テレビ・映画・文学
序文・忠臣蔵の隠れた名場面 堀口尚次 近日表題と同名の映画が公開されるそうだ。私はこの言葉を聴くと、どうしても長谷川一夫が大石内蔵助を演じた1958年の映画「忠臣蔵」の一場面を思い出してしまう。 大石内蔵助は東下りの際に「垣見五郎兵衛」という変名…
序文・弁慶の機転 堀口尚次 勧進帳は、如意の渡しでの出来事を基軸にした能の演目『安宅(あたか)』を元に創られた義経と弁慶を題材とした歌舞伎の演目。歌舞伎十八番の一つで、松羽目物の先駆けとなった作品である。あくまでも後の時代に創られた話で、史実…
序文・夏目漱石の文学 堀口尚次 人間が社会で生きていくうえで、理知のみに割り切っていたならばこのことで他人と衝突する。だが他人の感情に気を使っていてばかりでは、自らの足をすくわれるようになるということである。この言葉では人付き合いの難しさが…
序文・弥次喜多 堀口尚次 『東海道中膝栗毛(ひざくりげ)』は、享和2年から11年にかけて初刷りされた、十返舎一九(じっぺんしゃいっく)の滑稽本である。「栗毛」は栗色の馬。「膝栗毛」とは、自分の膝を馬の代わりに使う徒歩旅行の意である。 人気作品となり…
序文・子供が赤ちゃんの子守り 堀口尚次 五木の子守唄は、熊本県球磨郡五木村に伝わる子守唄である。子守唄には子守女がみずからの貧しく恵まれない薄幸な境遇〈年貢代わりに働かされる〉を嘆き、悲しい日々の生活心情を基盤に、この種の子守唄は伝承されて…
序文・夏の季語満載 堀口尚次 山口素堂(そどう)〈寛永19年 - 享保元年〉は、江戸時代前期の俳人である。本名は信章。幼名は重五郎、通称は勘〈官〉兵衛、あるいは市右衛門。字は子普、公商。 生まれは甲斐国巨摩郡上教来石村〈現・北社市、旧北巨摩郡白州町…
序文・万歳から漫才へ 堀口尚次 玉子屋円辰〈慶応元年- 昭和19年)は日本の萬歳および音頭取りの芸人。明治末期から昭和初期にかけ、古典芸能であった萬歳をのちの「漫才」につながる近代的な形式の寄席芸能に仕立て直し、多くの後進を育てたことから、「上方…
序文・魔王が封印された建物 堀口尚次 伏魔殿(ふくまでん)とは、中国の伝奇小説『水滸伝(すいこでん)』に登場する建物、または英国の叙情詩『失楽園』に登場する都市の名前。悪魔がひそむ殿堂の意。また転じて陰謀や悪事などが絶えずたくらまれる場所を指す…
序文・職業選択の自由 堀口尚次 ミゼットプロレスは、小人(こびと)症のレスラーが試合をするプロレス。通称「小人プロレス」。闘う人をミゼットレスラーと呼んでいる。メキシコでは小人症に限定せず低身長のレスラーをミニエストレージャと呼んでいる。日本…
序文・妻は夫をいたわりつ 堀口尚次 『壺坂霊験記(つぼさかれいげんき)』は、明治時代に作られた浄瑠璃の演目。盲人とその妻の夫婦愛を描いた世話物〈時代物〉、一段。歌舞伎や講談、浪曲の演目にもなり、人気を集めた。『壺坂観音霊験記』『壺坂』とも言う…
序文・落ちぶれ果てゝも平手は武士じゃ 堀口尚次 「大利根無情」は、昭和34年6月に発売された三波春夫のシングル。天保15年8月6日、下総国笹川〈現在の千葉県香取郡東庄町笹川〉の大利根河原で起きた「大利根河原の決闘」で、飯岡助五郎との決闘に笹川繁蔵方…
序文・旅の夜風 堀口尚次 愛染カツラは、長野県上田市別所温泉の北向(きたむき)観音境内に生育するカツラの巨木〈雄株〉である。推定の樹齢は300年以上、600年から650年、1000年以上などの諸説があり、慈覚大師円仁と千手観音にまつわる伝説が残されている。…
序文・カラスの勝手でしょ 堀口尚次 野口雨情(うじょう)、明治15年 - 昭和20年は、詩人、童話・民謡作詞家。多くの名作を残し、北原白秋、西條八十(やそ)とともに、童謡界の三大詩人と謳われた。 本名・野口英吉。廻船問屋を営む名家〈楠木正季(まさすえ)が…
序文・ローラースケート靴が大流行 堀口尚次 日米対抗ローラーゲームは1972年から1975年9月にかけて、東京12チャンネルが制作・放送したスポーツ中継の番組である。 「殴る!!蹴る!!つぶす!! 話題のスポーツローラーゲーム」といううたい文句で知られるローラ…
序文・花札の一枚 堀口尚次 小野道風(おののとうふう)は、平安時代前期から中期にかけての貴族・能書家。参議・小野篁(たかむら)の孫で、大宰大弐・小野葛絃(かずらお)の三男。官位は小四位下・内蔵(くらの)頭(かみ)。それまでの中国的な書風から脱皮して和…
序文・職業野球 堀口尚次 指名打者とは、米国メジャーリーグの公式ルールや日本の公認野球規則などにもとづき、野球の試合において攻撃時に投手に代わって打者に立つ、攻撃専門の選手のことをいう。DHともいう。 指名打者は守備位置に一切就かず、本来投手が…
序文・生命の尊厳 堀口尚次 手塚治虫、昭和3年 - 平成元年は、日本の漫画家・アニメ監督・医師。勲等は勲三等。学位は医学博士。本名は手塚治〈読み同じ〉。戦後日本においてストーリー漫画の第一人者として、漫画表現の開拓者的な存在として活躍した。兵庫…
序文・異色のフォークシンガー 堀口尚次 岡林信康は、日本のシンガーソングライター。実家は教会で、父親は牧師。熱心なキリスト教信者であったが、実家の教会の不良少女の扱い〈お祈りをさせないなど〉に疑問を感じ「脱出」、その後社会主義運動に身を投じ…
序文・人間が生み出した恐怖の象徴 堀口尚次 ゴジラは、東宝が公開した特撮怪獣映画『ゴジラ』に始まる一連のシリーズ作品および、それらの作品に登場する架空の怪獣の名称である。 1954年に第1作が公開されて以降、半世紀以上に亘って製作されている怪獣映…
序文・強いぞガメラ! 堀口尚次 ガメラは、大映〈現:KADOKAWA〉が1965年に公開した特撮映画『大怪獣ガメラ』に登場する架空の怪獣の名称。『大怪獣ガメラ』以降も続編、及びガメラの登場する映画作品が継続的に製作されており、これら全作品を総称してガメ…
序文・日本人小野洋子の影響多大 堀口尚次 ジョン・ウィンストン・オノ・レノン、1940年10月9日 - 1980年12月8日は、イギリス出身のシンガーソングライター、ギタリスト、キーボディスト、平和運動家。ビートルズを立ち上げたリーダーでボーカル、ギターなど…
序文・1、2、3 ダー!! 堀口尚次 プロレスラーとしては新日本プロレスの創業や異種格闘技戦で活躍。政治家としては参議院議員〈2期〉、スポーツ平和党代表、次世代の党国民運動局長兼参議院政策調査会長、日本を元気のする会最高顧問、同代表などを歴任。 …
序文・横溝正史の「悪魔の手毬歌」も怖かった 堀口尚次 はないちもんめ(花一匁)は、こどもの遊びのひとつ。2組に分かれて、歌を歌いながら歩き、メンバーのやりとりをする。値段が銀一匁(もんめ)の花を買う際に、値段をまけて悲しい売り手側と、安く買って…
序文・繰り返されるウクライナの悲劇 堀口尚次 映画「ひまわり」は1970年公開のイタリア・フランス・ソビエト連邦・アメリカ合衆国の合作映画。戦争によって引き裂かれた夫婦の行く末を悲哀たっぷりに描いた作品で、エンディングでの地平線にまで及ぶ画面一…
序文・テレビ漫画「タイガーマスク」もよく観た 堀口尚次 私が中学生の頃、プロレスが大流行りで、男子の間ではテレビ中継の翌日はプロレスの話題で持ちきりだった。以下に当時の人気レスラーを紹介します。 ①ジャイアント馬場 言わずと知れた日本プロレス界…
序文・差別と宿命 堀口尚次 『砂の器』は、松本清張の長編推理小説。 東京都内、大田区蒲田駅の操車場で起きた、ある殺人事件を発端に、刑事の捜査と犯罪者の動静を描く長編小説。清張作品の中でも特に著名な一つ。ハンセン氏病を物語の背景としたことでも知…
序文・過度の演出がやらせを生んだ背景 堀口尚次 やらせとは、事実関係に作為・捏造をしておきながらそれを隠匿し、作為などを行っていない事実そのままであると(またはあるかのように)見せる・称することを言う。片仮名で「ヤラセ」とも表記される。 新聞…
序文・カウボーイ・ハットに憧れました 堀口尚次 西部劇とは、19世紀後半のアメリカ合衆国の西部開拓時代に当時フロンティアと呼ばれた主にアメリカ西部の未開拓地を舞台にした映画です。南北戦争後のアメリカ西部を舞台に、開拓者魂を持つ白人を主人公に無…
序文・それにしても小説「夜明け前」は難解だった・・・ 堀口尚次 島崎藤村は、明治5年生れ、信州木曽・中山道馬籠(まごめ)〈現在の岐阜県中津川市)の詩人・作家。ロマン主義詩人として詩集を出版。さらに小説に転じ、『破壊』などで代表的な自然主義作家と…
序文・八つ墓明神の祟りじゃ 堀口尚次 始めに申し上げますが、以下の内容で映画のネタ(犯人等)をバラシていますので、さしさわりがある場合は、読まないで下さい。悪しからず・・・。 映画になった「八つ墓村」「獄門島」「犬神家の一族」「悪魔の手毬歌」…