ホリショウのあれこれ文筆庫

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第219話 喜納昌吉という生き方

序文・泣きなさい笑いなさい

                               堀口尚次

 

 喜納昌吉は、日本の音楽家、平和活動家、政治家。米軍占領下のゴザ市〈現・沖縄県沖縄市〉出身。琉球民謡を現代風にアレンジしたウチナー・ポップを確立した。バンド、喜納昌吉&チャンプルーズを率い、ヴォーカル、ギター、三線、作詞作曲をおもに担当する。参議院議員(1期)、元民主党沖縄県支部連合会代表。

 「ハイサイおじさん」は、中学時代に作曲したデビュー曲。「こんにちは、おじさん」の意味。この歌から志村けんの『変なおじさん』が生まれたという話しは有名。

 「花~すべての人の心に花を~」は、作詞・作曲を喜納が手掛け、世界60カ国で3000万枚以上の売り上げ。2006年、文化庁により日本の歌100選に選定されている。喜納によると、音楽著作権を保護する制度が未発達な国でのヒットが多いので、印税収入は少ないのだという。平成3年に、この歌でNHK紅白歌合戦に出場している。

 平和活動に携わり、「すべての人の心に花を(「花」の副題でもある)、すべての武器を楽器に、すべての基地を花園に、戦争より祭りを」というメッセージを発信し続けている。

 旧民主党内においてそれぞれ距離のあった小沢一郎鳩山由紀夫菅直人の3名の間の橋渡しを買って出、民主党を政権奪取に導いたトロイカ体制が構築される上で重要な役割を果たしたと言われる。

 異色の経歴を持つミュージシャンだが、若い頃に麻薬不法所持で逮捕され、初犯だが実刑判決を受け、1年4カ月の服役をしている。前述の「ハイサイおじさん」がヒットしたのを知ったのは、刑務所の中だったとか。喜納は著書で回想している「復帰前の沖縄には麻薬なら何でもあった。大麻、ヘロイン、LSD・・・・・・。欲しいと思えば何でも手に入る。あらゆるドラッグがあたりまえのようにまん延していた。大学をドロップアウトした僕は、あっという間に事業に成功すると、その当時としてはスッ飛んだファッションに身を包み(長髪を茶髪に染め、厚底ブーツを履いていた)、外車を乗り回し、夜の街を派手に駆け回って遂には麻薬にも手を染め、警察に厄介になったというわけだ。」

 そして喜納は『あの刑務所生活がなかったら今の喜納昌吉はないだろう。』とまで言い切る。ミュージシャンとしてヒット曲を出して成功し、政治家として旧民主党政権交代に導く一旦を担ったり、平和活動家として精力的に行動もしている。あの刑務所の中で本当の意味で新たなスタートラインに立ったのだ。

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