、優れた力を持…

第1056話 力水

序文・清めの水 堀口尚次 力水(ちからみず)は、大相撲における儀式の一つで、力士が土俵に上がったときに他の力士から渡される清めの水で、神聖な土俵に上がる時に身を清めるために使われる。原則として十両以上の取組で使用する。 水桶を白房下(しろぶさし…

第1055話 信楽高原鐡道列車衝突事故

序文・起こるべくして起きた事故 堀口尚次 信楽高原鐵道列車衝突事故は、滋賀県を走る信楽高原鐡道信楽線において発生した列車衝突事故。信楽高原鐵道の車両と、直通運転で乗り入れていた西日本旅客鉄道〈JR西日本〉の車両が正面衝突した。 1991年5月14日10…

第1054話 移植に耐えた「荘川桜」

序文・ダムの底に沈んだ村からの移植 堀口尚次 荘川(しょうかわ)桜は、岐阜県高山市荘川町中野〈旧荘川村〉の国道156号沿い、御母衣(みぼろ)ダム湖岸に移植された樹齢450年と推定される2本のエドヒガン〈サクラ〉の古木。ごく淡いピンク色の花弁とごつごつし…

第1052話 黒部川第四発電所「黒四ダム」

序文・171人の殉職者 堀口尚次 黒部ダムは、富山県東部の中新川郡立山町を流れる黒部川水系の黒部川に建設された水力発電専用のダムである。昭和31年着工、太田垣士郎指揮の下、171人の殉職者を出し7年の歳月をかけて、1961年1月に送電を開始 し、昭和38年6…

第1051話 番町皿屋敷

序文・いちまーい にまーい 堀口尚次 皿屋敷は、お菊の亡霊が井戸で夜な夜な「いちまーい、にまーい... 」と皿を数える情景が周知となっている怪談話の総称。播州姫路が舞台の『播州皿屋敷』、江戸番町が舞台の『番町皿屋敷』が広く知られる。 日本各地にそ…

第1047話 「こいのぼり」の悲しい風習

序文・武家と尚武 堀口尚次 こいのぼり〈鯉幟〉は、日本の風習で、江戸時代に武家で始まった端午の節句に男児の健やかな成長を願って家庭の庭先に飾る鯉の形に模して作ったのぼり。紙・布・不織布などに鯉の絵柄を描いたもので、風を受けてたなびくようにな…

第1046話 五行思想

序文・自然哲学 堀口尚次 五行(ごぎょう)思想または五行説とは、古代中国に端を発する自然哲学の思想。万物は火・水・木・金・土〈七曜(しちよう)=肉眼で見える惑星を五行と対応させた火星・水星・木星・金星・土星と、日→太陽・月→太陰 を合わせた7つの天…