ホリショウのあれこれ文筆庫

歴史その他、気になった案件を綴ってみました。

戦争

第367話 軍隊ラッパ

序文・郷愁と哀愁 堀口尚次 日本にラッパが紹介され持ち込まれたのは幕末で、慶応元年にイギリスの歩兵操典〈英国歩兵練法〉が翻訳された際に、信号喇叭(らっぱ)譜が紹介された。明治に入り近代軍隊設立のため、フランス軍に範をとった陸軍が招聘(しょうへい…

第363話 幻の大府飛行場

序文・今も長い直線道路が残る 堀口尚次 大府飛行場は、かつて愛知県大府市と東海市にまたがる地区にあった飛行場である。別名:知多飛行場。現在の知多半島道路 大府東海インターチェンジの北側一帯に展開していた。 零式艦上戦闘機を代表とする数々の航空…

第355話 名古屋大空襲の戦争遺構を訪ねて

序文・熱田神宮の鳥居にも爆弾の破片が・・・ 堀口尚次 名古屋大空襲は、第二次世界大戦末期、アメリカ軍が名古屋市に対して繰り返し行った空襲の総称、もしくはそのうち特に市街地を標的として大規模に行われたものをいう。後者においては、中心市街地が罹…

第351話 誓いの御柱と明治天皇駐蹕御趾

序文・明治天皇と愛知県半田市の御縁 堀口尚次 誓の御柱(みはしら)は五か条の御誓文を象徴する記念碑である。五角形の尖塔(せんとう)の各面に御誓文の各条文を刻む。大正15年〈昭和元年〉から昭和9年までの間に少なくとも7か所で建設された。そのうち現存を…

第341話 愛知航空機と稲永スリップ跡

序文・名古屋市に現存する戦争遺構 堀口尚次 愛知航空機は過去に存在した日本の航空機メーカーにして、現在の日産自動車系自動車部品メーカー愛知機械工業の前身である。日本海軍向けの攻撃機、爆撃機、水上機等を製造した。 親会社の「愛知時計製造」は明治…

第325話 軍歌・戦友

序文・GHQが禁歌指定 堀口尚次 「ここはお國を何百里 /離れてとほき滿洲の /赤い夕陽にてらされて /友は野末(のずゑ)の石の下(した)」の歌詞で始まる軍歌・戦友の口語訳は以下である。 ここは故郷を遠く数百里離れた満州。ここに戦友は眠っている。少…

第310話 昭和東南海地震

序文・軍需工場転用と隠匿 堀口尚次 昭和東南海地震は、昭和19年12月7日午後1時36分から、紀伊半島東部の熊野灘、三重県尾鷲市沖約20キロメートルから浜名湖沖まで破壊が進行した、マグニチュード7.9のプレート境界型巨大地震。単に「東南海地震」または「19…

第304話 満州国

序文・独立国家か傀儡国家か 堀口尚次 満洲国は、1932年から1945年の間、満洲〈現在の中国東北部〉に存在した国家。1931年、柳条湖(りゅうじょうこ)事件〈関東軍が南満州鉄道の線路を爆破した事件であり、関東軍はこれを中国軍による犯行と発表することで、…

第303話 近衛文麿の最期

序文・戦犯の汚名は耐えがたし 堀口尚次 近衛文麿は、五摂家・近衛家の第30第当主であり、後陽成天皇の12世孫に当たる。貴族院議長・枢密院議長を歴任している。 3度にわたり内閣総理大臣に任命され、第一次近衛内閣、第二次近衛内閣、第三次近衛内閣を組織…

第302話 木炭自動車が闊歩していた

序文・軍用の燃料確保が目的 堀口尚次 木炭自動車とは、木炭をエネルギー源とし、車載した木炭ガス発生装置で不完全燃焼により発生する一酸化炭素ガスと同時にわずかに発生する水素〈合成ガス〉とを回収、これを内燃機関の燃料として走る自動車である。 第一…

第286話 インパール作戦の責任

序文・精神論の杜撰な作戦 堀口尚次 インパール作戦〈日本側作戦名:ウ号作戦〉とは、第二次世界大戦のビルマ戦線において、昭和19年3月に帝国陸軍により開始、7月初旬まで継続された、援蒋ルート〈日中戦争における大日本帝国と中華民国の蒋介石政権の対立…

第278話 フィリピン残留日本人の境遇

序文・日本人の証(あかし) 堀口尚次 フィリピン残留日本人とは、19世紀末から第2次世界大戦終結までの間にフィリピンに渡った日本人移民の子で、戦争によって父あるいは両親と離れ離れになり、現地に残された人びとです。戦前、フィリピンに移住した日本人…

第270話 零戦を造った中島の気概

序文・ここにもGHQの影が 堀口尚次 中島飛行機株式会社は、大正6年から昭和20年まで存在した日本の航空機・航空エンジンメーカー。創業者は中島知久平(ちくへい)。 エンジンや機体の開発を独自に行う能力と、自社での一貫生産を可能とする高い技術力を備え、…

第266話 宮城事件「八・一五事件」

序文・玉音放送の裏側で 堀口尚次 宮城事件(きゅうじょうじけん)は、昭和20年8月14日の深夜から15日にかけて、宮城〈皇居〉で一部の陸軍省勤務の将校と近衛師団参謀が中心となって起こしたクーデター未遂事件である。終戦反対事件、あるいは八・一五事件と…

第246話 元日本兵の帰還と残留日本兵の実態

序文・「恥ずかしながら生きながらえておりました」 堀口尚次 横井庄一さんは、元陸軍軍人で、最終階級は軍曹。太平洋戦争終結から28年目、アメリカ領グアム島で地元の猟師に発見された残留日本兵として知られる。 小野田寛郎さんは、元陸軍軍人で、最終階級…

第243話 樺太(サハリン)の悲劇

序文・南樺太の領有権は国際法上は未定のまま 堀口尚次 明治38年から昭和20年までは、北緯50度線を境に、南半分〈南樺太〉を「樺太」として大日本帝国が、北半分〈北樺太、北サハリン〉を「サハリン」としてソビエト連邦が領有していた。日本領有下において…

第235話 昭和天皇の戦争回想

序文・明治天皇の御製を引用 堀口尚次 過日NHKドキュメンタリー番組で「昭和天皇が語る開戦への道」を観た。昭和天皇は、すべての始りは、張作霖(ちょうさくりん)爆殺事件の首謀者の責任追及を行わなかった事に端を発していたと回想していた。 張作霖爆殺…

第231話 東條英機暗殺計画の東亜連盟

序文・大山倍達も参加していた東亜連盟 堀口尚次 東亜連盟は、石原莞爾(かんじ)〈陸軍の異端児・軍事の偉才〉の指導のもとに石原構想の実現を目ざした右翼的国家社会主義団体。石原の構想は、日本をアジアさらに世界の盟主とし、そのための「東洋文明圏」を…

第230話 中国残留日本人の足跡

序文・戦争のしわ寄せは弱者に及んだ 堀口尚次 中国残留日本人は、第二次世界大戦末期のソ連軍侵攻と関東軍撤退により日本へ帰国できず、中国大陸に残留した日本人である。日本の法律などでは、中国在留邦人ともいう。 満州事変の直後に、日本は清の最後の皇…

第227話 軍部大臣現役武官制の問題点

序文・軍部の暴走はここから始まった 堀口尚次 軍部大臣現役武官制とは、大日本帝国憲法下の日本において制定されていた、軍部大臣〈陸軍大臣・海軍大臣〉の就任資格を現役の大将・中将に限定する制度である。現役武官に限るため、文官〈軍人以外の者〉はも…

第221話 日本人移民・日系人に対する強制収容の代償

序文・アメリカの蛮行 堀口尚次 第二次世界大戦時において連合国、特にアメリカ合衆国やアメリカの影響下にあったペルーやブラジル、メキシコなどのラテンアメリカ諸国、またカナダやオーストラリア、ニュージーランドなどのイギリス連邦において行われた、…

第217話 特殊潜航艇の悲劇と軍の隠匿

序文・トラトラトラのその裏で 堀口尚次 特殊潜航艇とは、敵海軍の泊地(はくち)〈日本語では港湾において船舶を停泊させる水域とされるが、英語では特定のエリアではなく港湾全体を指す場合もある〉襲撃や、工作員潜入などに使われる軍用潜水艇・小型潜水艦…

第214話 マレーの虎こと山下奉文・陸軍大将

序文・表裏一体の見方 堀口尚次 シンガポール華僑(かきょう)粛清事件とは、日本軍の占領統治下にあったシンガポールで、日本軍(第25軍)が、中国系住民多数を掃討作戦により殺害した事件。戦犯裁判(イギリス軍シンガポール裁判)で裁かれた。 イギリス軍が日本…

第210話 混血孤児の運命

序文・ママー・ドゥ・ユー・リメンバー 堀口尚次 GIベビーとは、連合国軍占領の日本で、GI(アメリカ軍やイギリス軍兵士)を中心とした連合国軍兵士と日本人女性との間に生まれた乳幼児や子供である。養育困難などの理由でしばしば孤児になり、「混血孤…

第201話 現存する奉安殿

序文・ここにもGHQの影が・・・ 堀口尚次 奉安殿(ほうあんでん)とは、戦前の日本において、天皇と皇后の写真〈御真影(ごしんえい)〉と教育勅語を納めていた建物である。正式名称は、「御真影奉安殿」である。 御真影の下賜が始まった時期は、教育勅語が制…

第195話 「戦争自体は悪」が持論の海軍中将・堀悌吉

序文・謹賀新年、日米開戦80周年記念シリーズその2 堀口尚次 堀悌吉(ていきち)、日本の海軍軍人。海兵32期首席・海大16期次席。海軍中将。先輩の米内〈海軍大臣・内閣総理大臣〉、同期生の山本五十六〈海軍次官・連合艦隊司令長官〉、後輩の井上〈最後の海…

第194話 山本五十六の「やってみせ」

序文・日米開戦回避だったが・・・男の修行 堀口尚次 山本五十六は、海軍軍人で最終階級は元帥海軍大将。第26、27代連合艦隊司令長官。日本が真珠湾攻撃で、対米戦争の火蓋を切った時の総責任者。 山本は連合艦隊司令長官に任官されることを拒み、吉田善吾が…

第188話 マッカーサーの証言

序文・日本人は12歳の少年 堀口尚次 総司令官解任後の1951年5月3日から、マッカーサーを証人とした上院の軍事外交共同委員会が開催された。主な議題は「マッカーサーの解任の是非」と「極東の軍事情勢」についてであるが、日本についての質疑も行われている…

第187話 生き残った軍人像との再会

序文・何かの御導きか・・・ 堀口尚次 愛知県知多半島の先端、南知多町の山海地区にある大慈山中之院に、無数の軍人像があります。私は過日ここを訪れ鎮魂の参拝をしました。立て札に書かれていた文を以下に記します。 『中之院 軍人像について ここの軍人像…

第182話 風船爆弾 対 原子爆弾

序文・いずれも無差別爆撃兵器なのだ 堀口尚次 風船爆弾とは、太平洋戦争において日本軍が開発・実戦投入した、気球に爆弾を搭載した無差別爆撃兵器である。 戦果こそ僅少であったものの、ほぼ無誘導で、第二次世界大戦で用いられた兵器の到達距離としては最…