ホリショウのあれこれ文筆庫

歴史その他、気になった案件を綴ってみました。

その他

第1033話 保安官

序文・西部劇でおなじみ 堀口尚次 保安官は、アメリカ合衆国の公安職。その所掌範囲は設置者によって異なるが、裁判所の警備、刑務所の警備、被疑者・収監者等の移送、民事執行、陪審員に対する召喚状送達ほかの行政上・司法上の事務も行う。 アメリカ合衆国…

第1031話 ギャング「アル・カポネ」

序文・密造酒 堀口尚次 アル・カポネ(1899年 - 1947)は、アメリカ合衆国のギャング。禁酒法時代のシカゴで、高級ホテルを根城に酒の密造・販売・売春業・賭博業の犯罪組織を運営し、機関銃を使った機銃掃射まがいの抗争で多くの死者を出したことでも知られ…

第1027話 月代と丁髷

序文・兜との関係 堀口尚次 月代(さかやき)とは、江戸時代以前の日本にみられた成人男性の髪型において、前頭部から頭頂部にかけての、頭髪を剃りあげた〈抜き上げた〉部分を指す。さかやきを剃った髪型のことは、野郎頭や半髪頭と表現される。 兜を被った際…

第1023話 マフィア

序文・ゴットファーザー 堀口尚次 マフィアは、イタリアのシチリア島を起源とする組織犯罪集団である。19世紀から恐喝や暴力により勢力を拡大し、1992年段階では186グループ〈マフィアのグループは「ファミリー」と呼ばれる〉・約4,000人の構成員がいる。 マ…

第1021話 昭和の天一坊・堀川辰吉郎

序文・明治天皇の御落胤 堀口尚次 堀川辰吉郎、明治24年 - 昭和41年は、日本の実業家、大アジア主義者、世界連邦主義者。俗に出口王仁三郎〈新宗教「大本」の二大教祖の一人〉の黒幕、大アジア主義者と称する怪シナ浪人などと呼ばれ、西園寺公望や明治天皇の…

第1020話 「マンネンさ」こと森田萬右衛門

序文・風紀改善 堀口尚次 森田萬右衛門(まんえもん)〈嘉永5年 - 昭和9年〉は、尾張国知多郡富貴村〈現・愛知県武豊町〉出身の篤農家。地元では親しみを込めて「マンネンさ」と呼ばれる。 嘉永5年、百姓である森田浦蔵の長男として生まれた。幼名は亀太郎。富…

第1016話 列車から転落した宮城道雄

序文・謎の転落死 堀口尚次 宮城道雄〈明治27年 - 昭和31年〉は、日本の作曲家・筝曲家である。兵庫県神戸市生まれ。旧姓は菅(すが)。十七絃の開発者としても知られる。大検校(けんぎょう)〈盲人の最高位〉であったため、広く『宮城検校』と呼ばれた。 明治2…

第1015話 日本のエジソン「加藤与五郎」

序文・カセットテープの生みの親 堀口尚次 加藤与五郎〈明治5年-昭和42年〉は、日本の化学者・工学者・理学博士・東京工業大学名誉教授・文化功労者・軽井沢町名誉町民・刈谷市名誉市民。「フィライトの父」や「日本のエジソン」などと呼ばれる。 明治5年、…

第1013話 案山子と鹿威し

序文・害獣対策 堀口尚次 案山子(かかし)は、田や畑などの中に設置して、作物を荒らす鳥などの害獣を追い払うための田畑に立てる竹やわらなどで作った人形やそれに類するなんらかの仕掛けである。地域によっておどし、そうずなどさまざまな異称がある。 「か…

第1010話 忍者・手裏剣・くの一

序文・仮面の忍者赤影 堀口尚次 「忍者」は、室町時代から江戸時代の日本で、大名や領主に仕え、また独立して諜報活動、破壊活動、浸透戦術、謀術、暗殺などを仕事としていたとされる。忍者は昭和30年代以降、小説などに使われて普及した呼称である。いわゆ…

第1009話 哲学者・思想家「キェルケゴール」

序文・実在主義の創始者 堀口尚次 セーレン・オービュ・キェルケゴール〈1813年 - 1855年〉は、デンマークの哲学者、思想家。今日では一般に実存主義の創始者、ないしはその先駆けと評価されている。 実存主義とは、人民の実存を哲学の中心におく思想的立場…

第1006話 わび・さび

序文・日本の美意識 堀口尚次 わび・さび〈侘《び》・寂《び》〉は、慎ましく、質素なものの中に、奥深さや豊かさなど「趣」を感じる心、日本の美意識。美学の領域では、狭義に用いられて「美的性格」を規定する概念とみる場合と、広義に用いられて「理想概…

第1004話 熊沢天皇

序文・自称天皇 堀口尚次 熊沢寛道(ひろみち)〈明治22年 - 昭和41年〉は日本の皇位僭称(せんしょう)〈本人の身分を越えた地位称号を名乗ること〉者。熊沢天皇の呼称で知られる。戦前は皇位や皇族を僭称することは不敬罪として処罰対象であったが、GHQ体制下…

第1000話 「蜘蛛の糸」伝説・福恩寺

序文・埋め立てられた大池 堀口尚次 過日所用で名古屋市中区の地下鉄上前津(かみまえづ)駅を下車した際、千代田2丁目の福恩寺に立ち寄った。真宗大谷派のこじんまりした寺院だが、本堂は閉ざされていた。境内に真っ二つに切断された跡のある石碑があり、読み…

第999話 しっぺい太郎と「しっぺがえし」

序文・竹の杖 堀口尚次 しっぺい太郎は、魔物退治の犬である。日本各地の猿神退治の昔話に登場する。 粗筋は『村の神に娘を人身御供にせねばならない慣習があり、通りすがりの旅人が干渉する。 生贄を食らう〈猿の〉魔物たちが「〈遠国の〉しっぺい太郎に知…

第996話 ういろう

序文・外郎 堀口尚次 ういろう〈漢字表記・外郎〉は蒸し菓子で和菓子の一種。「外良」「ういろ」「うゐろ」「ういらう」などの表記が用いられることもある。外郎餅(ういろうもち)とも言う。 ういろうは、典型的には米粉などの穀粉に砂糖と湯水を練り合わせ、…

第994話 孝婦とら

序文・親孝行娘は殿様を動かした 堀口尚次 「三河の金次郎像全調査」という本に接する機会があった。その中に「孝婦とら」という像が紹介されており興味をもった。また、とらの生家あとに「孝婦碑」が建っており、碑文は以下の通りだ。 『虎は三河の国額田郡…

第993話 龍亀大菩薩・お亀さん

序文・大海龍大神の化身 堀口尚次 知多郡南知多町の知多四国霊場・浄土寺に「お亀さん」伝説が伝わる。お寺にある「お亀さん由来記」は以下の通り。 『明治四十二年九月十日、早朝 体重一八〇cm幅一一〇cm重さ約二百kgのアカウミガメが当地の海岸に打…

第991話 刈谷に残る「牛石」伝説

序文・薬師如来のつかい 堀口尚次 愛知県刈谷市の松雲院の墓地片隅に「牛石(うしいし)」伝説の碑と「頭と胴といわれる二つの石」が残る。元々は少し北西の薬師堂境内にあったが、薬師堂廃止と共にこちらに移されたようだ。 西三河と知多半島北東地区近辺の昔…

第987話 無主地

序文・領土問題 堀口尚次 無主地(むしゅち)とは、所有者の定まっていない土地のことである。主に国際法と日本史の分野で用いられるが、その土地に対する法律などは大変複雑である。 国際法における無主地は、どの国にも領有されていない土地を指す。国際法に…

第984話 サクラ(おとり)

序文・他人につられる心理学 堀口尚次 サクラとは、イベント主催者や販売店に雇われて客や行列の中に紛れ込み、特定の場面やイベント全体を盛り上げたり、商品の売れ行きが良い雰囲気を偽装したりする者を指す隠語。当て字で偽客とも書く。 本来は江戸時代に…

第983話 タコメーターとレッドゾーン

序文・今や死語 堀口尚次 タコメーター〈アメリカ英語、回転速度計〉は、機器において軸の回転数〈回転速度〉を指示する計器、測定器であり、回転計の一種。「タコメーター」はアメリカ英語: tachometerの日本語表記。tacho〈タコ〉とは速度を意味するギリシ…

第977話 「年魚市潟」と「あゆち水」

序文・愛知県と「あゆち」 堀口尚次 年魚市潟(あゆちがた)とは、かつて現在の愛知県名古屋市の大半が海や干潟だった頃、鳴海から熱田にかけての干潟の名称。 古代の尾張国南東部〈現在の愛知県名古屋市熱田区から南区にかけての地域〉は「年魚市(あゆち)」と…

第970話 オロナインとオロナミン

序文・オロナイトから 堀口尚次 オロナインH軟膏(なんこう)は、大塚製薬工場が製造、大塚製薬が販売する皮膚用抗菌軟膏材薬〈第二種医薬品〉である。 オロナインの原点となったのはアメリカ合衆国の製薬会社・オロナイトケミカルが製造した殺菌用消毒剤であ…

第966話 因幡の白兎

序文・兎を助けた神様 堀口尚次 因幡の白兎とは、日本神話〈古事記〉に出てくるウサギ、または、このウサギの出てくる物語の名。 この説話は、「大国主(おおくにぬし)の国づくり」の前に、なぜ他の兄弟神をさしおいて大国主が国をもったかを説明する一連の話…

第965話 松雲院に伝わる「恩田の初蓮」

序文・殿様を化かした白狐 堀口尚次 松雲院(しょううんいん)は、愛知県刈谷市恩田(おんだ)町3丁目151-8にある曹洞宗の寺院。山号は医王山。本尊は文殊菩薩。 三河国額田郡柿平村〈現在の愛知県岡崎市〉にいた恩田弥兵治郎源清信は、碧海郡小山村林之内〈現在…

第963話 民謡「おばば」発祥の地

序文・お寺に嫁いだ殿様の姉 堀口尚次 「おばば」は、岐阜県に伝わる民謡。古くから祝宴の唄として知られる。 一説によると、天文10年揖斐城主・堀池備中守の姉・お政が上善明寺・春浄に嫁いで生まれた初孫の誕生を町中が喜び、お婆々さまとなられた坊守(ぼ…

第961話 助六

序文・定番寿司 堀口尚次 『助六』は、歌舞伎の演目の一つの通称。本(ほん)外題(げだい)は主役の助六を務める役者によって変わる。江戸の古典歌舞伎を代表する演目のひとつ。「粋」を具現化した洗練された江戸文化の極致として後々まで日本文化に決定的な影響…

第960話 モラル・ハザード

序文・人間の真価 堀口尚次 モラル・ハザードは、倫理の欠如。倫理観や道徳的節度がなくなり、社会的な責任を果たさないこと〈「バレなければよい」という考えが醸成されるなど〉。 この「倫理の欠如」という意味でのモラル・ハザードは、英語のmoral hazard…

第958話 同じ穴のムジナ

序文・人を化かすタヌキ 堀口尚次 ムジナ〈貉、狢〉とは、主にアナグマのことを指す。時代や地方によってはタヌキやハクビシンを指したり、これらの種をはっきり区別することなくまとめて指している場合もある。この混乱は、「マミ」のような地方名を交えて…