ホリショウのあれこれ文筆庫

歴史その他、気になった案件を綴ってみました。

2023-10-01から1ヶ月間の記事一覧

第860話 人身御供

序文・神への生贄 堀口尚次 人身御供(ひとみごくう)とは、人間を神への生贄(いけにえ)とすること。人身供犠(じんしんくぎ)とも。また、生贄の「贄(にえ)」は神や帝(みかど)に捧げる鳥・魚・新穀などの食物の意味である。転じて比喩的表現として、権力者など強…

第859話 癇癪を起す

序文・疳の虫のしわざ 堀口尚次 「癇癪(かんしゃく)」とは、怒りやすい性格。怒りの発作。短気。易怒性〈生物における興奮性のことであり、それを取り巻く環境が変化したことに対しての反応として現れる〉のこと。 「癇」は、ちょっとしたことにも興奮し、い…

第858話 疳の虫と「宇津救命丸・桶屋奇応丸」

序文・虫封じ 堀口尚次 疳(かん)の虫とは乳児の異常行動を指していう俗称。特に夜泣き、かんしゃく、ひけつけなどを指す。「癇の虫」「勘の虫」などの表記もあるが正しくない。疳とは漢方医学で脾疳(ひかん)のことで乳児の腹部膨満や異常食欲などをいったが…

第857話 救急車は無料?!

序文・公の利益とはなんぞや 堀口尚次 日本の救急車は無料だが、海外では有料の方が多いそうだ。近年では、救急車を病院までのタクシー代わりに要請したり〈今日入院するから病院に連れていって等〉、意識もしっかりしていて自分で正常に歩ける程度の軽症〈…

第856話 夢の島

序文・ゴミの島 堀口尚次 夢の島は、東京都江東区の町名。現行行政地名は夢の島1丁目から夢の島3丁目。町域の大部分を夢の島公園が占める。江東区の町としての「夢の島」は、人工島〈埋立地〉である「東京湾埋立14号地」のうち、湾岸道路より北の部分を占め…

第855話 小田原評定

序文・北条早雲なら決断できたか 堀口尚次 小田原評定(ひょうじょう)は、戦国大名の後北条氏(ごほうじょうし)〈本来の氏は「北条」であるが、鎌倉幕府の執権をつとめた北条氏と区別するため、「後」を付して「後北条氏」、相模国小田原の地名から「小田原北…

第854話 凞邦親王伝説

序文・後花園天皇の皇子 堀口尚次 愛知県知多市新知字大内〈名鉄常滑線古見(こみ)駅近く〉に「凞邦(てるくに)親王御塚遺跡」と「煕邦親王記念碑」なるものが存在する。これらは後花園天皇の第3皇子凞邦親王を偲んで造られた塚で、初めは浜辺にあったものを海…

第853話 陸軍に永田あり

序文・賛否両論 堀口尚次 永田鉄山、明治17年- 昭和10年は、日本の陸軍軍人。統制派の中心人物。 陸軍中央幼年学校次席卒業、陸軍士官学校首席卒業、陸軍大学校次席卒業を経て参謀本部第2部長、歩兵第1旅団長などを歴任した。軍政家として本流を歩み「将来の…

第852話 義烈空挺体

序文・B-29破壊工作 堀口尚次 義烈空挺隊は、敵飛行場に輸送機で強行着陸して敵航空機と飛行場施設を破壊することを目的とした旧日本陸軍の空挺部隊で編成された特殊部隊。沖縄戦期間中の昭和20年5月24日に、連合軍に占領されていた沖縄の嘉手納飛行場と読…

第851話 家康の直轄地だった知多郡〈知多半島〉

序文・家康ゆかりの知多半島 堀口尚次 尾張藩の歴史によると、『関ケ原の戦いの戦功〈先陣〉により徳川家康の四男・松平忠吉が入封〈清州藩、52万石〉する。慶長11年、家康の直轄領であった知多郡〈知多半島〉も忠吉に加増される。しかし慶長12年に忠吉に嗣…

第850話 知多半島の残る「玉姫伝説」の謎

序文・淀殿は大阪城から脱出していた?! 堀口尚次 愛知県知多郡南知多町師崎(もろざき)の延命寺は、京都の市街〈洛中〉と郊外〈洛外〉の景観や風俗を描いた『洛中洛外図屏風』〈延命寺本〉を所有する。これは知多半島水軍の将・稲生重政の戦利品。大坂の陣…

第849話 征韓論

序文・朝鮮侵略 堀口尚次 征韓論は、日本の幕末から明治初期において唱えられた朝鮮侵略論をいい、一般的には、明治6年の対朝鮮論をさすことが多い。 日本では江戸時代後期に、国学や水戸学の一部や吉田松陰らの立場から、古代日本が朝鮮半島に支配権を持っ…

第848話 コペルニクスと地動説

序文・常識をひっくり返す 堀口尚次 地動説とは、宇宙の中心は太陽であり、地球はほかの惑星とともに太陽の周りを自転しながら公転しているという学説のこと。宇宙の中心は地球であるとする天動説〈地球中心説〉に対義する学説である。太陽中心説ともいうが…

第847話 悲劇の少女「於ふう」

序文・処刑された許嫁 堀口尚次 於(お)ふうは、二代目日近(ひぢか)城主・奥平久兵衛貞友の娘であり、奥平信昌(のぶまさ)〈徳川家康の長女・亀姫の夫〉の前妻で、武田氏へ人質として出されていたが、奥平が徳川方に寝返ったために武田勝頼によって処刑された…

第846話 徳川に従い生き抜いた奥平信昌

序文・今川→武田→徳川 堀口尚次 奥平信昌は、戦国時代から江戸時代初期にかけての武将、大名。上野小幡藩初代藩主、後に美濃加納藩初代藩主。徳川家康の長女・亀姫を正室とし、家康に娘婿として重用された。三河国作手(つくで)の有力国人・奥平貞能(さだよし…

第845話 裸の王様

序文・人間心理の弱点 堀口尚次 『裸の王様』は、デンマークの童話作家ハンス・クリスチャン・アンデルセンが翻案し、1837年に発表した童話である。人間心理の弱点を辛辣(しんらつ)に捉えた寓話として著名な作品であり、アンデルセンの代表作の1つとされる。…

第844話 贖宥状

序文・お金と信心 堀口尚次 贖宥状(しょくゆうじょう)とは、16世紀にカトリック教会が発行した罪の償いを軽減する証明書。免償符(めんしょうふ)、贖宥符(しゅくゆうふ)とも呼ばれる。また、日本においては免罪符(めんざいふ)とも呼ばれ、「罪のゆるしを与え…

第843話 共匪の役割

序文・共産主義の暴徒 堀口尚次 共匪(きょうひ)とは、中華民国統治下の中国において、中国共産党の指導のもとに反政府的に活動したゲリラのことである。匪賊(ひぞく)〈集団をなして掠奪(りゃくだつ)・暴行などを行う賊徒〉のうち共産主義を掲げる集団とされ…

第842話 三菱財閥と関係ない三菱鉛筆

序文・GHQも混同 堀口尚次 三菱鉛筆株式会社は、日本の文房具製造会社である。鉛筆、色鉛筆、シャープペンシル、ボールペン、サインペンなどを製造・販売する。三菱鉛筆の三菱マークは三菱財閥より先に商標登録しており、三菱鉛筆は三菱グループ企業ではない…

第841話 カルピスをつくった男

序文・仏教哲学が根底にあった 堀口尚次 三島海雲(かいうん)〈明治11年 - 昭和49年〉は、明治・大正・昭和時代の日本の実業家。特に「カルピス」生みの親、カルピス株式会社の創業者として著名。明治11年、大阪府豊島郡下萱野村の浄土真宗本願寺派水稲山教学…

第840話 三法師こと織田秀信の生涯

序文・秀吉に翻弄された信長の孫 堀口尚次 織田秀信は、安土桃山時代から江戸時代にかけての武将、キリシタン大名。織田信忠の嫡男、織田信長の嫡孫。岐阜城主。織田政権三代当主。官位は正三位中納言で岐阜中納言とも呼ばれた。 天正8年、織田信忠の長子と…

第839話 三下と鉄火巻

序文・博徒が食べていた 堀口尚次 三下(さんした)とは、半丁打(はんちょううち)〈サイコロを使った賭博〉の仲間の内で下っ端の者を意味する言葉である。三下奴とも。また博打打の仲間でなくても下っ端の者を指したり、単に取るに足らない者を指す場合にでも…

第838話 鼠小僧

序文・義賊伝説 堀口尚次 鼠小僧こと次郎吉(じろきち)は、江戸時代後期の盗賊。 鼠小僧次郎吉として知られる。大名屋敷のみを狙って盗みに入り、人を疵つけることもなかったことから、後世に義賊〈国家や領主などの権力者からは犯罪者とされながらも、大衆か…

第837話 節婦・下村とう刀自

序文・国の誇り・婦人の手本 堀口尚次 下村とうは、天保14年に常滑村〈愛知県常滑市〉に生まれ、貧しいながら両親の深い愛情のもとに幼児期を送ったが、7才の時父と死別し苦難の人生が始まった。16才の時、船乗りを業(なりわい)とする下村徳五郎に嫁(か)し、…

第836話 憲政の常道

序文・総辞職と衆議院議員総選挙 堀口尚次 憲政の常道とは、大日本帝国憲法下の日本において一時期運用されていた、政党政治における政界の慣例のこと。 「天皇による内閣総理大臣や各国務大臣の任命〈大命降下〉において、衆議院での第一党となった政党の党…

第835話 南雲海軍大将の最期の訓示

序文・生きて虜囚の辱めを受けず 堀口尚次 南雲忠一(なぐもちゅういち)は、海軍軍人。海兵36期。太平洋戦争初期から中期にかけて第一航空艦隊および第三艦隊〈南雲機動部隊〉司令長官を務めた後、サイパンの戦いで自決。死後一階級特進により、最終階級は海…

第834話 青い目のサムライ

序文・旗本になったアダムズ 堀口尚次 ウィリアム・アダムズは、サムライの称号を得た最初の外国人だった。江戸時代初期に徳川家康に外交顧問として仕えたイングランド人の航海士、水先案内人、貿易家。日本名は三浦按針(あんじん)。 関ケ原の戦いの約半年前…

第833話 昭和新山

序文・私有地 堀口尚次 昭和新山は、北海道有珠(うす)郡壮瞥(そうべつ)町にある火山。または壮瞥町の地名。支笏洞爺(しこつとうや)国立公園内にあり、国の特別天然記念物に指定されている。また、有珠山とともに日本の地質百選に選定され、周辺地域が洞爺湖…

第832話 大政翼賛会

序文・国家体制の刷新 堀口尚次 大政翼賛会は、昭和15年10月12日から昭和20年6月13日まで存在した日本の政治結社。公事結社〈公益のみを目的とする結社。日本独自の概念で、外国では通用しない〉として扱われる。「大政」は、天下国家の政治、「天皇陛下のな…

第831話 無尽

序文・講などから発展 堀口尚次 無尽とは、日本の金融の一形態である。複数の個人や法人等が講等の組織に加盟して、一定または変動した金品を定期または不定期に講等に対して払い込み、利息の額で競合う競(せ)りや抽選によって、金品・物品の給付を受けるも…