ホリショウのあれこれ文筆庫

歴史その他、気になった案件を綴ってみました。

2024-11-01から1ヶ月間の記事一覧

第1253話 江戸時代に名古屋に落ちた隕石

序文・「星崎」という地名の由来 堀口尚次 『尾張名所図会』の付録である『小治田之真清水』には、「星降て石となる」と、南野の塩浜にいた人々の驚いたようすが描かれている。江戸時代の寛永9年午前0時頃、村瀬六兵衛ら数人の人々が塩を焼いていた時の出来…

第1252話 平均律

序文・ドレミファソラシド 堀口尚次 平均律は、オクターヴを均等に分割した音律。西洋音楽で用いられる十二平均律がよく知られているが、その他にも多種類が考案されている。 十二平均律とは、1オクターヴを12等分した音律である。隣り合う音〈半音〉の周波…

第1251話 マッカーサーを叱った男・白州次郎

序文・GHQに抵抗をした日本人 堀口尚次 白洲次郎〈明治35年 - 昭和60年〉は、日本の実業家。貿易庁長官〈初代〉。連合国軍占領下の日本で吉田茂の側近として活躍し、終戦連絡中央事務局や経済安定本部の次長を経て、商工省の外局として新設された貿易庁の長…

第1250話 自爆営業の闇

序文・身銭を切る 堀口尚次 自爆営業とは、企業の営業活動において、従業員が自己負担で商品を購入し、売上高を上げる行為のこと。自爆契約、自腹契約とも。ノルマ達成と各店舗、営業所の販売、営業成績のために行われる。営業成績のために身銭を切る行為を…

第1249話 名古屋市のマークは㊇

序文・尾張徳川家の合印 堀口尚次 ○に八の字を書いて。都市のシンボルマークとしては一風変わった意匠だが、これが名古屋市の市章だ。制定されたのは明治40年10月のこと。明治40年代には神戸市や横浜市でも市章が定められており、当時は市を表象するマークを…

第1248話 副市長村長は公務員

序文・助役 堀口尚次 副市町村長は、市町村において市町村長を補佐し、その補助機関たる職員の担任する事務を監督する特別職の地方公務員である。市町村長が欠けたときにはその職務を代行する。東京都の特別区に置かれる副区長も同等の役職である。副区長と…

第1247話 名鉄豊川線の怪

序文・路面電車登録? 堀口尚次 豊川線は、国府駅から豊川稲荷駅までを結ぶ名古屋鉄道〈名鉄〉の軌道路線〈軌道とは元来は主として路面電車を対象としてきた〉である。全線が愛知県豊川市内にある。 豊川稲荷への参詣路線として年末年始には混雑する。全線が…

第1246話 浅野内匠頭長矩の小姓・片岡源五右衛門

序文・忠臣蔵の名場面 堀口尚次 片岡高房(たかふさ)〈寛文7年 - 元禄16年〉は、江戸時代前期の武士。赤穂浪士四十七士の一人。赤穂藩では側用人・児小姓頭をつとめ、浅野内匠頭長矩から最大の寵愛を受けた。通称は、はじめ新六、のちに源五右衛門と称した。…

第1245話 エイプリルフール

序文・四月馬鹿 堀口尚次 エイプリルフールとは、毎年の4月1日、悪戯や嘘をついても良いという風習のことである。イギリスではオークアップルデーに倣い、嘘をつける期限を正午までとする風習があるが、それ以外の地域では一日中行われる。エイプリルフール…

第1244話 五平餅

序文・五平と御幣 堀口尚次 五平餅(ごへいもち)は、中部地方の山間部〈長野県木曽・伊那地方、岐阜県東濃・飛騨地方、富山県南部、愛知県奥三河地方、静岡県北遠・駿河地方〉に伝わる郷土料理。粒が残る程度に半搗(つ)きにした粳米(うるちまい)飯にタレをつ…

第1243話 「名古屋の渋沢栄一」こと奥田正香

序文・起業へ奔走 堀口尚次 奥田正香(まさか)〈弘化4年 - 大正10年〉は、明治時代に活動した日本の実業家。 元は尾張藩の藩士。味噌・醤油製造で財を成し、その後名古屋で多くの有力企業の設立に関与して「名古屋の渋沢栄一」と呼ばれた。名古屋商業会議所〈…

第1242話 マニラ大虐殺

序文・ゲリラ討伐 堀口尚次 マニラ大虐殺は、マニラの戦い 〈1945年〉において発生したとされる虐殺事件。日本軍による虐殺と、アメリカ軍の砲撃による犠牲者が多数発生し、最終的なマニラでの一般市民の犠牲者は10万人を超えるとされている。戦後マニラ軍事…

第1241話 数字の大字

序文・壱弐参 堀口尚次 数字の大字(たいじ)は、漢数字の一種。通常用いる単純な字形の漢数字〈小字〉の代わりに同じ音の別の漢字を用いるものである。 漢数字には「一」「二」「三」と続く小字と、「壱」「弐」「参」と続く大字がある。漢数字は通常は小字を…

第1240話 千人針

序文・武運長久 堀口尚次 千人針は、第二次世界大戦まで日本でさかんに行われた、多くの女性が一枚の布に糸を縫い付けて結び目を作る祈念の手法、および出来上がったお守りのこと。武運長久、つまり兵士の戦場での幸運を祈る民間信仰である。 1メートルほど…

第1239話 豆腐売りのラッパ

序文・哀愁の音色 堀口尚次 天明2年に刊行された『豆腐百珍』には、100種類の豆腐料理が記述されている。また、豆腐は様々な文学でも親しまれてきた。当時より、豆腐は行商もされており、前述の豆腐百珍は大きな人気を得るほど一般的な料理であった。 行商の…

第1238話 ベルマーク運動

序文・愛の鐘 堀口尚次 ベルマーク運動は、学校や教育施設、公民館などをはじめとする生涯学習施設の教育環境整備への助成と、交通などの面でハンデキャップのある山間・離島〈いわゆるへき地〉の学校や特別支援学校、院内学級や被災校、開発途上国の教育に…

第1237話 みにくいアヒルの子

序文・無分別智 堀口尚次 「みにくいアヒルの子」は、デンマークの代表的な童話作家・詩人であるハンス・クリスチャン・アンデルセン原作の童話。1843年発表。 アヒルの群の中で、他のアヒルと異なった姿のひなが生まれた。アヒルの親は、七面鳥のひなかもし…

第1236話 新選組の生き残り・中島登

序文・波乱万丈の人生 堀口尚次 中島登(のぼり)〈天保9年 - 明治20年〉は、新選組隊士〈伍長〉。天保9年、武州多摩郡小田野〈現在の東京都八王子市西寺方町〉の農家に長男として生まれる。幼名は峯吉、後に登一郎。父は中島亦吉、母は中島イチ。 安政3年、19…

第1235話 曽良ちゃん命名事件

序文・行政と司法の戦い 堀口尚次 曽良ちゃん命名事件とは戸籍法施行規則にない漢字を人名漢字に使用しようとして拒否されたことで起こった訴訟。2002年11月に札幌市厚別区の行政書士の男性は、妻が長男を出産した際、松尾芭蕉の弟子の河合曽良から名前を取…

第1234話 名古屋生まれの赤穂浪士・片岡源五右衛門

序文・浅野内匠頭長矩の小姓 堀口尚次 片岡高(たか)房(ふさ)〈寛文7年 - 元禄16年2月4日〉は、江戸時代前期の武士。赤穂浪士四十七士の一人。赤穂藩では側用人・児小姓頭をつとめ、浅野内匠頭長矩から最大の寵愛を受けた。通称は、はじめ新六、のちに源五右…

第1233話 巌流島

序文・武蔵と小次郎 堀口尚次 巖流島は、山口県下関市・関門海峡に在る島〈無人島〉。正式名称は船島。所在地は「山口県下関市大字彦島字船島648番地」。 宮本武蔵と佐々木小次郎の決闘〈巌流島の戦い〉が行われたとされることで著名となっている。決闘が行…

第1232話 落武者狩り

序文・負ければ賊軍 堀口尚次 落ち武者狩りは、日本の戦国時代に百姓が自分の村の地域自衛の一環として、敗戦で支配権力が変わった時に敵方の逃亡武将〈落武者〉を探して略奪し、殺害した慣行である。武将の鎧や刀など装備を剥いで売ったり金品など得たりす…

第1231話 「倫魁不羈」と称された水野勝成

序文・宮本武蔵とも縁あり 堀口尚次 水野勝成は、安土桃山時代から江戸時代前期にかけての武将・大名。三河国刈谷藩主、大和国郡山藩主を経て備後国福山藩初代藩主となる。幕末の館林藩士・岡谷繁実作成の名将言行録には「倫魁不羈(りんかいふき)」〈余りに…

第1230話 ざる法

序文・抜け穴が多い法律 堀口尚次 ざる法とは、抜け穴が多い法律をさす俗語である。水がざるを通り抜ける様子から名付けられたものとされる。 歴史的には1920年に施行された、アメリカ合衆国の禁酒法がざる法の好例である。この法律では酒について売買や製造…

第1229話 乃木将軍と辻占い売りの少年のお話し

序文・八歳の少年に感銘を受けた乃木将軍 堀口尚次 東京都港区指定文化財に指定されている旧乃木邸の脇に、乃木将軍こと乃木希典(まれすけ)と辻占い売りの少年の出会いを描いた銅像があるり、以下の説明文がある。 『乃木将軍と辻占い売りの少年のお話は、明…

第1228話 信長の友であり兄弟の宿老・丹羽長秀

序文・信長の姻戚 堀口尚次 丹羽長秀は、戦国時代から安土桃山時代にかけての武将、大名。織田氏の宿老であり、主君・織田信長に従い、天下統一事業に貢献した。朝廷より惟住(これずみ)の姓を賜ったので、惟住長秀ともいう。 天文4年9月20日、丹羽長政の次男…

第1227話 ロスチャージ裁判

序文・悪習慣 堀口尚次 ロスチャージ裁判とは、日本のコンビニエンスストア最大手であるセブン-イレブン本部と、その加盟店の間でおこった裁判である。フランチャイザー〈本部〉対フランチャイジー〈加盟店〉では日本初の本格的な法廷闘争であり、セブン-イ…

第1226話 昭和天皇を泣かせた牧野伸顕

序文・大久保利通の次男 堀口尚次 牧野伸顕(あきあき)〈文久元年昭和24年〉は、日本の政治家。位階は従一位。勲等は勲一等。爵位は伯爵。名は「シンケン」と音読みされることもある。幼名は伸熊(のぶくま)。以前の諱は是利(これとし)。大久保利通は父、吉田…

第1225話 降伏・離反を繰り返した佐野昌綱

序文・戦上手 堀口尚次 佐野昌綱は、戦国時代から安土桃山時代にかけての武将・戦国大名。佐野氏の第15代当主。享禄2年、佐野氏第13代当主・佐野泰綱の次男として誕生〈一説では兄・佐野豊綱の子とも〉。通称は小太郎。永禄2年、14代当主・豊綱が死去すると…

第1224話 原敬暗殺事件

序文・内閣総理大臣の暗殺 堀口尚次 原敬暗殺事件は、大正10年11月4日、当時内閣総理大臣の原敬(はらたかし)が鉄道省山手線大塚駅職員の中岡艮一(こんいち)によって東京駅乗車口〈現在の丸の内南口〉で刺殺された事件である。 大塚駅の転轍手(てんてつしゅ)…