ホリショウのあれこれ文筆庫

歴史その他、気になった案件を綴ってみました。

幕末維新

第523話 知多半島の烽火台

序文・黒船対策の遺構 堀口尚次 烽火(のろし)とは、物を焼くことで煙を上げ、それを離れたところから確認することによって、情報を伝達する手段である。夜間など煙が見えない場合は、火そのものも使われる。狼煙(のろし)とも書く。特長としては、人や馬が手…

第496話 梟首された江藤新平

序文・悲惨な結末 堀口尚次 江藤新平、天保5年 - 明治7年は、江戸時代後期の武士〈佐賀藩士・権大参事〉、明治時代の政治家、官吏、教育者。幼名は恒太郎、又蔵。諱は胤雄、胤風とも、号は南白または白南。朝臣としての正式な名のりは平胤雄(たいらのたねお)…

第490話 斬首された前原一誠

序文・武士の信念を生きた 堀口尚次 前原一誠(いっせい)は、日本の武士〈長州藩士〉。諱(いみな)は一誠。通称は八十郎(やそろう)、彦太郎。倒幕運動の志士として活躍したが、明治維新後、萩の乱の首謀者として処刑された。位階は贈従四位。維新の十傑の一人…

第428話 明治天皇〈睦仁親王〉すり替え説

序文・後醍醐天皇の怨念か 堀口尚次 明治天皇は、江戸時代最期の天皇であった孝明天皇の子であることは事実だが、孝明天皇が崩御して、僅か14歳で即位した睦仁(むつひと)親王は、明治維新時にすり替えられたとする説が存在する。 そもそもこの説は、昭和4年…

第427話 孝明天皇崩御の謎

序文・最期の在京天皇のタブー 堀口尚次 明治天皇の父である孝明天皇は、慶応2年12月、風邪気味であったが宮中で執り行われた神事に医師たちが止めるのを押して参加し翌1月に発熱する。診察した結果、天皇が痘瘡(とうそう)〈天然痘〉に罹患(りかん)している…

第408話 討幕の密勅

序文・大政奉還との駆け引き 堀口尚次 討幕の密勅(みっちょく)とは、江戸時代最末期の慶応3年10月14日、薩摩藩と長州藩に秘密裡に下された、徳川慶喜討伐の詔書(しょうしょ)〈天皇の命令文書〉、または綸旨(りんじ)〈天皇の意を受けて発給する命令文書〉であ…

第395話 武田耕雲斎の覚悟

序文・立場と運命 堀口尚次 武田耕雲斎(こううんさい)は、幕末の武士。水戸藩の天狗党の首領。名は正生。通称は彦九郎。号は如雲。位階は贈正四位。官位は伊賀守。松原神社〈敦賀市〉の祭神。靖国神社合祀。 徳川斉昭の藩主擁立に尽力した功績などから、天保…

第394話 幻の東武天皇

序文・波乱万丈の皇族 堀口尚次 北白川宮能久(よしひさ)親王は、北白川宮2代。陸軍軍人。最後の輪王寺宮(りんおうじのみや)となる。 輪王寺宮が戊辰戦争中の慶応4年に彰義隊に擁立された頃、または奥羽越列藩同盟に迎えられた頃、東武皇帝あるいは東武天皇と…

第388話 水野忠邦・天保の改革の是非

序文・江戸幕府崩壊の足音が・・・ 堀口尚次 天保年間には全国的な凶作による米価・物価高騰や天保の大飢饉、百姓一揆や都市への避難民流入による打ち壊しが起こっており、大坂での大塩平八郎の乱などの国内事情に加え、アヘン戦争やモリソン号事件など対外…

第381話 清河八郎がやろうとしたこと

序文・ミイラ取りがミイラになってしまった 堀口尚次 清河八郎は、庄内藩出身の志士。九州遊説をして尊王攘夷派の志士を京都に呼び寄せ、一方で浪士組を結成し新選組・新徴組への流れを作り、自らも虎尾の会を率いて明治維新の火付け役となった。 江戸に出て…

第380話 江戸城無血開城の立役者・山岡鉄舟

序文・赤誠の人 堀口尚次 幕臣・山岡鉄舟(てっしゅう)は、江戸無血開城を決した勝海舟と西郷隆盛の会談に先立ち、徳川慶喜の使者として官軍の駐留するす駿府に辿り着き、伝馬町の松崎屋源兵衛宅で西郷と面会して談判する。 これに先立つ江戸城重臣会議におい…

第379話 一条美香子の数奇な運命

序文・封建時代最期の犠牲者か 堀口尚次 一条美賀子〈徳川美賀子〉は、幕末から明治の公家女性で、最後の征夷大将軍・徳川慶喜の正室。実父は今出川公久(きんひさ)〈公卿・権中納言〉、養父は一条忠香(ただよし)〈公卿・左大臣〉、正憲皇太后(しょうけんこう…

第348話 朔平門外の変

序文・天皇のお膝元での事件 堀口尚次 幕末の桜田門外の変〈大老・井伊直弼暗殺〉や坂下門外の変〈老中・安藤信正襲撃〉はいずれも江戸城の門外で起きた事件で有名だが、朔平(さくへい)門外の変は、京都御所の門外で起きた公家暗殺事件である。 破約攘夷を唱…

第344話 庚午事変・稲田騒動

序文・明治になってもまだ切腹刑はあった 堀口尚次 庚午(こうご)事変は、明治3年に当時の徳島藩淡路洲本城下で洲本在住の蜂須賀家臣の武士が、筆頭家老稲田邦植の別邸や学問所などを襲った事件。稲田騒動とも呼ばれる。結果的に淡路島の帰属をめぐる重要な事…

第305話 春雨じゃ濡れて参ろう

序文・武市の志は、坂本龍馬から板垣退助へ。 堀口尚次 これは、昔の映画や 新国劇 『 月形半平太 』で、出てくる有名なせりふ。 実在の土佐藩士・武市瑞山(たけうちずいざん)〈通称 武市半平太〉が、三条の宿を出るときに、舞妓の雛菊(ひなぎく)が「月様、…

第299話 決意の自害・山内豊福

序文・忠に生きるか孝に生きるか 堀口尚次 山内豊福(とよよし)は、江戸時代後期から幕末にかけての大名。土佐新田藩5代藩主。宗藩と旧幕軍の板ばさみとなり、33歳で妻の山内典子(かねこ)とともに自刃した。 土佐藩の支藩である土佐新田藩は、1万3000石を本藩…

第292話 彦根藩側から見た「桜田門外の変」

序文・譜代筆頭であり大老という立場 堀口尚次 桜田門外の変は、安政7年3月3日に江戸城桜田門外〈現在の東京都千代田区霞が関〉で水戸藩からの脱藩者17名と薩摩藩士1名が彦根藩の行列を襲撃、大老井伊直弼を暗殺した事件。 彦根藩側は、襲撃により、藩主で…

第289話 碧血碑

序文・山上に石を建て、以ってその志を表す。 堀口尚次 碧血碑(へっけつひ)は、北海道函館市、函館山の麓(ふもと)に明治8年5月に建立された戊辰戦争、特に箱館戦争における旧幕府軍の戦死者を記念する慰霊碑。土方歳三などをはじめとする約800人の戦死者を弔…

第287話 天誅組の変

序文・維新の魁 堀口尚次 天誅(てんちゅう)組の変は、幕末の文久3年に吉村虎太郎をはじめとする尊皇攘夷派浪士の一団〈天誅組〉が公卿・中山忠光を主将として大和国で決起し、後に幕府軍の討伐を受けて壊滅した事件である。その活動は文久3年8月17日の大和国…

第285話 異端児・高杉晋作

序文・将軍に「よぉ!征夷大将軍!」と声かけした? 堀口尚次 高杉晋作は、幕末長州藩の尊皇攘夷志士として活躍。奇兵隊など諸隊を創設し、長州藩を倒幕に方向付けた。吉田松陰が主宰していた松下村塾に入り、松下村塾四天王の一人となった。師の松陰が安政…

第283話 屯田兵の歴史

序文・北海道開拓の礎 堀口尚次 屯田兵(とんでんへい)は、明治時代に北海道の警備と開拓にあたった兵士とその部隊である。明治7年に制度が設けられ、翌年から実施、明治37年に廃止された。 屯田〈兵士による開拓〉制を北海道に実施するという考えは、明治初…

第277話 島津久光の抵抗

序文・幕末薩摩の光と影 堀口尚次 島津久光は、幕末の薩摩藩における事実上の最高権力者で、公武合体運動を推進した。幕末四賢候の一人で第11第薩摩藩主・島津斉彬は異母兄であり、第12第藩主・島津忠義は久光の長男である。久光は藩主の父であることから「…

第268話 最後の老中・板倉勝静

序文・幕末の老中の立場は微妙 堀口尚次 板倉勝静(かつきよ)は、幕末の大名。備中松山藩7代藩主。板倉宗家13代当主。江戸幕府の奏者番・寺社奉行・老中首座〈筆頭〉を歴任した。 藩政改革が評価されて幕府から奏者番兼寺社奉行に任じられたが、安政の大獄…

第263話 壬生義士伝の再考

序文・義と愛と友情 堀口尚次 『壬生(みぶ)義士伝』は、浅田次郎による日本の歴史小説。南部地方盛岡藩の脱藩浪士で新選組隊士の吉村貫一郎を題材とした時代小説である。足軽身分で貧困ゆえ脱藩して新選組に入隊。守銭奴(しゅせんど)〈お金に強い執着心を持…

第257話 吉田松陰の志(こころざし)

序文・その他大勢では終わらない 堀口尚次 吉田松陰は、江戸時代後期の日本の武士〈長州藩士〉、思想家、教育者。山鹿流兵学師範。明治維新の精神的指導者・理論者。「松下村塾」で明治維新に重要な働きをする多くの若者へ影響を与えた。 嘉永6年、ペリーが…

第255話 新選組の紆余曲折

序文・組織を維持するための血生臭い歴史 堀口尚次 「第61話・新選組と袂を分かちた新徴組」でも取り上げたが、今回は新選組に焦点を合わせて、その成り立ちと粛清の歴史を記す。幕末の京都は政治の中心地であり、諸藩から尊皇攘夷・倒幕運動の志士が集まり…

第250話 悲運の殿様・松平容保(かたもり)

序文・尊皇と佐幕の狭間に生きた殿様 堀口尚次 幕末の会津藩主だった松平容保が、京都守護職を拝命した時、家老らは急ぎ会津より到着し、京都守護職就任を断る姿勢を取った。家臣たちは容保に謁し「このころの情勢、幕府の形勢が非であり、いまこの至難の局…

第222話 大隈重信なのであるんである

序文・旧肥前藩士から明治新政府の中枢へ上り詰めた男 堀口尚次 大隈重信は、参議・大蔵卿・内閣総理大臣・外務大臣・農省務大臣・内務大臣・枢密顧問官を歴任し、報知新聞の経営や、高等教育機関を育成するために力を注いだ教育者でもある。 幕末佐賀藩の上…

第216話 靖国神社に建つ大村益次郎

序文・トコトンヤレ 堀口尚次 『宮さん宮さんお馬の前にヒラヒラするのは何じゃいなトコトンヤレトンヤレナあれは朝敵征伐せよとの錦の御旗(みはた)じや知らないかトコトンヤレトンヤレナ』トンヤレ節で有名なこの歌は、大村益次郎が作曲したとされる。「宮…

第212話 酔って候の山内容堂

序文・土佐の鯨は大虎で・・・ 堀口尚次 山内容堂(ようどう) は、幕末の外様大名。土佐藩15代藩主。酒と女と詩を愛し、自らを好んで「鯨海酔侯(げいかいすいこう)」や「酔翁(すいおう)」と称した。藩政改革を断行し、幕末の四賢候の一人として評価される一方…