ホリショウのあれこれ文筆庫

歴史その他、気になった案件を綴ってみました。

2022-04-01から1ヶ月間の記事一覧

第314話 郷土の偉人・トマト王

序文・カゴメケチャップ・ソース発祥の地 堀口尚次 蟹江一太郎は、カゴメ創業者であり「トマト王」とも称される。明治8年、愛知県知多郡名和村〈現・東海市名和町〉に農家の長男として出生。当時の名前は佐野市太郎。明治26年18歳で蟹江家に婿入りしたが、近…

第313話 映画「ひまわり」とウクライナ

序文・繰り返されるウクライナの悲劇 堀口尚次 映画「ひまわり」は1970年公開のイタリア・フランス・ソビエト連邦・アメリカ合衆国の合作映画。戦争によって引き裂かれた夫婦の行く末を悲哀たっぷりに描いた作品で、エンディングでの地平線にまで及ぶ画面一…

第312話 延命治療の意味と葛藤

序文・自分の親族となると・・・ 堀口尚次 延命治療とは、疾病の根治ではなく延命を目的とした治療のことである。対症療法の1つ。 生命予後不良で根治が見込めない患者に対し、人工呼吸や輸血、輸液などによって延命を図ることを目的とする。医療技術の発達…

第311話 プロ野球と高校野球の違い

序文・どちらも真剣勝負 堀口尚次 プロ野球・ロッテとオリックスの公式戦で、佐々木投手が投じた外角直球を白井球審がボールとジャッジ。この判定に対する表情が不服に映ったのか、白井球審はマスクを取り、鬼の形相でマウンドに詰め寄った。このことが連日…

第310話 昭和東南海地震

序文・軍需工場転用と隠匿 堀口尚次 昭和東南海地震は、昭和19年12月7日午後1時36分から、紀伊半島東部の熊野灘、三重県尾鷲市沖約20キロメートルから浜名湖沖まで破壊が進行した、マグニチュード7.9のプレート境界型巨大地震。単に「東南海地震」または「19…

第309話 六曜の成り立ちと昨今

序文・根拠のない迷信 堀口尚次 六曜(ろくよう)は、暦注(れきちゅう)〈暦(こよみ)に記載される日時・方位などの吉凶、その日の運勢などの事項〉の一つで、先勝(せんしょう)・友引(ともびき)・先負(せんぶ)・仏滅(ぶつめつ)・大安(たいあん)・赤口(しゃっこう…

第308話 日本文化に浸透した儒教

序文・仁義を欠いちゃあいられやしない 堀口尚次 儒教は、孔子を始祖とする思考・信仰の体系。紀元前の中国に興り、東アジア各国で2000年以上に亘り強い影響力を持つ。その学問的側面から儒学、思想的側面からは名教ともいう。大成者の孔子から、孔教・孔子…

第307話 上杉鷹山の妻子

序文・どもまでも謙虚な上杉鷹山 堀口尚次 米沢藩9第藩主・上杉鷹山は、日向国〈現・宮崎県〉高鍋藩6代藩主秋月種美の次男で、母は筑前国秋月藩4代藩主黒田長貞の娘・春姫。母方の祖母の豊姫が米沢藩4代藩主上杉綱憲の娘である。このことが縁で、10歳で米沢…

第306話 名鉄弥富駅近辺散策

序文・史跡巡り 堀口尚次 4月19日に「終点駅近辺散策シリーズ」の13回目として、愛知県弥富(やとみ)市の名鉄弥富駅から一つ手前の五ノ三駅までを3時間かけて散策し、神社・祠・お寺・お堂・史跡等を訪ね歩きました。 今回は、名鉄名古屋駅の一つ手前の金山駅…

第305話 春雨じゃ濡れて参ろう

序文・武市の志は、坂本龍馬から板垣退助へ。 堀口尚次 これは、昔の映画や 新国劇 『 月形半平太 』で、出てくる有名なせりふ。 実在の土佐藩士・武市瑞山(たけうちずいざん)〈通称 武市半平太〉が、三条の宿を出るときに、舞妓の雛菊(ひなぎく)が「月様、…

第304話 満州国

序文・独立国家か傀儡国家か 堀口尚次 満洲国は、1932年から1945年の間、満洲〈現在の中国東北部〉に存在した国家。1931年、柳条湖(りゅうじょうこ)事件〈関東軍が南満州鉄道の線路を爆破した事件であり、関東軍はこれを中国軍による犯行と発表することで、…

第303話 近衛文麿の最期

序文・戦犯の汚名は耐えがたし 堀口尚次 近衛文麿は、五摂家・近衛家の第30第当主であり、後陽成天皇の12世孫に当たる。貴族院議長・枢密院議長を歴任している。 3度にわたり内閣総理大臣に任命され、第一次近衛内閣、第二次近衛内閣、第三次近衛内閣を組織…

第302話 木炭自動車が闊歩していた

序文・軍用の燃料確保が目的 堀口尚次 木炭自動車とは、木炭をエネルギー源とし、車載した木炭ガス発生装置で不完全燃焼により発生する一酸化炭素ガスと同時にわずかに発生する水素〈合成ガス〉とを回収、これを内燃機関の燃料として走る自動車である。 第一…

第301話 津軽藩士殉難事件

序文・ロシアとの因縁は・・・ 堀口尚次 津軽藩士殉難事件は、江戸時代後期の文化露寇(ろこう)のさなか北海道知床半島西岸の斜里郡〈現北海道斜里町〉で発生した大量遭難事件。 18世紀以来、日本との通商を求めるロシアはしきりと接触を図ってきた。1792年に…

第300話 見張り塔からずっと

序文・ものみの塔 堀口尚次 「ここから抜け出す手段があるはずだ」道化師は盗人に言った「混乱ばかりで休めやしない。事業家どもは俺のワインを飲み 農夫どもは俺の土地を耕す やつらの誰一人としてその価値をわかっちゃいない」 「そんなにイラつく事じゃな…

第299話 決意の自害・山内豊福

序文・忠に生きるか孝に生きるか 堀口尚次 山内豊福(とよよし)は、江戸時代後期から幕末にかけての大名。土佐新田藩5代藩主。宗藩と旧幕軍の板ばさみとなり、33歳で妻の山内典子(かねこ)とともに自刃した。 土佐藩の支藩である土佐新田藩は、1万3000石を本藩…

第298話 血盟団事件

序文・226事件の序章 堀口尚次 血盟団事件は、昭和7年に発生した連続テロ〈政治暗殺〉事件。政財界の要人が多数狙われ、井上準之助〈日本銀行総裁・大蔵大臣〉と團琢磨(だんたくま)〈三井財閥総帥〉が暗殺された。当時の右翼運動史の流れの中に位置づけて言…

第297話 幕末まで続いた織田信雄の家系

序文・あのスケート選手もこの家系だろうか 堀口尚次 織田信雄(のぶかつ)は、安土桃山時代から江戸時代初期にかけての武将・大名。大和宇陀松山藩の初代藩主。永禄元年、尾張国丹羽郡小折〈現在の愛知県江南市〉の生駒屋敷で織田信長の次男として生まれる。 …

第296話 両統迭立から南北朝の動乱へ

序文・今上天皇は北朝 堀口尚次 両統迭立(りょうとうてつりつ)は、一国の世襲君主の家系が2つに分裂し、それぞれの家系から交互に君主を即位させている状態である。「迭」は「たがいに」「かわるがわる」の意。日本では、鎌倉時代に皇統が2つの家系に分裂し…

第295話 終点駅近辺散策シリーズ

序文・昭和レトロな旅路 堀口尚次 4月8日金曜日に、久しぶりに名古屋鉄道終点駅の近辺を散策しました。今回は、尾西線の玉ノ井方面の終点駅・玉ノ井駅〈愛知県一宮市〉で下車です。天候にも恵まれ、気温は20度を超えていたので、長袖を着ていましたが途中腕…

第294話 戦国時代に翻弄された松姫

序文・武田信玄公息女 堀口尚次 松姫は、甲斐国の戦国大名である武田信玄の五女。 永禄年間に武田氏は尾張国の織田氏と接し、信玄の世子・勝頼の正室には織田信長の養女遠山氏の娘を迎えていたが、永禄10年に勝頼正室は死去し、同年には武田・織田同盟の補強…

第293話 八甲田雪中行軍遭難事件

序文・真実は雪の中に・・・ 堀口尚次 八甲田雪中行軍遭難事件は、明治35年1月に日本陸軍第8師団の歩兵第5連隊が青森市街から八甲田山の田代新湯に向かう雪中行軍の途中で遭難した事件。訓練への参加者210名中199名が死亡〈うち6名は救出後死亡〉するという…

第292話 彦根藩側から見た「桜田門外の変」

序文・譜代筆頭であり大老という立場 堀口尚次 桜田門外の変は、安政7年3月3日に江戸城桜田門外〈現在の東京都千代田区霞が関〉で水戸藩からの脱藩者17名と薩摩藩士1名が彦根藩の行列を襲撃、大老井伊直弼を暗殺した事件。 彦根藩側は、襲撃により、藩主で…

第291話 八重姫と北条政子の関係

序文・平家と源氏の板挟み 堀口尚次 八重姫は、平安時代末期の女性。伊豆国伊東庄〈現・静岡県伊東市〉の豪族であり、頼朝の監視役であった伊東祐親(すけちか)の三女。源頼朝の最初の妻とされる。頼朝の初子・千鶴御前〈千鶴丸〉の母。八重姫は、延慶(えんぎ…

第290話 「桶狭間の戦い」の場所の戦い

序文・名古屋市VS豊明市 堀口尚次 桶狭間の戦いは、永禄3年に尾張国知多郡桶狭間での織田信長軍と今川義元軍の合戦。2万5千人の大軍を率い尾張に侵攻した今川義元に対し、尾張の織田信長が本陣を奇襲、または正面から攻撃し、今川義元を討ち取った。 戦後…

第289話 碧血碑

序文・山上に石を建て、以ってその志を表す。 堀口尚次 碧血碑(へっけつひ)は、北海道函館市、函館山の麓(ふもと)に明治8年5月に建立された戊辰戦争、特に箱館戦争における旧幕府軍の戦死者を記念する慰霊碑。土方歳三などをはじめとする約800人の戦死者を弔…

第288話 護良親王の無念

序文・血生臭い南北朝時代の前兆 堀口尚次 護良親王(もりよししんのう)は、鎌倉時代末期から建武の新政期の皇族・僧侶・武将・天台座主・征夷大将軍。還俗前の名は尊雲法親王(そううんほっしんのう)、通称を大塔宮(おおとうのみや)とも。一般に後醍醐天皇の…

第287話 天誅組の変

序文・維新の魁 堀口尚次 天誅(てんちゅう)組の変は、幕末の文久3年に吉村虎太郎をはじめとする尊皇攘夷派浪士の一団〈天誅組〉が公卿・中山忠光を主将として大和国で決起し、後に幕府軍の討伐を受けて壊滅した事件である。その活動は文久3年8月17日の大和国…

第286話 インパール作戦の責任

序文・精神論の杜撰な作戦 堀口尚次 インパール作戦〈日本側作戦名:ウ号作戦〉とは、第二次世界大戦のビルマ戦線において、昭和19年3月に帝国陸軍により開始、7月初旬まで継続された、援蒋ルート〈日中戦争における大日本帝国と中華民国の蒋介石政権の対立…

第285話 異端児・高杉晋作

序文・将軍に「よぉ!征夷大将軍!」と声かけした? 堀口尚次 高杉晋作は、幕末長州藩の尊皇攘夷志士として活躍。奇兵隊など諸隊を創設し、長州藩を倒幕に方向付けた。吉田松陰が主宰していた松下村塾に入り、松下村塾四天王の一人となった。師の松陰が安政…