ホリショウのあれこれ文筆庫

歴史その他、気になった案件を綴ってみました。

江戸時代

第426話 福助人形の生い立ち

序文・江戸の商売人の鏡 堀口尚次 福助人形は、幸福を招くとされる縁起人形。正座をした男性で、大きな頭とちょんまげが特徴。頭が大きな人の比喩にも用いられる。 元々は、文化元年頃から江戸で流行した福の神の人形叶(かのう)福助。願いを叶えるとして茶屋…

第425話 旗本奴と奴凧と冷奴

序文・江戸官僚の馬鹿息子が始めた 堀口尚次 旗本奴(やっこ)は、江戸時代前期の江戸に存在した、旗本の青年武士やその奉公人、およびその集団、かぶき者である。派手な異装をして徒党を組み、無頼をはたらいた。代表的な旗本奴は、水野十郎左衛門。代表的な…

第422話 日ロ友好の魁・高田屋嘉兵衛

序文・水面下での民間人の活躍 堀口尚次 高田屋嘉兵衛(かへえ)は、江戸時代後期の廻船業者、海商である。淡路島で生まれ、兵庫津に出て船乗りとなり、後に廻船商人として蝦夷地・箱館に進出する。国後島・択捉島間の航路を開拓、漁場運営と廻船業で巨額の財…

第420話 高家肝煎の旗本・吉良上野介

序文・官位が高い旗本 堀口尚次 吉良義央(きらよしなか)は、江戸時代前期の高家(こうけ)〈儀式や典礼を司る役職〉旗本〈高家肝煎(きもいり)=高家の上位〉。元禄赤穂事件の中心人物の一人として著名。題材をとった創作作品『忠臣蔵』では敵役として描かれる…

第412話 武士道と云ふは死ぬ事と見付けたり

序文・武士は食わねど高楊枝 堀口尚次 武士道とは、日本の近世以降の封建社会における武士階級の倫理・道徳規範及び価値基準の根本をなす、体系化された思想一般をさし、広義には日本独自の常識的な考え方を指す。ただし明確な定義は無く、時代のほか、身分…

第411話 異例の出世「側用人・柳沢吉保」

序文・旗本最高位 堀口尚次 柳沢吉保(よしやす)は、江戸時代前期の幕府側用人・譜代大名。第5代将軍徳川綱吉の寵愛を受けて、元禄時代には大老格として幕政を主導した。王朝文化への憧憬(しょうけい)を強く抱いた文化人でもあり、江戸に六義園(りくぎえん)を…

第407話 御附家老の本音と建前

序文・社外取締役 堀口尚次 御附家老(おつけかろう)は、江戸幕府初期、将軍家の連枝(れんし)〈親戚〉を大名として取り立てた際に、特に将軍から直接の命令を受けてその者の家老に附属された家臣のことをいう。江戸時代には、将軍から附けられたことから「御…

第406話 参勤交代した旗本

序文・大名ではないが参勤交代した 堀口尚次 交代寄合(こうたいよりあい)は、江戸幕府における旗本の家格の一つ。広義の寄合(よりあい)〈3,000石以上の上級旗本無役者・布衣(ほい)=旗本下位の衣装 以上の退職者〉に含まれる。江戸定府(じょうふ)〈在住〉の…

第405話 参勤交代

序文・した~に した~に 堀口尚次 参勤交代とは、江戸時代において各藩の藩主である大名や交代寄合(よりあい)〈旗本の家格の一つで広義の寄合に含まれる。江戸定府(じょうふ)〈定住〉の旗本寄合に対して、所領に住み江戸へ参勤交代を行う寄合〉を交替で江戸…

第390話 大岡忠相こと「大岡越前」

序文・越前とは何のかかわりもない愛知県岡崎の藩主 堀口尚次 大岡忠相(ただすけ)は、江戸時代中期の幕臣・大名。大岡忠世家の当主で、西大平藩〈現愛知県岡崎市〉初代藩主。8代将軍・徳川吉宗が進めた享保の改革を町奉行として支え、江戸の市中行政に携わっ…

第389話 遠山景元こと「遠山の金さん」

序文・老中水野忠邦に睨まれる 堀口尚次 遠山景元(かげもと)は、江戸時代の旗本。幼名は通之進、通称は実父と同じ金四郎。官位は従五位下(じゅごいのげ)左衛門少尉(さえもんしょうじょう)。管職は、江戸北町奉行、大目付、後に江戸南町奉行。テレビドラマ〈…

第332話 堀直虎の義

序文・諫死という選択 堀口尚次 堀直虎は、江戸時代末期〈幕末〉の大名。信濃須坂藩の第13代藩主。信濃須坂家13代。1万石の小藩であり、しかも外様大名でありながら譜代大名に準ずる待遇を求めたが受け入れられなかった。しかしながら直虎は、家老ら41人を粛…

第264話 徳川氏の母体・松平氏

序文・葵の御門は松平の証 堀口尚次 松平氏は、室町時代に興った三河国加茂郡松平郷〈愛知県豊田市松平町〉の在地の小豪族であり、後に江戸幕府の征夷大将軍家となった徳川氏の母体である。室町時代は伊勢氏の被官(ひかん)〈下級役人〉として活躍した。江戸…

第242話 明治維新前からあった廃仏毀釈

序文・神仏分離が拡大解釈されてしまった 堀口尚次 「廃仏毀釈」とは、大政奉還後に成立した新政府により、慶応4年に発せられた太政官布告〈通称「神仏分離令」〉、および明治3年に出された詔書「大教宣布」などの政策を拡大解釈し、暴走した民衆をきっかけ…

第238話 東照大権現・神様になった徳川家康

序文・日光東照宮に祀られたのは家康の遺言だった 堀口尚次 権現(ごんげん)は、日本の神の神号の一つ。日本の神々を仏教の仏や菩薩が仮の姿で現れたものとする本地垂迹思想による神号である。権という文字は「権大納言」などと同じく「臨時の」「仮の」とい…

第197話 お代官様~

序文・お主も悪よの~ 堀口尚次 江戸時代、幕府の代官は郡代〈通常の代官より位が高く、比較的広域の幕府領を支配する代官のこと〉と共に、勘定奉行の支配下におかれ小禄の旗本の知行地と天領〈幕府直轄地〉を治めていた。初期の代官職は世襲であることが多…

第153話 水戸黄門なんて人はいない

序文・あの紋所は大勢持っていたぞ~ 堀口尚次 徳川光圀(みつくに)は、徳川御三家・水戸藩の第2代藩主。官位が権中納言であり、権中納言の唐名が「黄門」であることから、水戸藩の黄門で「水戸黄門」となったが、正式な呼び名は『徳川権中納言光圀』である。…

第140話 参勤交代と大名行列

序文・大名行列の中には、大名でない旗本もいたのだ。 堀口尚次 参勤交代とは、江戸時代において各藩の主である大名や交代寄合〈江戸定府でなく所領に住む旗本〉を交替で江戸に出仕させる制度。 全国250以上ある大名家が2年ごとに江戸に参覲し、1年経ったら…

第126話 シャムへ渡った山田長政

序文・シャムの地方国王にまでなった日本人が江戸時代前期にいた 堀口尚次 山田長政(ながまさ)は、江戸時代前期にシャム(現在のタイ)の日本人町を中心に東南アジアで活躍した人物。通称は仁左衛門(にざえもん)。出生は駿河国とされるが、伊勢国や尾張国と…

第121話 濡れ衣事件の「蛮社の獄」とは

序文・どうやら濡れ衣事件である事が濃厚だ。幕府の言論弾圧だから仕方ないか・・ 堀口尚次 蛮社(ばんしゃ)の獄とは、天保10年に起きた言論弾圧事件だ。高野長英、渡辺崋山などが、モリソン号事件と江戸幕府の鎖国政策を批判したため、捕らえられて獄に繋が…

第101話 江戸時代中期の尊王論者弾圧事件

序文・尊王論者弾圧とは、公家の勢力争いだった。 堀口尚次 宝暦事件は、江戸時代中期に尊王論者が弾圧された最初の事件。首謀者と目された人物の名前から竹内式部一件(たけのうちしきぶいっけん)とも呼ばれる。江戸時代中期、幕府から朝廷運営の一切を任…

第97話 江戸時代の義民伝説

序文・いつの時代にも「任侠道の如く、強気を挫き弱気を助く」の人がいたのだ。 堀口尚次 義民(ぎみん)とは、民衆のため一身を捧げた人をいう。飢餓などで人々が困窮しているときに一揆の首謀者などとなって私財や生命を賭して活躍した百姓の事。主に江戸時…

第75話 忠臣蔵

序文・「忠臣」の大石内「蔵」助。 堀口尚次 「第74話 江戸時代の身分制度と家格」でも取り上げた「忠臣蔵」について詳しく綴(つづ)りたい。 赤穂(あこう)藩は、播磨国(はりまのくに)赤穂郡(現在の兵庫県赤穂市)にあり、藩主の「浅野内匠頭(たくみのかみ)…

第74話 江戸時代の身分制度と家格

序文・身分制度はどのように細分化されたのか、調べてみました。 堀口尚次 「士(武士)・農(百姓)・工(職人)・商(商人)・穢多(えた)・非人」と習いましたが、公家と僧侶・神官や医者などが抜け落ちている。「士」は支配身分、「農」は農民(漁業や林…

第70話 江戸幕府の役職と官位

序文・「肥後守(ひごのかみ)」と云えば、小刀の事だが、本来は肥後の国(熊本)の長官という官位でした。 堀口尚次 江戸幕府の幕藩体制では、将軍の直臣(じきしん)=直属の家臣・直参(じきさん)ともいう として旗本(はたもと)と御家人(ごけにん)がおり、親…

第65話 名君・上杉鷹山

序文・米沢藩主・上杉鷹山は江戸時代に藩政改革を成し遂げた、稀有な名君である。 堀口尚次 ケネディがアメリカ大統領に就任した際に、日本で一番尊敬する人を聞かれて「上杉鷹山(ようざん)」の名を挙げたという逸話がある。 上杉治憲(はるのり)は米沢藩の藩…

第48話 郡上踊りの哀しい歴史

序文・盆踊りの「郡上節・かわさき」に隠された哀しみがありました。 堀口尚次 「郡上節の 耳なれし曲 哀しみの 過去唄えるに 今気づきたり」この短歌は、私の母親が詠(うた)ったものだ。これに興味を懐(いだ)き調べてみる事にした。 郡上踊り「かわさき」の…

第27話 廃仏毀釈と三河大浜騒動

序文・「廃仏毀釈」は明治政府の政策ではなく、神仏分離令や 神道国教化政策から起きた「現象」にすぎなかった。 堀口尚次 明治維新時に三河鷲塚(現・愛知県碧南市)で、廃仏毀釈に端を発した、浄土真宗・僧侶や門徒と、当時鷲塚を所領していた菊間藩(大浜…

第17話 元大坂町奉行与力・大塩平八郎の乱

序文・日本史の教科書に出てきましたが、気になる人物だったので書籍を読んだついでに筆を執りました。今の政治家・官僚にはいないですなぁ~ 堀口尚次 江戸時代後期の儒学・陽明学者(儒学の一派)で元大坂町奉行・与力の大塩平八郎は、清廉潔白の武士であ…

第11話 由井正雪・慶安の変

序文・江戸時代初期は、幕藩体制が整う前の過渡期にあった。書籍を読み、武士の牢人(浪人)問題の深さを知り、筆を執りました。 堀口尚次 由井正雪は江戸時代前期の軍学者で、慶安の変の首謀者である。軍学塾「帳孔堂」を開いた。塾名は中国の名軍師と言わ…