ホリショウのあれこれ文筆庫

歴史その他、気になった案件を綴ってみました。

2024-01-01から1年間の記事一覧

第1029話 平家の落人

序文・八つ墓村は違う 堀口尚次 平家の落人(おちゅうど)とは、治承・寿永の乱〈源平合戦〉において敗北した結果、山間部などの僻地に隠遁した平家側の敗残兵などの生き残りのこと。平家の一門やその郎党、平家方の戦いに与した者が挙げられる。平家の落武者…

第1028話 パン祖・世直し大明神こと江川英龍

序文・西洋式のパンを焼いた幕臣 堀口尚次 江川英龍(ひでたつ)〈享和元年-安政2年〉は、江戸時代後期の幕臣で伊豆韮山代官。通称の太郎左衛門、号の坦庵(たんあん)の呼び名で知られている。韮山では坦庵と書いて「たんなん」と読むことが多い。 日本列島周辺…

第1027話 月代と丁髷

序文・兜との関係 堀口尚次 月代(さかやき)とは、江戸時代以前の日本にみられた成人男性の髪型において、前頭部から頭頂部にかけての、頭髪を剃りあげた〈抜き上げた〉部分を指す。さかやきを剃った髪型のことは、野郎頭や半髪頭と表現される。 兜を被った際…

第1026話 改易・お家取り潰しの福島正則

序文・豊臣秀吉の従兄弟 堀口尚次 福島正則は、安土桃山時代から江戸時代前期にかけての日本の武将で、大名。賤ケ岳の七本槍、七将の一人としても知られている。安芸国広島藩主、後に信濃高井野藩の初代藩主。 永禄4年、市松〈幼名〉は尾張国海東郡二ツ寺村…

第1025話 関東庁と関東軍

序文・中国東北部関東州 堀口尚次 関東庁は、関東州の租借地の統治にあたっていた日本の植民地民政機関。大正8年に軍政機関であった関東都督府が廃止され、その陸軍部が関東軍司令部、民政部が関東庁へ改組されたのに始まる。満州国成立後の1934年に在満洲大…

第1024話 鷽替え

序文・天神様の風習 堀口尚次 鷽替(うそか)えとは、主に菅原道真を祭神とする神社〈天満宮〉において行われる特殊神事である。鷽〈ウソ〉が嘘〈うそ〉に通じることから、前年にあった災厄・凶事などを嘘とし、本年は吉となることを祈念して行われる。 元来は…

第1023話 マフィア

序文・ゴットファーザー 堀口尚次 マフィアは、イタリアのシチリア島を起源とする組織犯罪集団である。19世紀から恐喝や暴力により勢力を拡大し、1992年段階では186グループ〈マフィアのグループは「ファミリー」と呼ばれる〉・約4,000人の構成員がいる。 マ…

第1022話 廷臣八十八卿列参事件

序文・公家vs幕府 堀口尚次 廷臣八十八卿(きょう)列参事件は、安政5年に日米修好通商条約締結の勅許打診を巡って発生した、公家による抗議行動事件である。 日米修好通商条約締結にあたり、幕府は水戸藩を中心とした攘夷論を抑えるために孝明天皇の勅許を得…

第1021話 昭和の天一坊・堀川辰吉郎

序文・明治天皇の御落胤 堀口尚次 堀川辰吉郎、明治24年 - 昭和41年は、日本の実業家、大アジア主義者、世界連邦主義者。俗に出口王仁三郎〈新宗教「大本」の二大教祖の一人〉の黒幕、大アジア主義者と称する怪シナ浪人などと呼ばれ、西園寺公望や明治天皇の…

第1020話 「マンネンさ」こと森田萬右衛門

序文・風紀改善 堀口尚次 森田萬右衛門(まんえもん)〈嘉永5年 - 昭和9年〉は、尾張国知多郡富貴村〈現・愛知県武豊町〉出身の篤農家。地元では親しみを込めて「マンネンさ」と呼ばれる。 嘉永5年、百姓である森田浦蔵の長男として生まれた。幼名は亀太郎。富…

第1019話 板垣退助の窮地を救った内藤魯一

序文・板垣退助の秘書 堀口尚次 内藤魯一(ろいち)〈弘化3年 - 明治44〉は、幕末から明治にかけて活躍した自由民権運動家。衆議院議員〈立憲政友会〉。 弘化3年、陸奥国福島〈現在の福島県福島市〉に生まれた。内藤家は福島藩士の家であり、代々普代大名・板…

第1018話 松前藩家老で画家「蠣崎波響」

序文・天皇も見た絵 堀口尚次 蠣崎波響(かきざきはきょう)/蠣崎広年は、江戸時代後期の画家、松前藩家老。松前藩12代藩主・松前資広(すけひろ)の五男に生まれる。 波響が生まれた翌年に父が亡くなり、兄の道広が藩主を継いだ。翌年に波響は、家禄五百石で藩…

第1017話 「暁に祈る」事件

序文・シベリア抑留リンチ事件 堀口尚次 「暁に祈る」事件は、第二次世界大戦終結後の1940年代後半、ソ連軍によるシベリア抑留の収容所において、日本人捕虜の間で起きたとされるリンチ事件。リンチの指示を行ったとされる人物が、日本への帰国後に逮捕・起…

第1016話 列車から転落した宮城道雄

序文・謎の転落死 堀口尚次 宮城道雄〈明治27年 - 昭和31年〉は、日本の作曲家・筝曲家である。兵庫県神戸市生まれ。旧姓は菅(すが)。十七絃の開発者としても知られる。大検校(けんぎょう)〈盲人の最高位〉であったため、広く『宮城検校』と呼ばれた。 明治2…

第1015話 日本のエジソン「加藤与五郎」

序文・カセットテープの生みの親 堀口尚次 加藤与五郎〈明治5年-昭和42年〉は、日本の化学者・工学者・理学博士・東京工業大学名誉教授・文化功労者・軽井沢町名誉町民・刈谷市名誉市民。「フィライトの父」や「日本のエジソン」などと呼ばれる。 明治5年、…

第1014話 軍師・黒田官兵衛

序文・軍事参謀 堀口尚次 黒田孝高(よしたか)は、播磨国の姫路生まれで戦国時代から江戸時代初期にかけての武将・軍師。キリシタン大名でもあった〈洗礼名はドン・シメオン〉。戦国の三英傑に重用され、筑前国福岡藩祖となる。 諱〈実名』は初め祐隆(すけた…

第1013話 案山子と鹿威し

序文・害獣対策 堀口尚次 案山子(かかし)は、田や畑などの中に設置して、作物を荒らす鳥などの害獣を追い払うための田畑に立てる竹やわらなどで作った人形やそれに類するなんらかの仕掛けである。地域によっておどし、そうずなどさまざまな異称がある。 「か…

第1012話 源氏長者

序文・名誉と権威 堀口尚次 源氏長者(げんじのちょうじゃ)は、源氏一族全体の氏長者の事を指す。原則として源氏のなかでもっとも官位が高い者が源氏長者となる〈現任上首〉。源氏のなかでの祭祀、召集、裁判、氏爵(うじのしゃく)〈朝廷において行われた氏の…

第1011話 鎌倉悪源太こと「源義平」

序文・源頼朝の兄 堀口尚次 源義平(よしひら)は、平安時代末期の武将。源義朝の庶長子(しょちょうし)〈正室以外の子で長男〉。通称は鎌倉悪源太〈悪源太、鎌倉源太とも〉。母は京都郊外の橋本の遊女または三浦義明の娘であり、源頼朝・義経らの異母兄にあた…

第1010話 忍者・手裏剣・くの一

序文・仮面の忍者赤影 堀口尚次 「忍者」は、室町時代から江戸時代の日本で、大名や領主に仕え、また独立して諜報活動、破壊活動、浸透戦術、謀術、暗殺などを仕事としていたとされる。忍者は昭和30年代以降、小説などに使われて普及した呼称である。いわゆ…

第1009話 哲学者・思想家「キェルケゴール」

序文・実在主義の創始者 堀口尚次 セーレン・オービュ・キェルケゴール〈1813年 - 1855年〉は、デンマークの哲学者、思想家。今日では一般に実存主義の創始者、ないしはその先駆けと評価されている。 実存主義とは、人民の実存を哲学の中心におく思想的立場…

第1008話 鍵屋の辻の決闘

序文・外様大名vs旗本 堀口尚次 鍵屋の辻の決闘は、寛永11年11月7日に渡辺数馬と荒木又右衛門が数馬の弟の仇である河合又五郎を伊賀国上野の鍵弥の辻〈現三重県伊賀市小田町〉で討った事件。伊賀越の仇討ちとも言う。 後世に歌舞伎や講談などの題材となった…

第1007話 ジラード事件

序文・密約 堀口尚次 ジラード事件は、昭和32年、群馬県群馬郡相馬村〈現・榛東村〉で在日米軍兵士・ウィリアム・S・ジラードが日本人主婦を射殺した事件。日本に裁判権がみとめられたが、のちに日米合同委員会で裁判権や刑罰について密約があったことが明…

第1006話 わび・さび

序文・日本の美意識 堀口尚次 わび・さび〈侘《び》・寂《び》〉は、慎ましく、質素なものの中に、奥深さや豊かさなど「趣」を感じる心、日本の美意識。美学の領域では、狭義に用いられて「美的性格」を規定する概念とみる場合と、広義に用いられて「理想概…

第1005話 蘇民将来

序文・スサノオをもてなした 堀口尚次 蘇民将来(そみんしょうらい)は、備後国風土記に記された人物であり、日本各地に伝わる説話、およびそれを起源とする民間信仰となっている。こんにちでも「蘇民将来」と記した護符は、日本各地の国津神(くにつかみ)系の…

第1004話 熊沢天皇

序文・自称天皇 堀口尚次 熊沢寛道(ひろみち)〈明治22年 - 昭和41年〉は日本の皇位僭称(せんしょう)〈本人の身分を越えた地位称号を名乗ること〉者。熊沢天皇の呼称で知られる。戦前は皇位や皇族を僭称することは不敬罪として処罰対象であったが、GHQ体制下…

第1003話 「残念様」こと木村重成

序文・豊臣秀頼の小姓 堀口尚次 木村重成は、安土桃山時代から江戸時代初期にかけての武将。豊臣家の家臣。知行3千石。豊臣秀頼の乳母の子ということから、秀頼とほぼ同年齢であったとみられる。父と兄は豊臣秀次に仕えていたため秀次事件に連座して自害させ…

第1002話 自刃に追い込まれた豊臣秀次

序文・関白まで上り詰めたのに 堀口尚次 豊臣秀次または羽柴秀次は、戦国時代から安土桃山時代にかけての武将、大名。豊臣氏の第2代関白。豊臣秀吉の姉である瑞竜院日秀の長男。 幼少時、戦国大名・浅井長政の家臣・宮部継潤が秀吉の調略に応じる際に人質と…

第1001話 時効

序文・罪は一生消えない 堀口尚次 時効とは、ある出来事から一定の期間が経過したことを主な法律要件として、現在の事実状態が法律上の根拠を有するものか否かを問わず、その事実状態に適合する権利または法律関係が存在すると扱う制度、あるいはそのように…

第1000話 「蜘蛛の糸」伝説・福恩寺

序文・埋め立てられた大池 堀口尚次 過日所用で名古屋市中区の地下鉄上前津(かみまえづ)駅を下車した際、千代田2丁目の福恩寺に立ち寄った。真宗大谷派のこじんまりした寺院だが、本堂は閉ざされていた。境内に真っ二つに切断された跡のある石碑があり、読み…