ホリショウのあれこれ文筆庫

歴史その他、気になった案件を綴ってみました。

第37話 名刹巡礼記

序文・若い頃に巡礼した名刹の記録です。記憶がある内に・・・

                               堀口尚次

 

 私は、20歳代後半から仏教に興味を持ち、各地の名刹を巡礼しました。その時の思い出を記してみます。

 比叡山延暦寺は、滋賀県にある天台宗の総本山です。千日回峰行酒井雄哉大阿闍梨に憧れて、自分でも比叡山の行者道を歩いてみようと思い立ち、単身乗り込みました。往復5時間かかった行者道は、大変辛く厳しいものとなりましたが、ほんの少しでも阿闍梨の気持ちに近づけたという充実感に満たされました。根本中堂(比叡山の頂上付近にある中心寺院)のそばの宿坊へ、予約もなしで行きましたが、なんとか宿泊できました。汗だくでネクタイを締めた異様な青年が突然一泊を切望したので、宿坊の方も驚いていました。

 大本山永平寺は、福井県にある曹洞宗の総本山です。座禅や雲水(修行僧)に興味があり、日帰りで訪れました。雪はありませんが、寒い時期だったので、足がかじかんでいたことが思い出されます。座禅を体験したかったのですが、出来ませんでした。厳格で静寂に包まれた空間でした。

 身延山久遠寺は、山梨県にある日蓮宗の総本山です。参道では、日蓮宗独特の団扇(うちわ)太鼓を打ち鳴らす音がどこからともなく聞こえて来ました。日蓮上人の御廟がある奥の院へ参拝しました。本堂へ上がる前の階段がすごく急だったことを覚えています。

 高野山金剛峰寺」は、和歌山県にある真言宗の総本山です。この時は予約して宿坊に泊まりましたが、夕食時にビールを頼むというフリースタイル?で臨みました。真言密教独特の建築様式や広大な奥之院墓地など参拝時間は束の間に過ぎた感じでした。

 華頂山知恩院大谷寺」は、京都府にある浄土宗の総本山です。巨大な釣鐘と、鴬張(うぐいすば)りの廊下が有名なところでした。

 「山寺立石寺は、山形県にある天台宗の古刹です。宿坊ではなく、寺院前にある宿泊施設(ペンションみんたいな感じ)に泊まりました。松尾芭蕉が「閑さや 巌にしみ入る 蝉の声」を詠んだ句碑を見てきました。

 「谷汲山華厳寺は、岐阜県にある天台宗の古刹で、西国三十三所霊場満願寺です。真暗闇の地下道を歩く「戒壇めぐり」や長い参道の両脇に並ぶお店が楽しめます。裏山にある奥の院までは、徒歩で40分ほどかかりました。父方の在所が岐阜県にあることと、私自身が2度岐阜県に赴任していたので、この寺は通算10回以上は参拝しています。

 残念ながら浄土真宗の「本山西本願寺東本願寺」は未だ参拝していません。

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比叡山延暦寺阿弥陀堂