ホリショウのあれこれ文筆庫

歴史その他、気になった案件を綴ってみました。

2023-06-01から1ヶ月間の記事一覧

第737話 継体天皇と淡墨桜

序文・伝承の天皇のお手植え桜 堀口尚次 継体天皇は、日本の第26代天皇。 諱はヲホド。『日本書紀』では男大迹王(をほどのおおきみ)、『古事記』では袁本杼命(をほどのみこと)と記される。また、『筑後国風土記』逸文に「雄大迹天皇(をほどのすめらみこと)」…

第736話 過積載の闇

序文・運送会社と荷主の関係 堀口尚次 過積載とは、貨物自動車に規定の積載重量を超えて貨物を積んで走る法律違反行為。また道路路面や道路構造に損傷を与え、周辺に騒音や震動による交通公害を及ぼす。新交通三悪のひとつ。 構造改革、規制緩和により運輸業…

第735話 戸田康光は本当に家康(竹千代)を売ったのか

序文・三河の複雑な勢力関係 堀口尚次 戸田康光(やすみつ)は、戦国時代の三河国の武将。渥美半島・三河湾一帯に勢力を振るった。初名は宗光で、松平清康〈家康の祖父〉の偏諱(へんき)を受けて康光と改める。 戸田氏の宗主として、三河田原城を根拠地としつつ…

第734話 戦災孤児の理不尽な現実

序文・国家無責任の法理 堀口尚次 NHKで「置き去りにされた子どもたち~沖縄戦争孤児の戦後~」を観た。孤児は米軍が創った孤児院に収容され、人口の1/4が戦死した沖縄では、戦後労働力不足から、生き残った島民にこの孤児たちを引き取らせる政策がとられた…

第733話 サイフォンの原理

序文・摩訶不思議 堀口尚次 サイフォンとは、隙間のない管を利用して、液体をある地点から目的地まで、途中出発地点より高い地点を通って導く装置であり、このメカニズムをサイフォンの原理と呼ぶ。 何らかの液体を、高い位置にある出発地点と低い位置にある…

第732話 大府発祥の地・大清水地蔵

序文・都落ちした公家 堀口尚次 愛知県大府(おおぶ)市桃山町に「大清水地蔵」なる地蔵堂がある。大府市の民話に「七津大夫(ななつたゆう)」という話しがあり、関連があるようなので、現地を訪れて設置の「大清水地蔵様の由来」を確認した。それによると『大…

第731話 不許葷酒入山門

序文・禅宗寺院にあり 堀口尚次 禁葷食(きんくんしょく)は、仏教の思想に基づく菜食の一種。精進料理では避けるべきと考えられている食材が大きく分けて2つあり、1つは三厭(さんえん)と呼ばれる動物性の食材、もう1つは五葷(ごくん)と呼ばれるネギ属などに分…

第730話 守護大名と守護代そして戦国大名

序文・正に下剋上 堀口尚次 守護大名は、軍事・警察権能だけでなく、経済的権能をも獲得し、一国内に領域的・一円的な支配を強化していった室町時代の守護を表す日本史上の概念。守護大名による領国支配の体制を守護領国制という。15世紀後期 - 16世紀初頭ご…

第729話 シマウマの縞模様のなぞ

序文・大自然の摂理 堀口尚次 シマウマ〈縞馬、斑馬〉は、哺乳綱ウマ目ウマ科ウマ属のうち、白黒の縞模様を持つ系統である。 数種〈現代的な分類では3種〉からなり、それらは単系統であるシマウマ亜属をなす。和名はシマ「ウマ」だが、ウマよりロバの系統と…

第728話 平岩親吉〈七之助〉の苦悩

序文・家康の側近から信康の側近へ 堀口尚次 平岩親吉(ちかよし)〈七之助〉は、戦国時代から江戸時代初期にかけての武将・大名。徳川氏の家臣。上野国厩橋藩〈前橋藩〉、尾張国犬山藩主。官位は従五位下・主計頭。徳川十六神将の一人に数えられる。『三河後…

第727話 粗にして野だが卑ではない

序文・言動が雑で粗暴であっても決して卑しい行いや態度をとらない 堀口尚次 石田礼助〈明治19年- 昭和53年は、日本の実業家。三井物産代表取締役社長・日本国有鉄道総裁。本名・石田禮(れい)助。 城山三郎の小説『粗にして野だが卑ではない―石田礼助の生涯 …

第726話 控除率=寺銭

序文・寺社の境内が賭博場 堀口尚次 ギャンブルにおける控除率とは、ある賭けに対してどれだけの手数料をとられるかを示す割合。ハウスエッジとも呼ぶ。似た言葉に寺銭(てらせん)があり、これは割合だけでなく一定の手数料、参加料も示す。控除率に対して、…

第725話 神功皇后社の由緒

序文・初の女帝 堀口尚次 筆者の地元・愛知県知多市に、「神功(じんぐう)皇后社」という小さな神社があり、「皇后の井」という井戸跡が残る。立札の「知多の歴史 八幡の語り草より」によると、 『神功皇后社は、人皇第十四代仲哀天皇の皇后で第十五代応神天…

第724話 警務官の特性

序文・軍隊の憲兵に相当 堀口尚次 警務官とは、陸・海・空の各自衛隊で部内の秩序維持の職務に専従する者であって、刑事訴訟法の規定による司法警察職員以下、司法警察員として職務を行う三等陸曹、三等海曹又は三等空曹以上の自衛官をいう〈特別司法警察職…

第723話 尺貫法の名残

序文・尺取り虫の由来 堀口尚次 尺貫法(しゃっかんほう)は、長さ・面積などの単位系の一つで、東南アジアで広く使用されている。尺貫法という名称は、長さの単位に「尺」、質量の単位に「貫」を基本の単位とすることによる。ただし、「貫」は日本独自の単位…

第722話 元帥と大元帥

序文・統帥権の頂点 堀口尚次 日本における元帥(げんすい)は、日本軍における最高位の階級または称号である。 元帥を超える階級もしくは称号は、天皇が称した大元帥(だいげんすい)のみである。明治5年から明治6年においては元帥〈陸軍元帥〉の階級を指す。た…

第721話 日本のウヰスキーの父・竹鶴政孝

序文・サントリーとニッカ 堀口尚次 竹鶴政孝は、広島県賀茂郡竹原町〈現・竹原市〉出身の日本の実業家。ウイスキー製造者、技術者。会社経営者。ニッカウヰスキーの創業者であり、サントリーウイスキーの直接的始祖、マルスウイスキーの間接的始祖でもある…

第720話 謀反の大賀弥四郎と山田八蔵

序文・謀反の謀反 堀口尚次 大賀(おおが)弥四郎は、戦国時代から安土桃山時代にかけての武士。徳川家康の嫡男・松平信康の家臣だったが、謀反を計画したために処刑された。正しくは大岡氏〈大岡弥四郎〉であるとする見解が有力である。 『三河物語』は弥四郎…

第719話 忠義の士・夏目広次

序文・家康の身代わり 堀口尚次 夏目吉信(よしのぶ)は、戦国時代の武将。松平氏〈徳川氏〉の譜代家臣。通称は次郎左衛門。一次史料上で確認できる実名は広次である。 永禄4年、三河長沢城攻めで軍功を上げ、永禄5年に板倉重定を攻めた三州八幡合戦〈八幡村城…

第718話 サインポールの不思議

序文・床屋さん 堀口尚次 サインポールは、理容所を示す細長い円柱形の看板。赤・白・靑の三色の縞模様〈レジメンタル・ストライプ〉が回転する。 語句そのものは和製英語であり、英語ではbarber’s pole または barber pole と呼ばれる。 理容所であることを…

第717話 供託金の是非

序文・基本的人権に抵触するか 堀口尚次 供託金とは、法令の規定により法務局などの供託所に供託された金銭。公職選挙において、売名や泡沫候補の乱立を阻止するための制度。金額は出馬する選挙によって異なり、法定得票数に達しない得票率の場合は全額没収…

第716話 磔になった鳥居強右衛門

序文・信長が認めた忠義心 堀口尚次 鳥居強右衛門(すねえもん)は、戦国時代の日本の足軽。奥平家の家臣。名は勝商(かつあき)。 鳥居強右衛門が歴史の表舞台に登場するのは、天正3年の長篠の戦いの時だけで、それまでの人生についてはほとんど知られていない…

第715話 三十二相八十種好

序文・お釈迦様のお姿 堀口尚次 三十二相八十種好(さんじゅうにそうはちじっしゅこう)とは、釈迦の姿の32の特徴を言語によって数え上げたもの。三十二相を詳述したものが八十種好相であり、見てすぐに分かる三十二相と、微細な特徴である八十種好を併せたも…

第714話 在日朝鮮人の帰還事業

序文・為政者の責任 堀口尚次 在日朝鮮人の帰還事業とは、1950年代から1984年〈昭和59年〉にかけて行われた在日朝鮮人とその家族による日本から朝鮮民主主義共和国〈以下、北朝鮮〉への集団的な永住帰国あるいは移住である。主として1959年から1967年にかけ…

第713話 ABCD包囲網

序文・経済制裁か経済封鎖 堀口尚次 ABCD包囲網とは、昭和10年頃から、海外に進出する日本に対抗して行われた石油や屑鉄(くずてつ)など戦略物資の輸出規制・禁止による米英蘭中諸国による経済的な対日包囲網。「ABCD」とは、貿易制限を行っていたアメリカ〈A…

第712話 ノブレス・オブリージュ

序文・高貴な者の定め 堀口尚次 ノブレス・オブリージュとは、日本語で「位高ければ徳高きを要す」を意味し、一般的に財産、権力、社会的地位の保持には義務が伴うことを指す。 英語では、ファニー・ケンブルが、1837年の手紙に「……確かに、『貴族が義務を負…

第711話 武将が信仰した摩利支天

序文・徳川家康も信仰 堀口尚次 摩利支天(まりしてん)〈 梵: Mārīcī、マーリーチー、訳:陽炎、威光〉は、仏教の守護神である天部の一尊。梵天の子、または日天(にちてん)の妃(きさき)ともいわれる。摩里支菩薩、威光菩薩とも呼ばれる。 摩利支天〈マーリー…

第710話 海賊大名・九鬼嘉隆

序文・水軍武将 堀口尚次 九鬼嘉隆(くきよしたか)は、日本の戦国時代から安土桃山時代にかけての武将、大名。九鬼水軍を率いた水軍武将であり、九鬼氏の11代当主。 志摩の国衆の一員として身を起こし、織田信長や豊臣秀吉のお抱え水軍として活躍し、志摩国を…

第709話 野口雨情の哀愁

序文・カラスの勝手でしょ 堀口尚次 野口雨情(うじょう)、明治15年 - 昭和20年は、詩人、童話・民謡作詞家。多くの名作を残し、北原白秋、西條八十(やそ)とともに、童謡界の三大詩人と謳われた。 本名・野口英吉。廻船問屋を営む名家〈楠木正季(まさすえ)が…

第708話 日米対抗ローラーゲーム

序文・ローラースケート靴が大流行 堀口尚次 日米対抗ローラーゲームは1972年から1975年9月にかけて、東京12チャンネルが制作・放送したスポーツ中継の番組である。 「殴る!!蹴る!!つぶす!! 話題のスポーツローラーゲーム」といううたい文句で知られるローラ…