ホリショウのあれこれ文筆庫

歴史その他、気になった案件を綴ってみました。

第1127話 道元を産んだとされる冬姫

序文・木曾義仲の正室 堀口尚次 藤原伊子(ふじわらのいし)〈仁安2年 - 承元元年〉は、平安時代末期から鎌倉時代初期の女性。父は摂関家の関白・松殿〈藤原〉基房(もとふさ)。源〈木曾〉義仲の正室で、後に公卿・源通親(みなもとのみちちか)の側室となり道元…

第1126話 宇都宮城釣天井事件

序文・本多正純の悲劇 堀口尚次 宇都宮城釣天井事件は、江戸時代の元和8年、下野国宇都宮藩主で江戸幕府年寄の本多正純が、宇都宮城に釣天井を仕掛けて第2代将軍徳川秀忠の暗殺を謀ったなどの嫌疑をかけられ、本多家は改易、正純は流罪となった事件である。 …

第1125話 修験道の総本山・金峯山寺と役行者

序文・桜の名所吉野山 堀口尚次 金峯山寺(きんぷせんじ)は、奈良県吉野郡吉野町吉野山にある金峯山修験本宗〈修験道〉の総本山の寺院。山号は国軸山。開基〈創立者〉は役小角(えんのおづの)〈役行者(えんのぎょうじゃ)〉と伝える。かつては「山下(さんげ)の…

第1124話 天下御免の傾奇者・前田慶次郎利益

序文・大ふへん者 堀口尚次 前田慶次郎利益(まえだけいじろうとします)は、戦国時代末期から江戸時代初期にかけての武将。 滝川一族の出身だが、尾張荒子城主・前田利久の養子となった。加賀百万石の祖・前田利家は叔父。利益以外にも利貞、利太など、さまざ…

第1123話 渋沢栄一を見い出した平岡円四郎

序文・徳川慶喜の小姓 堀口尚次 平岡円四郎〈文政5年- 元治元年〉は、幕末期日本の武士〈一橋家家臣・家老並〉。徳川慶喜の小姓を務めた。攘夷派に暗殺された。 旗本・岡本忠次郎の四男として生まれ、16歳の時に旗本・平岡文次郎の養子となる。昌平坂学問所…

第1122話 光源氏の再来・平維盛

序文・平家の貴公子 堀口尚次 平維盛(これもり)は、平安時代末期の平家一門の武将。平清盛の嫡子・平重盛の嫡男。美貌の貴公子として宮廷にある時には「光源氏の再来」と称された。治承・寿永の乱において大将軍として出陣するが、「富士川の戦い」で敗北し…

第1121話 信州の野尻湖にいたナウマンゾウ

序文・ナウマンが発見 堀口尚次 ナウマンゾウは、約1万5000年前までの日本列島に生息していたゾウである。後期更新世の日本列島に棲息した長鼻目(ちょうびもく)は本種とケナガマンモスのみであり、ヤベオオツノジカやハナイズミモリウシと共に後期更新世の日…

第1120話 織田豊臣徳川に仕えた丹羽氏次

序文・紆余曲折の忠臣 堀口尚次 丹羽氏次(にわうじつぐ)は、戦国時代から安土桃山時代にかけての武将、大名。氏次系丹羽家初代。天文19年、丹羽氏勝の長男として尾張国岩崎〈現・愛知県日進市岩崎町〉に生まれる。父の後を継いで織田信長に仕えた。天正8年に…

第1119話 原爆投下は国際法違反

序文・戦争法の基本原則 堀口尚次 三淵嘉子(みぶちよしこ)〈大正3年 - 昭和59年〉は、日本初の女性弁護士の1人であり、初の女性判事および家庭裁判所長。 昭和31年5月、東京地裁判事となる。広島と長崎の被爆者が原爆の責任を訴えた「原爆裁判」を担当〈裁判…

第1118話 プロ野球のサイン盗み問題

序文・公認野球規則にない決め事 堀口尚次 サイン盗みとは、野球において捕手が投手に出したサインや、コーチから塁上の走者に伝えられたサインを盗み、伝達する行為を指す。例えば、捕手の出すサインを盗み、味方チームのメンバーに中継、伝達することによ…

第1117話 壇ノ浦の戦いの後も生き残った平頼盛

序文・源頼朝の恩返し 堀口尚次 平頼盛(よりもり)は、平安時代末期から鎌倉時代初期の平氏一門の武将・公卿。平忠盛の五男。母は修理大夫(しゅりだゆう)・藤原宗兼(むねかね)の女、宗子〈池禅尼〉。通称は池殿、池大納言。平清盛の異母弟。清盛の男兄弟の中…

第1116話 源頼朝を助けた池禅尼

序文・平清盛の継母 堀口尚次 池禅尼(いけのぜんに)は、平安時代末期の女性。平忠盛の正室。平清盛の継母に当たる。後に崇徳天皇の皇子・重仁(しげひと)親王の乳母となる。父は藤原宗兼、母は藤原有信の娘。中納言・藤原隆家の後裔。名は宗子。 保安元年頃、…

第1115話 ラッキーセブンは野球から

序文・7回の攻撃 堀口尚次 ラッキーセブンは、九回もある比較的長丁場の野球で七回には新機軸が発生することもあったということから始まった概念で、日本では7や5などの奇数が七元徳〈カトリック教会の教義における7つの基本的な徳〉など一般に尊ばれること…

第1114話 海軍飛行予科練習生

序文・予科練の裏側 堀口尚次 海軍飛行予科練習生とは、大日本帝国会海軍における航空兵養成制度の一つ。志願制。予科練(よかれん)の略称で呼ばれるケースが多い。 日本では昭和4年12月、海軍省令により予科練習生の制度が設けられた。「将来、航空特務士官…

第1113話 上杉鷹山の兄・秋月種茂

序文・国家の至宝は人材に有り 堀口尚次 秋月種茂(たねしげ)は、江戸時代中期から後期にかけての大名。日向国高鍋藩7代藩主で、藩の全盛期を築いた名君とされている。剃髪後の号は鶴山。その弟に、世界に名君と知られる上杉鷹山がいる。鷹山も、兄の実力は自…

第1112話 安徳天皇を抱いて海に沈んだ二位尼

序文・浪の下にも都の候ぞ 堀口尚次 平時子〈大治元年 - 元暦2年〉は、平安時代末期に活躍した平清盛の継室。位階は従二位。二位尼(にいのあま)として知られる。下級公家の平時信の女で、母は二条大宮〈令子内親王〉の半物(はしたもの)〈下仕えの女房〉。権…

第1111話 車中泊やテント泊での思い出

序文・即席キャンプ 堀口尚次 25歳の頃、会社の同僚と仕事終わりから出発して、車中泊やテント泊をしたのを懐かしく思い出した。車は決まって同僚〈年上〉のトヨタハイラックスサーフ4WDで、愛知県は元より長野県・岐阜県・静岡県など近隣県の山間部などへ…

第1110話 警戒警報から空襲警報の二段階

序文・防空壕へ避難 堀口尚次 空襲警報とは、戦争において敵軍航空機による空襲を市民に知らせ、被害が出ないようにより安全な場所への退避を促す目的で発令される警報である。発令された場合には市民は防空壕への避難などを行うことになる。 第二次世界大戦…

第1109話 イオマンテ

序文・アイヌの儀礼 堀口尚次 イオマンテとはアイヌの儀礼のひとつで、ヒグマなどの動物を殺してその魂であるカムイを神々の世界 に送り帰す祭りのことである。 イオマンテの語は、イ〈i、'それを'〉+オマンテ〈返す〉からなり、すなわち'それを送る'という…

第1108話 在職日数9日・片山一人内閣の発足

序文・合法的な社会主義政党 堀口尚次 片山内閣は、衆議院議員・日本社会党委員長の片山哲(てつ)が第46代内閣総理大臣に任命され、昭和22年5月24日から昭和23年3月10日まで続いた日本の内閣。日本国憲法下で国会の指名を受け組閣を行った最初の内閣である。…

第1107話 長女を毒殺してしまった聖光院

序文・正室継室側室 堀口尚次 聖光院(しょうこういん)〈元和6年 - 元禄4年〉は、江戸時代前期の女性。陸奥会津藩主・保科正之の継室。於万の方ともいわれる。京都上賀茂神社の神官・藤木浩之の娘。 万治元年に、出羽米沢藩主・上杉網勝に嫁いでいた長女媛姫(…

第1106話 豊臣秀次の巻き沿いになった駒姫の悲運

序文・畜生塚とされた 堀口尚次 駒姫〈天正7年 - 文禄4年〉は、安土桃山時代の女性。別名は、伊万(いま)。最上義光と釈妙英〈大崎義直の娘〉との間の次女で、羽柴〈豊臣〉秀次の側室候補。伊達政宗の従妹(じゅうまい)〈いとこ〉に当たる。彼女の名は御駒山(…

第1105話 旧優生保護法を成立させた立法府の責任

序文・与野党全会一致で可決 堀口尚次 2024年7月3日最高裁大法廷は、旧優生保護法を違憲とし国に賠償命令を下した。不正行為から20年で損害賠償請求権が消滅する「除斥期間」は「著しく正義・公平の理念に反する」として適応しなかった。 日本は三権分立の国…

第1104話 霊感ヤマカン第六感の山本勘助

序文・武田信玄の軍師 堀口尚次 山本勘助は、戦国時代の武将。『甲陽軍鑑』においては名を勘助、諱を晴幸、出家後道鬼を称したという。勘助の諱・出家号については文書上からは確認されていなかったが、近年、沼津山本家文書「御証文之覚」「道鬼ヨリ某迄四…

第1103話 命の恩人・斎藤実盛を討ってしまった木曽義仲

序文・むざんやな甲のしたのきりぎりす 堀口尚次 斎藤実盛(さねもり)は、平安時代末期の武将。貴族・藤原利仁(としひと)の流れを汲む斎藤則盛の子。越前国の出で、武蔵国幡羅(はら)郡長井庄〈埼玉県熊谷市〉を本拠とし、長井別当と呼ばれる。 武蔵国は、相模…

第1102話 公衆衛生看護婦

序文・沖縄の離島を支えた女性たち 堀口尚次 公衆衛生看護婦とは、復帰前の沖縄県で定められた看護資格で、日本本土における「保健師〈旧称:保健婦〉」に相当する。保健師は、日本において、保健師助産師看護師法〈保助看法〉に基づき、厚生労働大臣の免許を…

第1101話 冠者・源義高と大姫の絆

序文・又従兄弟同士 堀口尚次 源義高は、平安時代末期の河内源氏の流れを汲む信濃源氏の武将。清水冠者〈冠者とは元服して間もない若者〉と号す。木曾義高とも。源〈木曾〉義仲の嫡男。母は『尊卑文脈』では今井兼平の娘としているが、兼平は義仲と同年代の…

第1100話 歴代水戸藩主は水戸に常駐しなかった

序文・藩主は江戸定府 堀口尚次 水戸藩は、常陸(ひたち)にあって現在の茨城県中部・北部を治めた藩。水府藩とも呼ばれる。藩庁は水戸城〈水戸市〉に置かれた。徳川御三家の一つである。 常陸は佐竹氏が豊臣秀吉によって54万5,800石の支配をそのまま認められ…

第1099話 ご相伴にあずかる

序文・御相伴衆 堀口尚次 相伴衆(しょうばんしゅう)〈御相伴衆とも〉は、室町時代における役職的な身分の一つ。将軍が殿中における宴席や他家訪問の際に随従・相伴する人々の事。管領家(かんれいけ)の一族や有力守護大名に限定されていたため、一種の社会的…

第1098話 本人が名乗った事がない・北条早雲

序文・伊勢宗瑞と名乗っていた 堀口尚次 北条早雲 / 伊勢宗瑞(そうずい)/伊勢新九郎盛時は、室町時代中後期〈戦国時代初期〉の武将。戦国大名となった後北条氏の祖・初代である。「北条早雲」の名で広く知られているが、実際は存命中には「伊勢」の姓を名乗…