ホリショウのあれこれ文筆庫

歴史その他、気になった案件を綴ってみました。

幕末維新

第1041話 二本松少年隊

序文・戊辰戦争の悲劇 堀口尚次 二本松少年隊は、幕末の二本松藩〈現・福島県二本松市〉において戊辰戦争に出陣した12歳から17歳の少年兵部隊。幕府側で戦った。ただし、会津藩の白虎隊と違い当時は隊名がなく、二本松少年隊と名づけられたのは戊辰戦没者五…

第663話 斬首を免れた菱田海鴎の辞世の漢詩

序文・幕末維新の混乱痕跡 堀口尚次 菱田重禧(しげよし)〈天保7年-明治28年〉は、幕末の大垣藩士・漢詩人、明治期の官僚・裁判官。青森県権令。字・士端、通称・文蔵、号・海鴎(かいおう)。 美濃国安八郡久瀬川村〈現岐阜県大垣市〉で、大垣藩侍講・菱田清次…

第630話 消えた近藤勇の首

序文・岡崎にある首塚伝説 堀口尚次 近藤勇、天保5年- 慶応4年は、江戸時代末期の武士。新選組局長。後に幕臣に取り立てられ、甲陽鎮撫隊隊長。 新政府軍は流山に集結した新選組が背後を襲う計画を知り、近藤を捕縛する。近藤捕縛は史料により状況が異なり、…

第600話 桑名藩士として本懐をとげた箱館新選組隊長

序文・桑名藩と新選組の関係 堀口尚次 森常吉は、幕末の桑名藩士。後に新選組隊士、頭取改役。通称は弥一左衛門とも。文政9年、桑名藩士の長男として生まれ、後に子供に恵まれなかった伯父の森家を継ぐ。桑名藩では御馬廻、横目、御使番、大目付を歴任し、藩…

第590話 本願寺道路の大義名分

序文・浄土真宗の生き残りをかけた忠勤 堀口尚次 本願寺道路は、明治初年に東本願寺が石狩国の札幌と胆振(いぶり)国の尾去別(おさるべつ)とを山越えで結ぶ街道として建設した道路で、明治4年に開通した。建設は東本願寺による北海道開拓政策の中心事業の一つ…

第586話 清水次郎長親分

序文・仏に官軍も賊軍もない 堀口尚次 清水次郎長(しみずのじろちょう)、文政3年 - 明治26年は、幕末・明治の侠客、博徒、実業家。本名、山本長五郎。米問屋山本次郎八の養子。養家没落に伴い博徒となり、やくざ仲間で名をあげて清水に縄張りをもち、次郎長…

第582話 御陵衛士と佐野七五三之助

序文・新選組えお袂を分かつ 堀口尚次 御陵衛士(ごりょうえじ)は、孝明天皇の陵を守るための組織。高台寺党とも〈高台寺塔頭(たっちゅう)の月真院を屯所としたため〉。 慶応3年に伊東甲子太郎が思想の違いから新選組を離脱、志し同じ者を新選組から引き抜い…

第581話 そうせい候・毛利敬親

序文・聞く耳を持っていた藩主 堀口尚次 毛利敬親(たかちか)は、江戸時代後期から明治時代初期の大名。毛利氏27代当主。長州藩13代藩主。幕末の混乱期にあって有能な家臣を登用し活躍させ、また若い才能を庇護(ひご)することで窮乏(きゅうぼう)していた長州…

第579話 西郷頼母の生き様

序文・国家老の本分 堀口尚次 西郷頼母(たのも)は、家督と家老職を継いで藩主・松平容保に仕えた。文久2年、幕府から京都守護職就任を要請された容保に対し、政局に巻き込まれる懸念から辞退を進言したために、容保の怒りを買う。その後も、藩の請け負った京…

第577話 徳川宗家第16代当主・徳川家達の運命

序文・世が世なら将軍様 堀口尚次 德川家達(いえさと)、文久3年 - 昭和15年は、日本の政治家。徳川宗家第16代当主。もとは御三卿の田安徳川家第7代当主で、静岡藩の初代藩主。幼名は亀之助。号は静岳。位階・勲等・爵位は従一位大勲位侯爵。世間からは「十六…

第573話 天誅組と刈谷藩

序文・勤皇と佐幕の狭間で 堀口尚次 天誅(てんちゅう)組は、幕末に公卿・中山忠光を主将に志士達で構成された尊皇攘夷派の武装集団。その活動は文久3年8月17日の大和国五條代官所討ち入り〈挙兵〉から、幕府の追討を受け転戦してのち、同年9月24日~27日大和…

第562話 斗南藩の因縁と軋轢

序文・会津藩の最期 堀口尚次 斗南(となみ)藩は、明治2年11月3日に前会津藩主・松平容保の嫡男・容大に家名存続が許されて成立した、七戸藩を挟む形で現青森県の東部にあった藩である。 ただし、旧会津藩士4700名余が謹慎を解かれたのは翌年の明治3年1月5日…

第537話 悲運の最期・神保修理

序文・家臣の忠義 堀口尚次 神保修理(しゅり)は、江戸時代末期の武士。会津藩の軍事奉行添役。修理は通称。初名は直登、諱は長輝(ながてる)という。 長輝が多感な年代を迎えた頃、折りしも黒船来航にはじまる鎖国の終焉、更には安政の大獄、尊王攘夷運動など…

第535話 石鐵県死刑囚蘇生事件

序文・生き返った死刑囚 堀口尚次 石鐵(せきてつ)県死刑囚蘇生(そせい)事件とは、明治時代初期の石鐵県〈現在の愛媛県〉で絞柱による死刑執行から死刑囚が蘇生した事件である。別名を「田中藤作蘇生事件」もしくは生き返った死刑囚ともいう。 明治5年。伊予…

第523話 知多半島の烽火台

序文・黒船対策の遺構 堀口尚次 烽火(のろし)とは、物を焼くことで煙を上げ、それを離れたところから確認することによって、情報を伝達する手段である。夜間など煙が見えない場合は、火そのものも使われる。狼煙(のろし)とも書く。特長としては、人や馬が手…

第496話 梟首された江藤新平

序文・悲惨な結末 堀口尚次 江藤新平、天保5年 - 明治7年は、江戸時代後期の武士〈佐賀藩士・権大参事〉、明治時代の政治家、官吏、教育者。幼名は恒太郎、又蔵。諱は胤雄、胤風とも、号は南白または白南。朝臣としての正式な名のりは平胤雄(たいらのたねお)…

第490話 斬首された前原一誠

序文・武士の信念を生きた 堀口尚次 前原一誠(いっせい)は、日本の武士〈長州藩士〉。諱(いみな)は一誠。通称は八十郎(やそろう)、彦太郎。倒幕運動の志士として活躍したが、明治維新後、萩の乱の首謀者として処刑された。位階は贈従四位。維新の十傑の一人…

第428話 明治天皇〈睦仁親王〉すり替え説

序文・後醍醐天皇の怨念か 堀口尚次 明治天皇は、江戸時代最期の天皇であった孝明天皇の子であることは事実だが、孝明天皇が崩御して、僅か14歳で即位した睦仁(むつひと)親王は、明治維新時にすり替えられたとする説が存在する。 そもそもこの説は、昭和4年…

第427話 孝明天皇崩御の謎

序文・最期の在京天皇のタブー 堀口尚次 明治天皇の父である孝明天皇は、慶応2年12月、風邪気味であったが宮中で執り行われた神事に医師たちが止めるのを押して参加し翌1月に発熱する。診察した結果、天皇が痘瘡(とうそう)〈天然痘〉に罹患(りかん)している…

第408話 討幕の密勅

序文・大政奉還との駆け引き 堀口尚次 討幕の密勅(みっちょく)とは、江戸時代最末期の慶応3年10月14日、薩摩藩と長州藩に秘密裡に下された、徳川慶喜討伐の詔書(しょうしょ)〈天皇の命令文書〉、または綸旨(りんじ)〈天皇の意を受けて発給する命令文書〉であ…

第395話 武田耕雲斎の覚悟

序文・立場と運命 堀口尚次 武田耕雲斎(こううんさい)は、幕末の武士。水戸藩の天狗党の首領。名は正生。通称は彦九郎。号は如雲。位階は贈正四位。官位は伊賀守。松原神社〈敦賀市〉の祭神。靖国神社合祀。 徳川斉昭の藩主擁立に尽力した功績などから、天保…

第394話 幻の東武天皇

序文・波乱万丈の皇族 堀口尚次 北白川宮能久(よしひさ)親王は、北白川宮2代。陸軍軍人。最後の輪王寺宮(りんおうじのみや)となる。 輪王寺宮が戊辰戦争中の慶応4年に彰義隊に擁立された頃、または奥羽越列藩同盟に迎えられた頃、東武皇帝あるいは東武天皇と…

第388話 水野忠邦・天保の改革の是非

序文・江戸幕府崩壊の足音が・・・ 堀口尚次 天保年間には全国的な凶作による米価・物価高騰や天保の大飢饉、百姓一揆や都市への避難民流入による打ち壊しが起こっており、大坂での大塩平八郎の乱などの国内事情に加え、アヘン戦争やモリソン号事件など対外…

第381話 清河八郎がやろうとしたこと

序文・ミイラ取りがミイラになってしまった 堀口尚次 清河八郎は、庄内藩出身の志士。九州遊説をして尊王攘夷派の志士を京都に呼び寄せ、一方で浪士組を結成し新選組・新徴組への流れを作り、自らも虎尾の会を率いて明治維新の火付け役となった。 江戸に出て…

第380話 江戸城無血開城の立役者・山岡鉄舟

序文・赤誠の人 堀口尚次 幕臣・山岡鉄舟(てっしゅう)は、江戸無血開城を決した勝海舟と西郷隆盛の会談に先立ち、徳川慶喜の使者として官軍の駐留するす駿府に辿り着き、伝馬町の松崎屋源兵衛宅で西郷と面会して談判する。 これに先立つ江戸城重臣会議におい…

第379話 一条美香子の数奇な運命

序文・封建時代最期の犠牲者か 堀口尚次 一条美賀子〈徳川美賀子〉は、幕末から明治の公家女性で、最後の征夷大将軍・徳川慶喜の正室。実父は今出川公久(きんひさ)〈公卿・権中納言〉、養父は一条忠香(ただよし)〈公卿・左大臣〉、正憲皇太后(しょうけんこう…

第348話 朔平門外の変

序文・天皇のお膝元での事件 堀口尚次 幕末の桜田門外の変〈大老・井伊直弼暗殺〉や坂下門外の変〈老中・安藤信正襲撃〉はいずれも江戸城の門外で起きた事件で有名だが、朔平(さくへい)門外の変は、京都御所の門外で起きた公家暗殺事件である。 破約攘夷を唱…

第344話 庚午事変・稲田騒動

序文・明治になってもまだ切腹刑はあった 堀口尚次 庚午(こうご)事変は、明治3年に当時の徳島藩淡路洲本城下で洲本在住の蜂須賀家臣の武士が、筆頭家老稲田邦植の別邸や学問所などを襲った事件。稲田騒動とも呼ばれる。結果的に淡路島の帰属をめぐる重要な事…

第305話 春雨じゃ濡れて参ろう

序文・武市の志は、坂本龍馬から板垣退助へ。 堀口尚次 これは、昔の映画や 新国劇 『 月形半平太 』で、出てくる有名なせりふ。 実在の土佐藩士・武市瑞山(たけうちずいざん)〈通称 武市半平太〉が、三条の宿を出るときに、舞妓の雛菊(ひなぎく)が「月様、…

第299話 決意の自害・山内豊福

序文・忠に生きるか孝に生きるか 堀口尚次 山内豊福(とよよし)は、江戸時代後期から幕末にかけての大名。土佐新田藩5代藩主。宗藩と旧幕軍の板ばさみとなり、33歳で妻の山内典子(かねこ)とともに自刃した。 土佐藩の支藩である土佐新田藩は、1万3000石を本藩…