ホリショウのあれこれ文筆庫

歴史その他、気になった案件を綴ってみました。

第226話 日韓併合清算後の諸問題

序文・朝鮮半島の近代化に寄与した日本

                               堀口尚次

 

 韓国併合とは、朝鮮半島の権益を巡る日清戦争及び日露戦争後の明治43年、「韓国併合ニ関スル条約」に基づいて大日本帝国大韓帝国を併合して統治下に置いた事実を指す。朝鮮全土を統治する朝鮮総督府が設置された。日本による朝鮮半島の統治は、大日本帝国ポツダム宣言による無条件降伏後に、朝鮮総督府が連合国軍への降伏文書に調印するまで実質的には約35年間続いた。

 朝鮮半島の歴史は、李氏朝鮮王朝の後、大韓帝国が成立するが、第二次日韓協約が締結される。この協約によって、韓国の皇室は保持されたが、韓国の外交権は日本に接収されることとなり、事実上、韓国は日本の保護国となった。1その後、韓国軍の指揮権を有する行政府である統監府が設置され、伊藤博文が初代統監に就任した。第二次日韓協約のころまでは韓国に同情的な意見もあった日本の世論も、政治能力のない大韓帝国の存在は韓国民衆にとって不幸であり、世界の平和と安寧のためにも朝鮮を日本に併合することが「世界に対する帝国の任務」であると併合の推進を進める論調が主流となり、伊藤博文ハルビン駅で、朝鮮民族主義者の安重根に暗殺された事件を契機に、ロシアも韓国との関係を断絶して日本との協調路線に転じ、日韓併合へと突き進んだ。

 総督府は、「身分解放〈戸籍制度の導入〉」「土地政策〈土地の所有権の確定〉」「教育文化政策〈日本内地に準じた学校教育制度〉」などを推し進め、併合が朝鮮半島の近代化に寄与したと肯定的に評価する見方もある。

 昭和40年、日韓両国にて交わされた日韓基本条約において、明治43年以前に両国において交わされたすべての条約、協定はもはや無効であることが「確認」され、日韓併合は無効化された。また、同条約において日本は巨額の資金協力〈無償3億ドル、有償2億ドル、民間借款3億ドル、いずれも1965年当時額〉を韓国に対して行い、それと引き換えに下記の点が確約された。

 両締約国は、両締約国及びその国民〈法人含む〉の財産、権利及び利益並びに両締約国及びその国民の間の請求権に関する問題が、完全かつ最終的に解決されたとなることを確認する〈個別請求権の問題解決〉。

 一方の締約国及びその国民の財産、権利及び利益において、一方の締約国及びその国民の他方の締約国及びその国民に対するすべての請求権であって1945年8月15日〈日韓併合解消〉以前に生じた事由に基づくものに関しては、いかなる主張もできないものとする〈相手国家に対する個別請求権の放棄〉。

 しかし、事後も韓国からの「賠償要求」は発生しつづけている。慰安婦や徴用工の問題であるが、日本(軍)側に強制があったか否かが焦点となっている。

f:id:hhrrggtt38518:20220201061633p:plain